私、勘当寸前のぶりっ子悪役令嬢ですが、推しに恋しちゃダメですか?

朝比奈

文字の大きさ
上 下
15 / 23

13

しおりを挟む


記憶を思い出して約一ヶ月半が経った。

あれからというもの、学校終わりや休日に何度かライル様をお茶に誘った。

勿論。ライル様は文句も言わずに来てくれる。

ちなみに。未だにライル様呼びは許されていない。だから私も質問には応えていない。まぁ、別に言わなくても普通に考えてどっちが素なのか分かるよね?

今日も今日とて、授業中にライル様の後ろ姿を眺める。

(はぁ~、幸せ。)

ずっとこんな日々が続けば良いのに・・・・・






さて。小説の内容によれば、私が家族に見放されるまで、後一ヶ月半。

ライル様との進展はと言うと・・・、あまり良くない。

一応。一緒にいる時に笑ってくれるようにはなった。なったけど・・・。

「まだソフィアのことが好きなのかな・・・・・」

このままでは、あと二ヶ月で好きになってもらうのは無理なんじゃないんだろうか・・・・・。

でも友達止まりなんて絶対嫌だ。

その気持ちはライル様と一緒にいるうちにどんどん強くなっていく。

「なにか無いかな・・・・・?」

(ライル様が私の事を意識せずには居られなくなる・・・・・そんな方法・・・・・)

そんなことを考えていると、ふとこの小説のヒロインであるソフィアとナーシアス殿下のことが気になった。

記憶を思い出したあと。本来、私が黒幕なはずだった‘’誘拐”イベントは無くなったけれど、‘’シナリオ”を変えることで出てくる影響については全く考えてなかった事に気がつく。

「まあ。‘’誘拐”されなかったくらいで、何か変わるわけ無いよね?  」
「何が変わるんですか??」
「それは勿論・・・・・」

原作が・・・・・と続けようとして止めた。

バッと、勢いよく振り返ってみるとそこには作り物のような笑みを浮かべたボルドー様が立っていた。

「勿論??  なんですか?」
「なっ、、!  いつからそこにいたんですかっ!!」

そう言ってから私はここが教室の前だという事を思い出す。寮から出て考えながら歩いていたけれど、どうやら教室についていたみたいだ。

「着いたのは先程ですよ。  それにしても、今日は登校時間が早いですね・・・・・こんな朝早くから何か用事でもあったんですか??」
「いえ・・・・・特に何も・・・・・」
「ふーん。それにしては何か物騒な事を考えてみたいですけど・・・・・」
「き、気のせいじゃナイデスカ??」

図書室で会って以来。ボルドー様は私が一人の時にたまに話しかけてくるようになった。
最初の頃よりは慣れたけれど「暗殺者」だと思うとやっぱり怖いのは変わらない。やっぱり私は“監視”されているんだろうか・・・

「“誘拐”って言ってるのが聞こえた気がしたのですが・・・」
「えっ、あ、いや、それはあの・・・、き、昨日見た小説の話を思い出しててっ、その、お、面白かったなぁーと・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」


さ、流石にこれじゃあ、ごまかせない・・・・・かしら??


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

乙女ゲームの正しい進め方

みおな
恋愛
 乙女ゲームの世界に転生しました。 目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。  私はこの乙女ゲームが大好きでした。 心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。  だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。  彼らには幸せになってもらいたいですから。

【完結】悪役令嬢の反撃の日々

アイアイ
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。 「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。 お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。 「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。

記憶がないなら私は……

しがと
恋愛
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。  *全4話

【完結】旦那様、わたくし家出します。

さくらもち
恋愛
とある王国のとある上級貴族家の新妻は政略結婚をして早半年。 溜まりに溜まった不満がついに爆破し、家出を決行するお話です。 名前無し設定で書いて完結させましたが、続き希望を沢山頂きましたので名前を付けて文章を少し治してあります。 名前無しの時に読まれた方は良かったら最初から読んで見てください。 登場人物のサイドストーリー集を描きましたのでそちらも良かったら読んでみてください( ˊᵕˋ*) 第二王子が10年後王弟殿下になってからのストーリーも別で公開中

悪役令嬢の末路

ラプラス
恋愛
政略結婚ではあったけれど、夫を愛していたのは本当。でも、もう疲れてしまった。 だから…いいわよね、あなた?

【コミカライズ】今夜中に婚約破棄してもらわナイト

待鳥園子
恋愛
気がつけば私、悪役令嬢に転生してしまったらしい。 不幸なことに記憶を取り戻したのが、なんと断罪不可避の婚約破棄される予定の、その日の朝だった! けど、後日談に書かれていた悪役令嬢の末路は珍しくぬるい。都会好きで派手好きな彼女はヒロインをいじめた罰として、都会を離れて静かな田舎で暮らすことになるだけ。 前世から筋金入りの陰キャな私は、華やかな社交界なんか興味ないし、のんびり田舎暮らしも悪くない。罰でもなく、単なるご褒美。文句など一言も言わずに、潔く婚約破棄されましょう。 ……えっ! ヒロインも探しているし、私の婚約者会場に不在なんだけど……私と婚約破棄する予定の王子様、どこに行ったのか、誰か知りませんか?! ♡コミカライズされることになりました。詳細は追って発表いたします。

働かなくていいなんて最高!貴族夫人の自由気ままな生活

ゆる
恋愛
前世では、仕事に追われる日々を送り、恋愛とは無縁のまま亡くなった私。 「今度こそ、のんびり優雅に暮らしたい!」 そう願って転生した先は、なんと貴族令嬢! そして迎えた結婚式――そこで前世の記憶が蘇る。 「ちょっと待って、前世で恋人もできなかった私が結婚!?!??」 しかも相手は名門貴族の旦那様。 「君は何もしなくていい。すべて自由に過ごせばいい」と言われ、夢の“働かなくていい貴族夫人ライフ”を満喫するつもりだったのに――。 ◆メイドの待遇改善を提案したら、旦那様が即採用! ◆夫の仕事を手伝ったら、持ち前の簿記と珠算スキルで屋敷の経理が超効率化! ◆商人たちに簿記を教えていたら、商業界で話題になりギルドの顧問に!? 「あれ? なんで私、働いてるの!?!??」 そんな中、旦那様から突然の告白―― 「実は、君を妻にしたのは政略結婚のためではない。ずっと、君を想い続けていた」 えっ、旦那様、まさかの溺愛系でした!? 「自由を与えることでそばにいてもらう」つもりだった旦那様と、 「働かない貴族夫人」になりたかったはずの私。 お互いの本当の気持ちに気づいたとき、 気づけば 最強夫婦 になっていました――! のんびり暮らすつもりが、商業界のキーパーソンになってしまった貴族夫人の、成長と溺愛の物語!

推ししか勝たん!〜悪役令嬢?なにそれ、美味しいの?〜

みおな
恋愛
目が覚めたら、そこは前世で読んだラノベの世界で、自分が悪役令嬢だったとか、それこそラノベの中だけだと思っていた。 だけど、どう見ても私の容姿は乙女ゲーム『愛の歌を聴かせて』のラノベ版に出てくる悪役令嬢・・・もとい王太子の婚約者のアナスタシア・アデラインだ。 ええーっ。テンション下がるぅ。 私の推しって王太子じゃないんだよね。 同じ悪役令嬢なら、推しの婚約者になりたいんだけど。 これは、推しを愛でるためなら、家族も王族も攻略対象もヒロインも全部巻き込んで、好き勝手に生きる自称悪役令嬢のお話。

処理中です...