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第1章
月夜に照らされた謎のイケメン(2)
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あの後、結局寝れなかった私は少し眠くなった目を擦りながら食堂へ向かった。
すると、昨日は先に来ていたはずのレオルドさんがいなかった。
「おはよう!・・・ねぇ、ラナちゃん、レオルドさん見なかった?」
「リオお姉ちゃんおはよう!レオルドさん?さぁ、今日はまだ見てないよ。」
「そっかぁー」
レオルドさん今日は寝坊したのかな?
少し待ってようかな・・・。多分すぐ来るよね。
私は一番端の席に座ってラナちゃんに話しかけた。
「ラナちゃん、私、レオルドさんと一緒に食べたいから、朝食、後でにして貰って良いかな?」
「うん、分かった!じゃあ、食べる時にまた声かけてね!」
「うん!ありがとう!」
別に一人で先に食べても良いと思ったが、今日はレオルドさんに町への案内をお願いしようと思っていたので私は一人レオルドさんを待つことにした。
しばらくボーッとして待っていると、一人でいる私が気になったのかレオルドさんと同じ騎士服を来た人が話しかけてきた。
「あの、アイハラさんですよね?」
「はい!・・・えーと、貴方は?」
「あっ、僕、半月前に騎士になったばかりで、エトアって言います。もし、お一人なら僕達と一緒に食べませんか?」
「え?」
あっ、もしかして私が一人だったから気を使って話しかけてくれたのかな?
うーん、騎士団長さんにお世話になっている身としては、皆さんと仲良くなりたいけど・・・
チラリと視線を動かす。
エトアさんが元々座っていた席には五人の騎士さんがいる。流石に寝不足の今、体の大きい騎士さん五人に囲まれながら朝食を取るのは・・・た、食べずらい。
「あの、今日は、レ、レオルドさんと一緒に食べたいので、その、また、今度、誘って頂けませんか?」
「えっ、アイハラさん今、レオルド先輩の事待ってたんですか?」
「え?あ、はい。」
「あぁ、先輩、昨日は遅くまで飲んでたのでまだ寝てるみたいですね、今、叩き起こしてくるんでちょっと待ってて下さい!」
「えっ、あー、いや、別にそこまでしなくても・・・」
「大丈夫です!すぐ連れてくるんで~」
物すごい速さで消えていったエトアさんの事を目で追いながらも、レオルドさんに悪い事をしたな、と思い心の中で謝罪する。
それから、しばらくすると、エトアさんに叩き起こされたであろうレオルドさんがやってきた。
「あ、レオルドさんおはようございます!」
「っ!?お、おはようございます・・・」
「どうかしたんですか?」
「い、いえ、あの、昨日は、その、」
「え?」
「なっ!なんでもありませんっ!」
「あ、えと、はい、分かりました?」
レオルドさんどうかしたのかな?
なんか様子がおかしい気がするけど・・・
はっ!もしかして、私のせいで叩き起されたから、機嫌が悪い・・・とか?
うーん、でも、レオルドさんがなんでもないって言うなら何も聞かない方が良いよね。
私は昨日と同じようにラナちゃんから朝食をとり、何故か先程、私が座っていた席とは別の所に座ったレオルドさんの隣に腰かけた。
「リ、リオ嬢っ!」
「ん?はい、なんですか?」
「き、今日も一緒に食べるんですか?」
「はい、、あっ、すみません、もしかしてレオルドさん誰かと一緒に食べる約束でもしてましたか?」
「いえ、そういう訳では・・・」
「?・・・そうですか、もし、お邪魔でしたら言ってくださいね。私、移動しますから」
「えっ?あ、いや、邪魔なわけっ、えと、俺は全然、良いんですけど、リオ嬢は、俺と一緒でも、良いんですか?」
「えと、はい、勿論です。レオルドさんには他にも沢山聞きたいことがありますし・・・それに、私、レオルドさんとラナちゃんしか知っている人いなくて、一人で食べるのもちょっと・・・」
心細い、という言葉を私は飲み込んだ。
レオルドさんは私のその言葉にそうですかと短く返すと黙ってしまった。
私は何となくレオルドさんが朝食を食べる姿を見つめた。マスクをずらしているレオルドさんの口元を見てみるが傷らしい物は見当たらない。
レオルドさんがパンをちぎり口に運ぶ、そして、スプーンを使いスープをすくいとって飲む。・・・何となく手が震えている気がするのは気の所為だろうか。
人の食事している姿をマジマジと見るのは失礼だとは思うがレオルドさんは口元だけでもやけに色気がある様な気がして思わずそのまま観察し続けた。
するとレオルドさんの動きが止まった。私はどうしたのかと首を傾げる。
「リ、リオ嬢、あ、あの、あんまり、見ないで、下さい。」
プルプルと小刻みに震えながらレオルドさんは私に言った。
「えっ?あ、あのっ、すみませんっ!つい・・・」
もしかして怒らせてしまったかも知れないと私は慌てて謝罪する。でも、だからと言って、正直に貴方の食事姿に見とれていましたっ!なんて事は言えないっ!ご、誤魔化そうっ!
「えと、あ、こ、このスープ美味しいですよねぇ、あははは・・・」
「あっ、は、はいっ!とても、美味しい、です・・・」
『・・・・・・』
(うぅ、き、気まずい。)
「あっ!えと、今日、町を案内してくれませんか?」
「まっ、町ですね。はい、分かりました・・・」
『・・・・・・』
「レ、レオルドさんが食べている所って何だか色気がありますよね。」
「はい、そうですね・・・って、えぇっ!」
あれ?私、今なんて言った?
時すでに遅し。
何とかこの気まずい状況から逃れようと思った私は、つい先程まで思っていた事をそのまま口に出していたのであった。
━━━━━━━━━━━━━━━
すみません、途中の会話文を少しだけ直させて貰いました。
すると、昨日は先に来ていたはずのレオルドさんがいなかった。
「おはよう!・・・ねぇ、ラナちゃん、レオルドさん見なかった?」
「リオお姉ちゃんおはよう!レオルドさん?さぁ、今日はまだ見てないよ。」
「そっかぁー」
レオルドさん今日は寝坊したのかな?
少し待ってようかな・・・。多分すぐ来るよね。
私は一番端の席に座ってラナちゃんに話しかけた。
「ラナちゃん、私、レオルドさんと一緒に食べたいから、朝食、後でにして貰って良いかな?」
「うん、分かった!じゃあ、食べる時にまた声かけてね!」
「うん!ありがとう!」
別に一人で先に食べても良いと思ったが、今日はレオルドさんに町への案内をお願いしようと思っていたので私は一人レオルドさんを待つことにした。
しばらくボーッとして待っていると、一人でいる私が気になったのかレオルドさんと同じ騎士服を来た人が話しかけてきた。
「あの、アイハラさんですよね?」
「はい!・・・えーと、貴方は?」
「あっ、僕、半月前に騎士になったばかりで、エトアって言います。もし、お一人なら僕達と一緒に食べませんか?」
「え?」
あっ、もしかして私が一人だったから気を使って話しかけてくれたのかな?
うーん、騎士団長さんにお世話になっている身としては、皆さんと仲良くなりたいけど・・・
チラリと視線を動かす。
エトアさんが元々座っていた席には五人の騎士さんがいる。流石に寝不足の今、体の大きい騎士さん五人に囲まれながら朝食を取るのは・・・た、食べずらい。
「あの、今日は、レ、レオルドさんと一緒に食べたいので、その、また、今度、誘って頂けませんか?」
「えっ、アイハラさん今、レオルド先輩の事待ってたんですか?」
「え?あ、はい。」
「あぁ、先輩、昨日は遅くまで飲んでたのでまだ寝てるみたいですね、今、叩き起こしてくるんでちょっと待ってて下さい!」
「えっ、あー、いや、別にそこまでしなくても・・・」
「大丈夫です!すぐ連れてくるんで~」
物すごい速さで消えていったエトアさんの事を目で追いながらも、レオルドさんに悪い事をしたな、と思い心の中で謝罪する。
それから、しばらくすると、エトアさんに叩き起こされたであろうレオルドさんがやってきた。
「あ、レオルドさんおはようございます!」
「っ!?お、おはようございます・・・」
「どうかしたんですか?」
「い、いえ、あの、昨日は、その、」
「え?」
「なっ!なんでもありませんっ!」
「あ、えと、はい、分かりました?」
レオルドさんどうかしたのかな?
なんか様子がおかしい気がするけど・・・
はっ!もしかして、私のせいで叩き起されたから、機嫌が悪い・・・とか?
うーん、でも、レオルドさんがなんでもないって言うなら何も聞かない方が良いよね。
私は昨日と同じようにラナちゃんから朝食をとり、何故か先程、私が座っていた席とは別の所に座ったレオルドさんの隣に腰かけた。
「リ、リオ嬢っ!」
「ん?はい、なんですか?」
「き、今日も一緒に食べるんですか?」
「はい、、あっ、すみません、もしかしてレオルドさん誰かと一緒に食べる約束でもしてましたか?」
「いえ、そういう訳では・・・」
「?・・・そうですか、もし、お邪魔でしたら言ってくださいね。私、移動しますから」
「えっ?あ、いや、邪魔なわけっ、えと、俺は全然、良いんですけど、リオ嬢は、俺と一緒でも、良いんですか?」
「えと、はい、勿論です。レオルドさんには他にも沢山聞きたいことがありますし・・・それに、私、レオルドさんとラナちゃんしか知っている人いなくて、一人で食べるのもちょっと・・・」
心細い、という言葉を私は飲み込んだ。
レオルドさんは私のその言葉にそうですかと短く返すと黙ってしまった。
私は何となくレオルドさんが朝食を食べる姿を見つめた。マスクをずらしているレオルドさんの口元を見てみるが傷らしい物は見当たらない。
レオルドさんがパンをちぎり口に運ぶ、そして、スプーンを使いスープをすくいとって飲む。・・・何となく手が震えている気がするのは気の所為だろうか。
人の食事している姿をマジマジと見るのは失礼だとは思うがレオルドさんは口元だけでもやけに色気がある様な気がして思わずそのまま観察し続けた。
するとレオルドさんの動きが止まった。私はどうしたのかと首を傾げる。
「リ、リオ嬢、あ、あの、あんまり、見ないで、下さい。」
プルプルと小刻みに震えながらレオルドさんは私に言った。
「えっ?あ、あのっ、すみませんっ!つい・・・」
もしかして怒らせてしまったかも知れないと私は慌てて謝罪する。でも、だからと言って、正直に貴方の食事姿に見とれていましたっ!なんて事は言えないっ!ご、誤魔化そうっ!
「えと、あ、こ、このスープ美味しいですよねぇ、あははは・・・」
「あっ、は、はいっ!とても、美味しい、です・・・」
『・・・・・・』
(うぅ、き、気まずい。)
「あっ!えと、今日、町を案内してくれませんか?」
「まっ、町ですね。はい、分かりました・・・」
『・・・・・・』
「レ、レオルドさんが食べている所って何だか色気がありますよね。」
「はい、そうですね・・・って、えぇっ!」
あれ?私、今なんて言った?
時すでに遅し。
何とかこの気まずい状況から逃れようと思った私は、つい先程まで思っていた事をそのまま口に出していたのであった。
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すみません、途中の会話文を少しだけ直させて貰いました。
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