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45 治癒魔法と浄化魔法
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「・・・俺の魔法は未熟で、必ず治せるという保証はありません。それでもいいなら」
震えているようにも見える王子に告げると、王子はガバッと顔を上げた。
表情は今にも泣きそうに歪んでいる。
そんな表情でもイケメンはイケメンなんだよなー。
「ハルカ・・・ああ、それで構わない。ありがとう。感謝する」
「その言葉は今はいりません。
治癒の専門家が治せない病を治せるかどうかなんて、自分でも分からないんですから」
「いいや。近いうちに失う覚悟をしなければならないと思っていた状況を思えば、少しでも希望を持たせてくれるハルカの存在には感謝しかない。
どんな病も治すと伝説にある神の森の果実を探して森に幾度と入ったが、芳しい成果も無く帰還していた。
今回私は下手を打ってしまったが、そのおかげでハルカと出会えたとも言える。
ハルカは私の恩人であり、今は甥を救う希望でもあるのだ」
「・・とりあえず、第一王子様にお会いできますか?」
両手を取られ熱っぽく語られる内容に内心ドキドキしながら、視線を少し逸らして話を終わらせた。
・
王子が第一王子の元に使いを出し、(・・・ああもう王子だらけでややこしいなこっちの王子は王弟殿下でいいや。本人が良いと言っても、人前でアルブレヒト様って名前呼びは馴れ馴れし過ぎてマズいような気もするし)暫くして返ってきた第一王子様側からの返答は午後からの訪問ならとの事で、それまでの数時間空くことが決まってしまった。
「すまない、ハルカ。この書類を処理する間待ってもらえるか。
終わったら騎士団の中を案内しよう」
「ああ、いえ、おかないなく。
部外者が歩き回るのは良くないと思いますので」
「年に一度、鍛練場など一部公開している場所もあるから構わないよ。
私が一緒にいて文句を言う者もいないだろうし」
「はあ・・・」
それは言えないから言わないだけだと思うよ、とは思っても言わなかった俺は日和見主義の元サラリーマンだ。
「では少しだけ待っていてくれ」
「はい」
頷くと、王弟殿下は執務机に向かいペンを持った。
脇の箱から書類を取り真剣に読むその顔はキリッと整い、どこから見ても出来る男の雰囲気を出していた。
殿下が集中し始めたのを確認し、俺は俺でやらなければならない事をする。
それは、自分のスキルの確認だ。
全体的にはうろ覚えだが、俺のスキルに治癒はあった筈だ。
だけど、なんか注釈がなかったっけ?
ほら、ゲームのスキルだって習得条件とか使用条件があったりするじゃん?
(ステータスオープン)
心の中で唱えると、目の前にタブレットサイズの画面が出てきた。
ハルカ ツヅキ
26歳 身長177センチメートル 体重62キログラム
健康状態良好
寿命16/100+-0
魔力量720/720+
レベル82/100+
火83/100+
水86/100+
土80/100+
風88/100+
光95/100+
聖95/100+ ※治癒の力はハルカツヅキの体液にのみ反応
闇50/100
無属性100/100+
ほら、あったよやっぱり。
つーか、これ使えなくないか?
俺の体液にのみ反応って・・・体液って、血とか?
それって自分にしか掛けられないって事じゃないか?
俺の血を飲ませたらそいつにも掛けられる?
え?普通に嫌なんだけど。
王弟殿下の時は・・・浄化して、森の果物食わせたら次の日には回復してた。
彼の言う「神の森の果実」。まさにそれだ。ついこないだまで効能なんて知らなくて毎日バクバク食ってたのは絶対に内緒にしよう。
っていうか。
俺の倉庫にソコソコの量は言ってるけど、あれはそう簡単に人前で出して良いものじゃない事くらい異世界初心者の俺にだって分かる。
神の森の存在はおいそれと明かしていいものじゃないし、明かしたところで誰一人として行くことなど出来はしない。
あの森は『神の森』だ。
そう考えると、自分がどういう存在なのか考えさせられるが、今はそれどころじゃない。
王子の治療をどうするかだよ。
治癒はもう効きにくくなってしまっていると言っていた。
方法はどうあれ俺が治癒を掛けて効果はあるのか?
投薬だって長くしていれば耐性が出来て効果が低くなる。
王子は今そんな状態なのだろうか。
魔法にもそんな事があるのか?
薬は、服用によって菌や細胞を壊し正常な状態で再生させるのが主な効果だろう。
じゃあ、治癒魔法って、なんだ?
逆再生のように傷が治っていくようなイメージだけど、そういう事なのか?
そんなチートな魔法が効かないって、末期じゃないか?
・・・そういえば、さっき殿下は聖魔法と言っていた。
治癒魔法は光属性で、聖魔法じゃない。
期待されているのは治癒魔法ではなくて、聖魔法・・・浄化?
殿下は第一王子の病気が闇の影響だと考えている?
それなら俺でもどうにかなりそうだ。
震えているようにも見える王子に告げると、王子はガバッと顔を上げた。
表情は今にも泣きそうに歪んでいる。
そんな表情でもイケメンはイケメンなんだよなー。
「ハルカ・・・ああ、それで構わない。ありがとう。感謝する」
「その言葉は今はいりません。
治癒の専門家が治せない病を治せるかどうかなんて、自分でも分からないんですから」
「いいや。近いうちに失う覚悟をしなければならないと思っていた状況を思えば、少しでも希望を持たせてくれるハルカの存在には感謝しかない。
どんな病も治すと伝説にある神の森の果実を探して森に幾度と入ったが、芳しい成果も無く帰還していた。
今回私は下手を打ってしまったが、そのおかげでハルカと出会えたとも言える。
ハルカは私の恩人であり、今は甥を救う希望でもあるのだ」
「・・とりあえず、第一王子様にお会いできますか?」
両手を取られ熱っぽく語られる内容に内心ドキドキしながら、視線を少し逸らして話を終わらせた。
・
王子が第一王子の元に使いを出し、(・・・ああもう王子だらけでややこしいなこっちの王子は王弟殿下でいいや。本人が良いと言っても、人前でアルブレヒト様って名前呼びは馴れ馴れし過ぎてマズいような気もするし)暫くして返ってきた第一王子様側からの返答は午後からの訪問ならとの事で、それまでの数時間空くことが決まってしまった。
「すまない、ハルカ。この書類を処理する間待ってもらえるか。
終わったら騎士団の中を案内しよう」
「ああ、いえ、おかないなく。
部外者が歩き回るのは良くないと思いますので」
「年に一度、鍛練場など一部公開している場所もあるから構わないよ。
私が一緒にいて文句を言う者もいないだろうし」
「はあ・・・」
それは言えないから言わないだけだと思うよ、とは思っても言わなかった俺は日和見主義の元サラリーマンだ。
「では少しだけ待っていてくれ」
「はい」
頷くと、王弟殿下は執務机に向かいペンを持った。
脇の箱から書類を取り真剣に読むその顔はキリッと整い、どこから見ても出来る男の雰囲気を出していた。
殿下が集中し始めたのを確認し、俺は俺でやらなければならない事をする。
それは、自分のスキルの確認だ。
全体的にはうろ覚えだが、俺のスキルに治癒はあった筈だ。
だけど、なんか注釈がなかったっけ?
ほら、ゲームのスキルだって習得条件とか使用条件があったりするじゃん?
(ステータスオープン)
心の中で唱えると、目の前にタブレットサイズの画面が出てきた。
ハルカ ツヅキ
26歳 身長177センチメートル 体重62キログラム
健康状態良好
寿命16/100+-0
魔力量720/720+
レベル82/100+
火83/100+
水86/100+
土80/100+
風88/100+
光95/100+
聖95/100+ ※治癒の力はハルカツヅキの体液にのみ反応
闇50/100
無属性100/100+
ほら、あったよやっぱり。
つーか、これ使えなくないか?
俺の体液にのみ反応って・・・体液って、血とか?
それって自分にしか掛けられないって事じゃないか?
俺の血を飲ませたらそいつにも掛けられる?
え?普通に嫌なんだけど。
王弟殿下の時は・・・浄化して、森の果物食わせたら次の日には回復してた。
彼の言う「神の森の果実」。まさにそれだ。ついこないだまで効能なんて知らなくて毎日バクバク食ってたのは絶対に内緒にしよう。
っていうか。
俺の倉庫にソコソコの量は言ってるけど、あれはそう簡単に人前で出して良いものじゃない事くらい異世界初心者の俺にだって分かる。
神の森の存在はおいそれと明かしていいものじゃないし、明かしたところで誰一人として行くことなど出来はしない。
あの森は『神の森』だ。
そう考えると、自分がどういう存在なのか考えさせられるが、今はそれどころじゃない。
王子の治療をどうするかだよ。
治癒はもう効きにくくなってしまっていると言っていた。
方法はどうあれ俺が治癒を掛けて効果はあるのか?
投薬だって長くしていれば耐性が出来て効果が低くなる。
王子は今そんな状態なのだろうか。
魔法にもそんな事があるのか?
薬は、服用によって菌や細胞を壊し正常な状態で再生させるのが主な効果だろう。
じゃあ、治癒魔法って、なんだ?
逆再生のように傷が治っていくようなイメージだけど、そういう事なのか?
そんなチートな魔法が効かないって、末期じゃないか?
・・・そういえば、さっき殿下は聖魔法と言っていた。
治癒魔法は光属性で、聖魔法じゃない。
期待されているのは治癒魔法ではなくて、聖魔法・・・浄化?
殿下は第一王子の病気が闇の影響だと考えている?
それなら俺でもどうにかなりそうだ。
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