朝が来るまでキスをして。

月湖

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14 削がれた気

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「っ!!っぅげほっ、げほっ」



いきなり喉の奥まで押し込んだ所為か、ヒカルちゃんはむせ返って俺のを離してしまった。



「・・・もう、ダメじゃん」



ゲホゲホと激しく咳き込んで、いつまでも俺を見ようともしないヒカルちゃん。

ちょっとイライラして、だんだんその気が削がれてくる。



「やっぱやめるか」



腹の下にあるものはまだ力を持ったままだったけれど、こんなんじゃその後をする気にもなれない。

立ち上がって、散々ついた唾液を流そうとシャワーをざっと浴び風呂場の戸を開けた。



「・・・ってよ・・・」



足を踏み出そうとしたその時、背後から小さく声が聞こえてくる。



「・・・なに?」



「待ってって!」



「なんで」



だって出来ないじゃん。



「今度はちゃんとするから・・・!」



その必死な声にゆっくりと振り向くと、立ち上がって生理的なものか感情的なものか分からない涙を流しているヒカルちゃんがいた。

身体の中心にあるものはすっかり萎えてしまっている。



ふふ・・・。

そんなに俺んこと好き?

そんなみっともないとこまで見せちゃってさ?



「ねえ・・・お願いだから・・・っ!」



涙の滲む大きな目で俺を見つめ、必死に言い募る。

気分がよかった。

さっき削がれた気が戻ってくるような感覚。



「・・・続きはベッドで。ここじゃ風邪ひく」



静かに言うと、ヒカルちゃんは泣きながらブサイクな笑顔を作った。

それに思わず笑ってしまう。



「やっぱ、俺のこと好きなんじゃん」



「・・・・・・。」



・・・チッ。



「先行く。もたもたしてたら帰るから」



置いてあるバスタオルで身体を拭き、そのまま腰に巻いて脱衣所を出る。

後ろではヒカルちゃんがシャワーを使う音が聞こえていた。













「おまたせ・・・」



ベッドに寝っころがって暫くして、俺と同じ格好のヒカルちゃんが少し俯きがちに寝室に入ってくる。

でも緊張してるのか入り口に立ったままだ。



「早く来いよ。しないなら帰るよ?」



我ながら酷い言い方だと思うけど、そう思うんだから仕方ない。



「・・・する」



少し強めに言った言葉に顔を上げたヒカルちゃんは短く返事をすると、俺を見つめながら床に引っ付いてた足をゆっくりと前に出した。



「ふふ。イイコだな(笑)」



「子供じゃないんだけど・・」



「年下だろ(笑)」



「まあ」



ベッドに乗ってくるヒカルちゃんを抱き寄せ、もう一度キスから始めた。


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