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37 ありえない朝
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眩しすぎない明るさの中、ぽっかりと目が覚めた。
が。
「―――!?」
は―――――――!?
なんだこれ。
どういう事だ。
目の前の状況に思考が追い付かない。
「誰・・・」
昨夜は酒も飲んでないし、誰かをお持ち帰りした覚えもましてやソンナコトをした覚えも無い。
だというのに。
目の前に広がるのはこの薄暗い中でも輝く長い長い金の髪。
背を向けて寝ているせいで顔は見えない。
しかし少しだけ見える背中は裸のようだ。
ホント、どういう事だよ・・・っ
「く、クロウ・・・っ」
縋るように、基本ずっと俺の傍にいる親友の名を呼ぶと、漆黒の獣がベッドの下からのそりと顔を上げた。
『ハルカ、どうした?』
「どうしたって・・・どうしたもこうしたも・・・何この状況。
俺昨夜の、風呂の後からの記憶が無いんだけど!
俺、何やらかした!?」
知らない人をベッドに連れ込むなんてこと、生まれて26年一度もした事は無い。
酒癖が悪いとも言われた事は無いし、そもそも昨夜酒は飲んでない!
なのに、なんだこれ。
お願いだからこの状況の説明をしてくれ。
パニック状態のままズリズリとベッドの端に移動し、それでも相手を起こさないように小声でクロウに縋るが、そんな俺にクロウは首を傾げただけだった。
『どうした、何を慌てている?
寝ている間に何かされたのか?』
えー・・・・・・と。
えええ・・・。
この状況で、慌てる俺が変なの?
寝起きで隣に知らない女性が寝てる状況ってすげえ怖いと思うんだけど。
主に記憶の無い部分の自分の所業について。
「何かされたっていうか・・・何かしたのかっていうか・・・。
・・・・その、昨夜の記憶が無くて・・・」
『ああ、ハルカは風呂で寝てしまっていたからな』
「そうなのか?」
『ああ、慣れない馬での移動で疲れが出たのだろう。
王子に抱き上げられても目を覚まさなかった』
「・・・は!?」
王子?って俺の知ってる王子ってアルブレヒトしかいないけど?
王子に抱き上げられた?
「・・・何してんだよ俺」
『あの王子は甲斐甲斐しくハルカを世話していたぞ?
自分が濡れるのも厭わず風呂からハルカを引き上げて』
「何してんだよ王子様・・・」
はー・・・と自分の所業を棚に上げてため息とともに出す。
つーか、それは取り合えず置いといて。
今問題なのはこの状況なんだよ!
王子様にお世話を掛けてしまった云々は後程謝罪するとしてだ。
昨日は、なんだかんだで王都の中心部に着いた頃には夜になってからで、ぐったり疲れていた俺に王子様は今日はもう休もうかと言ってくれたのだ。
いきなり王城ではゆっくり出来ないだろうと連れていかれたのは騎士団の宿舎。
部外者だから当然だが突然部屋は用意出来ないというのは分かるが、何故王子様と一緒なのだろうか。
さっきまで一緒だった騎士さんが私の部屋でもと言ってくれたのを、団長室は他の部屋より余裕があるからと王子様に押し切られて結局団長室に入った。
そこでお風呂に入らせてもらって・・・
うー、と頭を抱えて唸ってみても、昨夜の風呂以降の記憶は全く蘇らない。
後ろを振り返れば、夜が明けてきて先程よりも少し明るい部屋に更に煌めく金の髪。
シャンプーのCMでも採用されそうなくらいに綺麗だ。
いや、そんな現実逃避してる場合じゃないし。
でもどうすりゃいいんだ。
「はー・・・」
サラリーマン時代にすらやらかさなかった失態にボスンと枕に顔を埋めると、その衝撃で目を覚ましたのだろうか、すぐ隣から「ん・・・?」と掠れた声が聞こえてきた。
「っ!!」
輝く髪がサラサラと流れ、その人がゆっくりと寝返りを打つ。
そのまま起きるのだろうか、布団がめくり上がって・・・。
ヤバいヤバいヤバいyヤバい!!
身体を見てしまう前に、俺は飛び起きベッドに正座をして思い切り頭を下げた。
「っ――――すみません!!!!」
が。
「―――!?」
は―――――――!?
なんだこれ。
どういう事だ。
目の前の状況に思考が追い付かない。
「誰・・・」
昨夜は酒も飲んでないし、誰かをお持ち帰りした覚えもましてやソンナコトをした覚えも無い。
だというのに。
目の前に広がるのはこの薄暗い中でも輝く長い長い金の髪。
背を向けて寝ているせいで顔は見えない。
しかし少しだけ見える背中は裸のようだ。
ホント、どういう事だよ・・・っ
「く、クロウ・・・っ」
縋るように、基本ずっと俺の傍にいる親友の名を呼ぶと、漆黒の獣がベッドの下からのそりと顔を上げた。
『ハルカ、どうした?』
「どうしたって・・・どうしたもこうしたも・・・何この状況。
俺昨夜の、風呂の後からの記憶が無いんだけど!
俺、何やらかした!?」
知らない人をベッドに連れ込むなんてこと、生まれて26年一度もした事は無い。
酒癖が悪いとも言われた事は無いし、そもそも昨夜酒は飲んでない!
なのに、なんだこれ。
お願いだからこの状況の説明をしてくれ。
パニック状態のままズリズリとベッドの端に移動し、それでも相手を起こさないように小声でクロウに縋るが、そんな俺にクロウは首を傾げただけだった。
『どうした、何を慌てている?
寝ている間に何かされたのか?』
えー・・・・・・と。
えええ・・・。
この状況で、慌てる俺が変なの?
寝起きで隣に知らない女性が寝てる状況ってすげえ怖いと思うんだけど。
主に記憶の無い部分の自分の所業について。
「何かされたっていうか・・・何かしたのかっていうか・・・。
・・・・その、昨夜の記憶が無くて・・・」
『ああ、ハルカは風呂で寝てしまっていたからな』
「そうなのか?」
『ああ、慣れない馬での移動で疲れが出たのだろう。
王子に抱き上げられても目を覚まさなかった』
「・・・は!?」
王子?って俺の知ってる王子ってアルブレヒトしかいないけど?
王子に抱き上げられた?
「・・・何してんだよ俺」
『あの王子は甲斐甲斐しくハルカを世話していたぞ?
自分が濡れるのも厭わず風呂からハルカを引き上げて』
「何してんだよ王子様・・・」
はー・・・と自分の所業を棚に上げてため息とともに出す。
つーか、それは取り合えず置いといて。
今問題なのはこの状況なんだよ!
王子様にお世話を掛けてしまった云々は後程謝罪するとしてだ。
昨日は、なんだかんだで王都の中心部に着いた頃には夜になってからで、ぐったり疲れていた俺に王子様は今日はもう休もうかと言ってくれたのだ。
いきなり王城ではゆっくり出来ないだろうと連れていかれたのは騎士団の宿舎。
部外者だから当然だが突然部屋は用意出来ないというのは分かるが、何故王子様と一緒なのだろうか。
さっきまで一緒だった騎士さんが私の部屋でもと言ってくれたのを、団長室は他の部屋より余裕があるからと王子様に押し切られて結局団長室に入った。
そこでお風呂に入らせてもらって・・・
うー、と頭を抱えて唸ってみても、昨夜の風呂以降の記憶は全く蘇らない。
後ろを振り返れば、夜が明けてきて先程よりも少し明るい部屋に更に煌めく金の髪。
シャンプーのCMでも採用されそうなくらいに綺麗だ。
いや、そんな現実逃避してる場合じゃないし。
でもどうすりゃいいんだ。
「はー・・・」
サラリーマン時代にすらやらかさなかった失態にボスンと枕に顔を埋めると、その衝撃で目を覚ましたのだろうか、すぐ隣から「ん・・・?」と掠れた声が聞こえてきた。
「っ!!」
輝く髪がサラサラと流れ、その人がゆっくりと寝返りを打つ。
そのまま起きるのだろうか、布団がめくり上がって・・・。
ヤバいヤバいヤバいyヤバい!!
身体を見てしまう前に、俺は飛び起きベッドに正座をして思い切り頭を下げた。
「っ――――すみません!!!!」
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