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二度目の人生
何度でも君に恋をする(1)
しおりを挟む「クリスティーナ、もう体調は大丈夫?」
フィンセントはその顔にとても心配していると感情を乗せ、クリスティーナの顔を覗き込む。
「え、ええ。もう、平気です·····」
一方でクリスティーナは、まだ気持ちの整理が出来ておらず、若干の冷や汗をかきながらも、何とか返事を返した。
ここは、フォリス男爵家の一室。客室で私は何故かフィンセントと向き合っていた·····。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
あれから屋敷に帰ったクリスティーナは、自分の記憶と感情を整理すべく部屋にこもった。そして、その時、フィンの事は諦めよう!と、クリスティーナはそう決心した。
だけど、どうやって·····? 記憶を思い出してしまったクリスティーナにとってフィンセントの事は、世界で一番、何よりも大切で、大事な人だった。
そう簡単には諦めきれない·····。今の私には、フィンセントが他の誰かの隣で笑っているなんて、耐え切れそうになかった。
あれ? そう言えば、あの、小説の主人公はどうしてたんだっけ·····。
大事な部分が思い出せない。でも、嫌わるように動いていたような·····。
その後、幾度となく考えた結果、クリスティーナはフィンセントに嫌われる事にした。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
その翌日。クリスティーナは熱を出した。確か、前世でもこのタイミングで熱を出して寝込んだわ·····と、クリスティーナは朧気な思考で思い出していた。
「ティーナ、大丈夫?」
ふいに、今はない、懐かしい声が聞こえた気がした。
私が熱を出したり、寝込んだりしたら、直ぐに心配して駆けつけてくれた、男の子。
「フィン·····」
会いたいよ、フィン·····
熱のせいか、感情が抑えきれない。少しだけ涙が出てきた。私は、自分の顔にシーツを押し当てて、目を閉じた。
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