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第1章
レオルドさんは良い人です!(2)
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(顔はまぁまぁ良いって、あの人が?)
本気でそんな事を言っているんだろうか、とレオルドさんの顔を見てみる。
うん、顔が見えないから表情は分からないけど、声色からして真面目に言っているみたいだった。
この世界では今の人はカッコイイの?
衝撃的な事実にビックリしていたが、宿屋をでた本来の目的を思い出して口を開く。
「あのっ!レオルドさん、ごめんなさいっ!」
「えっ、リ、リオ嬢!?」
「私、レオルドさんの事傷つけてしまいましたよね。本当にごめんなさいっ!」
そう言って私は頭を下げた。
「いやっ、お、俺の方こそすみません!あんな大人げない態度とっちゃって。」
「お、怒っていませんか?」
「怒っていませんっ!」
「本当ですか?」
「はいっ!」
「・・・はは、良かったぁ、嫌われちゃったかと思った。」
私は安心してふにゃりと笑った。
すると、レオルドさんはまたカチリと固まってしまった。
私は立ち上がって、レオルドさんに手を差し出す。
「レオルドさん、部屋に戻りませんか?」
しゃがんでいたレオルドさんは私の手を数秒見つめたあと、自分で立ち上がった。
掴まれなかった手に少し寂しさを感じつつもレオルドさんの後を追いかけるようにして私は宿屋に入った。
ちなみに、あの気持ちの悪いお兄さんから守ってくれたレオルドさんにちょこっとだけドキッとしたのは内緒だ。
────────────────
宿屋の中に戻ると、もうお昼になっていたみたいでレオルドさんに昼食を奢ってもらう事になった。
「本当にいいんですか?他の奴と食べなくて」
何故かは分からないが、レオルドさんは本当に自分なんかと食べてもいいのかと何度も聞いてきた。
私からしたら、奢ってもらっているのはこっちだし、むしろ私が邪魔をしているのでは?と思っている。
「はい、もちろんです。あの、もしかして、レオルドさんは私と一緒では嫌ですか?」
「い、いえ、そんな事はっ、」
と、こんな感じの会話が何度も続いていた。
話を変えようと今後のことについて聞いてみた。
「あの、レオルドさん、私、これからどうすれば良いんでしょうか。」
「す、すみません、まだ、団長に聞いていなくて、ご飯食べ終わったら一緒にいいに行きましょう。」
「はい・・・」
「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ、もし、団長が追い出すと言っても俺が説得しますから」
「え、は、はい!ありがとうございますっ!」
相変わらず、レオルドさんは良い人だなと言うことが確認できた所で二人とも食事がおわり、ダリオスさんの部屋に行った。
ダリオスさんに事情を話すと、第二騎士団で期間限定でなら保護しても良いといわれた。
しかし、あくまでも期間限定だ。
記憶が戻ったらすぐに言うようにと言われた。
また、コモスの町にいる間だけならこの宿屋も借りているので今朝起きたあの部屋を貸してくれるという。
ダリオスさんに何度もお礼を良い、レオルドさんに部屋に送ってもらった。
が、やる事がない。
部屋を見渡して見るもお風呂やトイレは共同だし、置いてあるのは机とベットだけ。
暇だな、と思いつつベットに腰をかけた。
コンコン
ノックの音が聞こえ慌てて返事をした後、扉を開けた。
すると、今朝起きた時にあったラナちゃんがいた。
「あのっ!えっと、お姉ちゃん今、少し良いですか?」
「ラナちゃん?どうかしたの?」
「えっ!あ、あのっ、私、今、休憩時間なので、お姉ちゃんとお話してみたいなって、思って、め、迷惑ですか?」
ラナちゃんはそう言って寂しそうに目を伏せた。
え、なにこの子めっちゃ可愛い!
「ぜ、全然迷惑じゃないよっ!むしろ私も今暇だったから凄い嬉しいっ!」
私のその言葉にラナちゃんはぱっと目を輝かせる。
「ありがとう!お姉ちゃんっ!」
「ふふっ、リオで良いよ」
「え?」
「私、リオ・アイハラって言うの、リオって呼んでね」
「い、いいの?」
「もちろんっ!あ、私勝手にラナちゃんって呼んでたけど良い?」
「は、はい!良いです、全然、むしろ嬉しいですっ!じゃあ、リオお姉ちゃんって呼びます!」
「ふふっ、了解!あっ、そう言えば、洋服本当にもらっていいの?」
「も、もちろんですっ!リオお姉ちゃんの昨日着てた服も素敵だったけどこの辺じゃ目立つと思ったので・・・」
「ありがとうっ!実は、私昨日着てた服しか持ってなくて本当に助かった!」
「き、気に入ってくれたなら嬉しいです」
「うんっ!ところでラナちゃんはいくつなの?」
「今年で9歳になりましたっ!」
「そっか~、いつもお家のお手伝いしてるの?」
「はいっ!いつもお父さんが・・・」
と、私はしばらくラナちゃんとたわいない話で盛り上がり楽しい時間を過ごした。
──────────
次回はレオルドさん視点になります。
本気でそんな事を言っているんだろうか、とレオルドさんの顔を見てみる。
うん、顔が見えないから表情は分からないけど、声色からして真面目に言っているみたいだった。
この世界では今の人はカッコイイの?
衝撃的な事実にビックリしていたが、宿屋をでた本来の目的を思い出して口を開く。
「あのっ!レオルドさん、ごめんなさいっ!」
「えっ、リ、リオ嬢!?」
「私、レオルドさんの事傷つけてしまいましたよね。本当にごめんなさいっ!」
そう言って私は頭を下げた。
「いやっ、お、俺の方こそすみません!あんな大人げない態度とっちゃって。」
「お、怒っていませんか?」
「怒っていませんっ!」
「本当ですか?」
「はいっ!」
「・・・はは、良かったぁ、嫌われちゃったかと思った。」
私は安心してふにゃりと笑った。
すると、レオルドさんはまたカチリと固まってしまった。
私は立ち上がって、レオルドさんに手を差し出す。
「レオルドさん、部屋に戻りませんか?」
しゃがんでいたレオルドさんは私の手を数秒見つめたあと、自分で立ち上がった。
掴まれなかった手に少し寂しさを感じつつもレオルドさんの後を追いかけるようにして私は宿屋に入った。
ちなみに、あの気持ちの悪いお兄さんから守ってくれたレオルドさんにちょこっとだけドキッとしたのは内緒だ。
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宿屋の中に戻ると、もうお昼になっていたみたいでレオルドさんに昼食を奢ってもらう事になった。
「本当にいいんですか?他の奴と食べなくて」
何故かは分からないが、レオルドさんは本当に自分なんかと食べてもいいのかと何度も聞いてきた。
私からしたら、奢ってもらっているのはこっちだし、むしろ私が邪魔をしているのでは?と思っている。
「はい、もちろんです。あの、もしかして、レオルドさんは私と一緒では嫌ですか?」
「い、いえ、そんな事はっ、」
と、こんな感じの会話が何度も続いていた。
話を変えようと今後のことについて聞いてみた。
「あの、レオルドさん、私、これからどうすれば良いんでしょうか。」
「す、すみません、まだ、団長に聞いていなくて、ご飯食べ終わったら一緒にいいに行きましょう。」
「はい・・・」
「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ、もし、団長が追い出すと言っても俺が説得しますから」
「え、は、はい!ありがとうございますっ!」
相変わらず、レオルドさんは良い人だなと言うことが確認できた所で二人とも食事がおわり、ダリオスさんの部屋に行った。
ダリオスさんに事情を話すと、第二騎士団で期間限定でなら保護しても良いといわれた。
しかし、あくまでも期間限定だ。
記憶が戻ったらすぐに言うようにと言われた。
また、コモスの町にいる間だけならこの宿屋も借りているので今朝起きたあの部屋を貸してくれるという。
ダリオスさんに何度もお礼を良い、レオルドさんに部屋に送ってもらった。
が、やる事がない。
部屋を見渡して見るもお風呂やトイレは共同だし、置いてあるのは机とベットだけ。
暇だな、と思いつつベットに腰をかけた。
コンコン
ノックの音が聞こえ慌てて返事をした後、扉を開けた。
すると、今朝起きた時にあったラナちゃんがいた。
「あのっ!えっと、お姉ちゃん今、少し良いですか?」
「ラナちゃん?どうかしたの?」
「えっ!あ、あのっ、私、今、休憩時間なので、お姉ちゃんとお話してみたいなって、思って、め、迷惑ですか?」
ラナちゃんはそう言って寂しそうに目を伏せた。
え、なにこの子めっちゃ可愛い!
「ぜ、全然迷惑じゃないよっ!むしろ私も今暇だったから凄い嬉しいっ!」
私のその言葉にラナちゃんはぱっと目を輝かせる。
「ありがとう!お姉ちゃんっ!」
「ふふっ、リオで良いよ」
「え?」
「私、リオ・アイハラって言うの、リオって呼んでね」
「い、いいの?」
「もちろんっ!あ、私勝手にラナちゃんって呼んでたけど良い?」
「は、はい!良いです、全然、むしろ嬉しいですっ!じゃあ、リオお姉ちゃんって呼びます!」
「ふふっ、了解!あっ、そう言えば、洋服本当にもらっていいの?」
「も、もちろんですっ!リオお姉ちゃんの昨日着てた服も素敵だったけどこの辺じゃ目立つと思ったので・・・」
「ありがとうっ!実は、私昨日着てた服しか持ってなくて本当に助かった!」
「き、気に入ってくれたなら嬉しいです」
「うんっ!ところでラナちゃんはいくつなの?」
「今年で9歳になりましたっ!」
「そっか~、いつもお家のお手伝いしてるの?」
「はいっ!いつもお父さんが・・・」
と、私はしばらくラナちゃんとたわいない話で盛り上がり楽しい時間を過ごした。
──────────
次回はレオルドさん視点になります。
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