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第1章

惹かれる心3(レオルドさん視点)

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ふと視線を感じ周りを見渡して見ると、食堂で飯を食ってた奴らが全員、リオ嬢の照れ顔に見とれているのが分かった。

いや、もしかしたら、俺とリオ嬢の会話をずっと聞いていたかもしれないな。

「なっ!あっ、いやっ、今のは、違うんですっ!あのっ、その、口が滑ったと言いますか、って、そ、それも違くてっ、えっと、なんて言うかっ、」

リオ嬢が顔を赤くして慌てながら弁解をしている。

くそっ!可愛いっ!
めったに見れないようなリオ嬢の慌てぶりに俺はびっくりしながらも、鼻血が出ないか心配になる。

いや、まて、それよりも先にリオ嬢をどうにかしないと。

「えっと、リ、リオ嬢っ、と、とにかく落ち着いて下さいっ。め、目立ってますからっ!」

「え?」

俺がそう言えばリオ嬢は少し冷静になったのか周りを見渡す。

リオ嬢が周りを見た瞬間皆がいっせいに視線をそらした。

いやいや、それじゃバレバレだろ。

皆に見られていた事に気がつき恥ずかしくなったのかリオ嬢は顔を赤くして走り出す。

「リオ嬢っ!?」

俺は咄嗟に名前を呼んだが、気にせずにどこかへ行ってしまった。

追いかけることも考えたが、今は色々ありすぎて、一旦、頭を落ち着かせたかったので、とりあえず水を飲む。

今、何があったんだ?

そのまま机に突っ伏した俺は思った。

年頃の女性と普通に話した事が全然ない俺は、リオ嬢と話ができるだけでも嬉しかった。

だが、今のは?

俺は「色っぽい」だなんて初めて言われた。

リオ嬢の真っ赤にして慌ててる姿を思い出す。

リオ嬢の照れた顔は可愛くて。可愛いくて。

ずっと見ていたいと思った。

なんて事を俺が考えていると痛いくらいに視線を感じそちらを見る。

「レオルド~。詳しく聞かせてくれるよな?」

有無を言わさない笑みで俺にそう言ったのは先輩であるオルゴだった。

いや、オルゴだけではない。
エトアも、その他三人の騎士も、鋭い目つきでこちらを見てくる。

「いや、お前ら仕事があるだろ。もう時間じゃないのか?」

別に、俺とリオ嬢は特別な間柄ではない。

何も話すことがないという思いを込め、俺はこの場から逃れようとした。

「逃がしませんよ?先輩。」

が、俺は捕まり質問攻めにあった。

質問されたのは、リオ嬢が何処から来たのかとか、年齢とかそんなものだった。

俺が答えられるのは、リオ嬢の名前とかで、考えてみたら俺はリオ嬢の年齢をしらない。

いや、それだけじゃない。まだ、全然リオ嬢について何も知らないのだ。

まだ出会って数日だし仕方がないかもしれない。

でも今度、リオ嬢にあったら、好きな食べ物くらいは聞いてもいいだろうか。

後、誰も俺がリオ嬢とどうにかなるとは思っていないのか、そゆいうことには誰も聞いてこなかった。

俺の容姿に気にせずに恋人の話とかをしてくるのなんてサジャールくらいだ。

まぁ、コイツらなりの気遣いなんだとは思う。

俺自身、リオ嬢が俺を好いてくれるなんて有り得ないと思っているから。

でも、少しだけ、色恋とか、そゆ言う話で盛り上がりたいと、思ってしまった。

他の誰かならそうは思わなかったと思う。

でも、ノリでも、嘘でもいいから、リオ嬢とお似合い、なんて事を言われてみたい、と馬鹿な事を考えてしまった。

あぁ、やっぱり俺は疲れているんだろうか。

少しだけ頭が痛くなって来た気がした。
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