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ルーア・キャリル伯爵令嬢
世間から醜女と噂される私が恋に落ちたのは 第六話
しおりを挟むルーアがそれに気づいたのは、なんて事ないルーカス様の横顔を見た時だった。
両親にルーカス様との結婚を了承してもらう前に、一度、会いに行ってみようと思い、ルーアは仮面をつけて会いに行った。
もとより話しかけるつもりはなかったルーアは、こっそりと冒険者仲間と楽しそうに話すルーカスを見つめていた。
そんな時。また、あの違和感に襲われた。
ルーカス様を見つめていると訪れる既視感。
不思議に思いジッとルーカス様を見つめて、思い出したのだ。
「似てるわ」
何となく、何となくだが似ている。
そう思った。
かつてルーアの心を救ってくれたかの少年に。
髪や瞳の色だけではない。年齢も、雰囲気も。ルーアは居てもたってもいられなくなり、執事に頼り調べた。
すると、キャリル伯爵家の近くにランク男爵家の親戚の家がある事が分かった。
▽
それからルーアはますますルーカスの事が気になった。 ただでさえ好感を持っていたのに、あの、ルーアの顔を見ても優しく接してくれた少年かも知れないと言う事実にルーアは胸が高鳴るのを感じた。
(ルーカス様・・・)
もはや、ストーカーになりかけているルーアは、週に一度、遠くからルーカスを眺めてはうっとりと頬を染める。
勿論、そんな顔なんて誰にも見せられないと、ルーアの変装ぶりは徹底していた。
「ちょっとお嬢さん?」
そのせいで、憲兵に話しかけられる事も度々あったけれど、事情を説明すると解放してもらえるので、気にしない。
▽
手紙を送り、『喜んで、お受け致します』そう書かれた返事が届くのにそう日はかからなかった。
ルーアはその事に凄く、凄く喜んだ。
まさか、本当にOKが貰えるとは思っていなかったからだ。
しかし、愛に試練は付き物なのか、ルーアは母親に釘を刺される。
『ルーカス様の前で顔を隠してはダメよ。 ルーカス様がルーアの顔を見て少しでも嫌悪感を出したり、まして、暴言を吐いたりするようなら、この婚約は無かったことにするわ』
ルーアはその言葉にただ頷くことしか出来なかった。
▽
そしてルーアは遂に、婚約者としてルーカスと顔を合わせることになるのである。
▽
いよいよ、ルーカスの短編のルーア視点に入ります。
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