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第1章
月夜に照らされた謎のイケメン(3)
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「なっ!あっ、いやっ、今のは、違うんですっ!あのっ、その、口が滑ったと言いますか、って、そ、それも違くてっ、えっと、なんて言うかっ、」
うわあああぁ!!ど、どうしようっ!私のバカっ!アホっ!マヌケっ!なんて事口走ってるのよぉっ!もぉ、絶対レオルドさんに変なやつだと思われたァァァ!
と、とにかく、早く何か言い訳を・・・
お、思い付きませんっ!隊長っ!助けてくださいっ!
思わず口を滑らしてしまった私の内心はとても荒れていた。何とか誤魔化そうと思うも慌てすぎて頭が正常に機能していないので上手い言い訳も思いつかない。
おまけに居るはずもない隊長と言う存在まで引っ張り出してしまった。
「えっと、リ、リオ嬢っ、と、とにかく落ち着いて下さいっ。め、目立ってますからっ!」
「え?」
レオルドさんのその言葉に一瞬冷静になった私は周りを見渡す。
何故か私が見た瞬間皆がいっせいに視線をそらした。
その反応だけで私は、私とレオルドさんの会話を周りの人が聞いてた事を察し、恥ずかしさのあまり急いで食堂を出て、そのまま井戸まで走った。
宿屋を出る時、レオルドさんに名前を呼ばれた様な気がしたが真っ赤な顔を見られるのが恥ずかしくて振り向くことは出来なかった。
うわああああああ!
レオルドさんだけじゃなくて他の騎士さん達にも変なやつだと思われたっ!いや、もしかしたら今頃、変態扱いされてるかも・・・。
井戸に着くと叫び出したくなる頭の中を何とか押し留めて水をすくい思いっきり顔にぶつけた。
とにかく何でも良いから何かをやっていないと思いっきり叫びだしそうになってしまう。
ちがう、あれは寝不足のせいで正常な判断が出来なくて言っただけっ!そう、そうだよ、いつもならあんな事言わないしっ!思わないしっ!
何度もバシャバシャと水を顔にぶつける。
バケツに入っていた水が無くなったところでやっと私は自分が再び悪い意味で注目を浴びていることに気がついた。
再び走り出したくなったがその前に私は声を掛けられた。
「お嬢さん、そんなに顔を洗って、何かあったのかい?」
「へ?あ、いえ、何も・・・」
振り返ってその人を見てまず一番初めに思ったのは“お相撲さん”だった。
いや、日本のお相撲さんでは無くてお相撲さんに憧れて真似をしている外国人と言った方が良いだろうか。
彼はとても、キラキラとしたゴージャスな服を着ていたが私には違和感しか無かった。
浴衣の方が似合うと思うんだけど・・・
なんて感想を持ちながら固まっているとしゃがみ込んでいた私は手を差し伸べられ、何となく上に乗せるとそのまま引き寄せられた。
何故か私がその人の胸に持たれかかるような体制になってしまっている。
「えっ、えぇっ!あのっ。」
「ん?あぁ、失礼。ちょっと近すぎたかな?」
私が困っているのを察したのかすんなりと体を離される。
「美しい人。貴女に聞きたいことがあるんだが、、えーと、この辺でいつもローブを身に付けている男を知らないか?もしくは、その、とても怖い顔をした男だ。まぁ、言ってしまえば、君のような美女には見るに堪えない様な容姿の男だ。」
目の前にいるお相撲さん見たいな男の人は少し困ったように眉を下げながら私に問うた。
「えっと、もしかして、レオルドさんの事ですか?」
私の頭の中に浮かんだのは、勿論レオルドさんだった。
それにしても、この人の言い方が気に入らなかった。
私はフードとマスクで隠された顔を見た事は無いが何もそこまで言わなくても良いじゃないか。それに、私が美女とは何だ。からかっているのか、外国人特有のジョークなのか。
すこしムッと頬を膨らませると、何故かその人は少しだけ頬を染め、「醜いローブの男を知っているのか?」と以外そうに聞いてきた。
「醜い、ローブの、男?」
もしかして、その失礼な呼び名はレオルドさんの事を言っているのだろうか。
「あぁ、そうだ。彼に任せたい仕事があってね、今はこの町にいるって聞いたんだけど、君、良ければ案内してくれないかな?」
コテリと可愛らしく首を傾げたお相撲さん見たいな人に向かって私はハッキリと口にした。
「嫌です。」
「は?」
断られると思ってなかったのか目の前の男の人は間抜けな顔をしていた。
私はそのまま思った事を口にした。
「少なくとも私にとってレオルドさんは“醜いローブの男”なんて失礼な呼び名が付くような人じゃ無いです。・・・レオルドさんの顔は見た事がありませんが、その言い方は失礼だとは思わなかったんですか?」
私よりも少し背が高いその人の瞳を下から睨むように見つめれば、その人は細い目を大きく見開き固まっていた。
ハッと我に返り周りを見てみると、さっきよりも注目を浴びている気がした。それもそうだ、今私がいるのは井戸の前。井戸を使いたい人達がよってくる所。
私は何だか罰が悪くなってそのまま「すみません、、失礼します」とだけ言って井戸を離れた。
━━━━━━━━━━━━━━━
ここまで読んで頂きありがとうございます。
一週間くらい忙しくなるので投稿が遅くなりますが、暇な時にでも読んで頂ければ嬉しいです。
また、誤字脱字は見つけ次第直していきます。
うわあああぁ!!ど、どうしようっ!私のバカっ!アホっ!マヌケっ!なんて事口走ってるのよぉっ!もぉ、絶対レオルドさんに変なやつだと思われたァァァ!
と、とにかく、早く何か言い訳を・・・
お、思い付きませんっ!隊長っ!助けてくださいっ!
思わず口を滑らしてしまった私の内心はとても荒れていた。何とか誤魔化そうと思うも慌てすぎて頭が正常に機能していないので上手い言い訳も思いつかない。
おまけに居るはずもない隊長と言う存在まで引っ張り出してしまった。
「えっと、リ、リオ嬢っ、と、とにかく落ち着いて下さいっ。め、目立ってますからっ!」
「え?」
レオルドさんのその言葉に一瞬冷静になった私は周りを見渡す。
何故か私が見た瞬間皆がいっせいに視線をそらした。
その反応だけで私は、私とレオルドさんの会話を周りの人が聞いてた事を察し、恥ずかしさのあまり急いで食堂を出て、そのまま井戸まで走った。
宿屋を出る時、レオルドさんに名前を呼ばれた様な気がしたが真っ赤な顔を見られるのが恥ずかしくて振り向くことは出来なかった。
うわああああああ!
レオルドさんだけじゃなくて他の騎士さん達にも変なやつだと思われたっ!いや、もしかしたら今頃、変態扱いされてるかも・・・。
井戸に着くと叫び出したくなる頭の中を何とか押し留めて水をすくい思いっきり顔にぶつけた。
とにかく何でも良いから何かをやっていないと思いっきり叫びだしそうになってしまう。
ちがう、あれは寝不足のせいで正常な判断が出来なくて言っただけっ!そう、そうだよ、いつもならあんな事言わないしっ!思わないしっ!
何度もバシャバシャと水を顔にぶつける。
バケツに入っていた水が無くなったところでやっと私は自分が再び悪い意味で注目を浴びていることに気がついた。
再び走り出したくなったがその前に私は声を掛けられた。
「お嬢さん、そんなに顔を洗って、何かあったのかい?」
「へ?あ、いえ、何も・・・」
振り返ってその人を見てまず一番初めに思ったのは“お相撲さん”だった。
いや、日本のお相撲さんでは無くてお相撲さんに憧れて真似をしている外国人と言った方が良いだろうか。
彼はとても、キラキラとしたゴージャスな服を着ていたが私には違和感しか無かった。
浴衣の方が似合うと思うんだけど・・・
なんて感想を持ちながら固まっているとしゃがみ込んでいた私は手を差し伸べられ、何となく上に乗せるとそのまま引き寄せられた。
何故か私がその人の胸に持たれかかるような体制になってしまっている。
「えっ、えぇっ!あのっ。」
「ん?あぁ、失礼。ちょっと近すぎたかな?」
私が困っているのを察したのかすんなりと体を離される。
「美しい人。貴女に聞きたいことがあるんだが、、えーと、この辺でいつもローブを身に付けている男を知らないか?もしくは、その、とても怖い顔をした男だ。まぁ、言ってしまえば、君のような美女には見るに堪えない様な容姿の男だ。」
目の前にいるお相撲さん見たいな男の人は少し困ったように眉を下げながら私に問うた。
「えっと、もしかして、レオルドさんの事ですか?」
私の頭の中に浮かんだのは、勿論レオルドさんだった。
それにしても、この人の言い方が気に入らなかった。
私はフードとマスクで隠された顔を見た事は無いが何もそこまで言わなくても良いじゃないか。それに、私が美女とは何だ。からかっているのか、外国人特有のジョークなのか。
すこしムッと頬を膨らませると、何故かその人は少しだけ頬を染め、「醜いローブの男を知っているのか?」と以外そうに聞いてきた。
「醜い、ローブの、男?」
もしかして、その失礼な呼び名はレオルドさんの事を言っているのだろうか。
「あぁ、そうだ。彼に任せたい仕事があってね、今はこの町にいるって聞いたんだけど、君、良ければ案内してくれないかな?」
コテリと可愛らしく首を傾げたお相撲さん見たいな人に向かって私はハッキリと口にした。
「嫌です。」
「は?」
断られると思ってなかったのか目の前の男の人は間抜けな顔をしていた。
私はそのまま思った事を口にした。
「少なくとも私にとってレオルドさんは“醜いローブの男”なんて失礼な呼び名が付くような人じゃ無いです。・・・レオルドさんの顔は見た事がありませんが、その言い方は失礼だとは思わなかったんですか?」
私よりも少し背が高いその人の瞳を下から睨むように見つめれば、その人は細い目を大きく見開き固まっていた。
ハッと我に返り周りを見てみると、さっきよりも注目を浴びている気がした。それもそうだ、今私がいるのは井戸の前。井戸を使いたい人達がよってくる所。
私は何だか罰が悪くなってそのまま「すみません、、失礼します」とだけ言って井戸を離れた。
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