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第一章

仲良くなるための第一歩

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ベルを鳴らすとすぐエリナが部屋に入ってきた

「失礼します、お嬢様。体調は大丈夫ですか?」

「ええ、平気よ、・・・それよりエリナ、お母様は部屋にいるの?」

「え?いいえ、奥様は昨日から出掛けておりまして、明後日くらいまではお戻りになられないかと・・・」

(えっ、そうなの!?お兄様と仲良くするのは義理母が絶対よく思わないからタイミング見てから行こうと思っていたんだけど今がチャンスじゃない!)

「そう、、、では、お兄様は今どちらに?」

「シャンス様は部屋にいらっしゃると思いますが、」

「なら、昼食を持ってきてくれる?後、お兄様の部屋に行きたいから準備をしといてくれるかしら?」

「あの、お嬢様、お言葉ですがお嬢様はまだ病み上がりです。どうか、あまり無理をなさらないで下さい」

「っ!ええ、分かったわ。じゃあ、準備をお願いね」

そう言って、半ば無理やり話を終わらせエリナを部屋から出した

アンジェリカはエリナの自分のことを心配そうに見る目を見てビックリしてしまった

(久しぶりに見たな、あんなにわたくしのことをまっすぐと見る人は。後で、何かしら釘を指しておかないと)

アンジェリカはエリナのことを人として好ましく思っていた、だからこそ自分のせいで解雇されたら可哀想だと思ったのだ

その時グーっとアンジェリカのお腹がなった、2日も眠りっぱなしだったのだから当たり前だがお腹がすいた

(誰にも聞かれなくて良かった・・・)



ーーーーーーーーーーーー



“コンコン”

「失礼します。お兄様、ごきげんよう。今日はお兄様とお話がしたくて来ましたの」

「なっ!アンジェリカ!いきなりどうしたんだい!?」

ノックをした後すぐに部屋に入り一方的に話しかける私にシャンスお兄様はビックリしつつもあわててベットから起き上がった

「ただお兄様とお話したかっただけですわ、いけませんか?」

「い、いやそんな事はないよ、ただビックリしてしまっただけだ。久しぶりだね、アンジェリカ。・・・もう体は大丈夫なのかい?」

「ええ、大丈夫ですわ。ただ疲れが溜まっていたみたいで少々眠りすぎてしまっただけですわ」

「そ、そうか、良かった」

そう言って私に向かって優しく微笑むお兄様に不覚にもドキリとしてしまう

(相変わらずイケメンだわ、これで攻略キャラじゃないなんて有り得ないわ。やっぱり、隠しキャラなのかしら・・・)

彼女の兄シャンス・ガートンは病気持ちという事もありほとんど部屋から出ないからかとても色が白く儚い印象を持った美青年だった

母親譲りの雪のような真っ白な髪に父親譲りの私と同じ真っ赤な瞳を持ったお兄様、正直何故ここにカメラがないのかよく分からんなんてことを考えながらじっとお兄様を見つめていると、お兄様は困ったような恥ずかしいような表情で見つめ返してきた

「あの、アンジェリカ・・・本当にどうしたんだい?アンジェリカの方から話しかけて来るなんて珍しいし、なにかあったのかい?」

「いえ、特に何もありませんわ、お兄様。ただ、わたくしお兄様と仲良くなりたいなと思いまして・・・あの、今まで嫌な態度をとってごめんなさい」

仲良くなりたいならまずは態度で示すべきよね、と思いアンジェリカは兄に頭を下げ謝罪した

「え、、あ、えっ!?」

一方シャンスは、突然のアンジェリカの行動にまぶたから目がこぼれ落ちそうなほど目を見開き言葉に出来ないほど驚いていた

「あの、それでですね、お兄様、お願いがあるのですが・・・」

「えっ!あ、何だい?」

「よ、よろしければお兄様のお好きな本を教えてくださいませんか?」

「ほ、本?」

「ええ、わたくしずっと誰かと本の感想の言い合いなどをしてみたかったのですわ!で、ですから、その、お兄様わたくしと読書友達になってくださらない?」

アンジェリカは少し恥ずかしそうに、照れ笑いながら兄にお願いした。それに対し、シャンスは戸惑いながらも嬉しそうに頷いた。

「もちろんだよ、アンジェリカ!・・・今からでも図書室に行くかい?」

「はい!行きたいですわ!でも、よ、よろしいのですか?」

「うん、アンジェリカはこの後なにか用事があるかい?」

「いいえ、何も!何もありませんわ!」

「じゃあ、行こうか」
そう言って嬉しそうにお兄様はわたくしに手を差し出して来た。

(うっ!お、お兄様が素敵すぎて、し、心臓に悪いですわっ!)

正直、イケメンに笑顔で手を差し伸べられて、前世の私が心の中で悶えていたのだが、何とか表情には出さずに手をとった

すると、お兄様はさっきよりも笑みを深めてまた、ぎゅっと握り返して来た


ーーーーーーーーーーーー
次回、お兄様視点入ります!!
いつか侍女のエリナの視点も書きたいです!
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