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第二話 ディリヴァ、ダイエットを決意
しおりを挟む「ううっ·····」
私は一人鏡の前で唇を噛み締め、鏡に写っている自分を睨みつけた。
(本当にこれが今世の私なの?)
どこを見ても、肉!肉!肉! 何この身体は!贅肉が多すぎるのよっ!!
ディリヴァは今この瞬間、ダイエットを決意するのであった。
◇ ◇ ◇
「他のものにしてちょうだい」
「はい?」
「こんな物、食べれるわけないじゃない」
私はセリィにそう冷たく言い放った。セリィの顔に分かりやすく困惑が見て取れたが無視だ。
(ムリよ!ムリ! 絶対、ムリ!!)
セリィの持ってきてくれた昼食は、とても食べきれる量ではなかった。まあ、少なくとも、先程ダイエットを決意した私が口に入れるわけない。
よくもまあ、こんなに油っこい食事をこんなに沢山毎日食べたものだと今までの自分に感心する。
だけど、今日からはもう無理よ。
グゴォォオと本当にこれは私のお腹の音なの?と思わず分かっていることを自問自答したくなる程にひどい音がなっているけれど、それでもこんなものを口に入れたくなかった。
「でずが、王女殿下が毎日これが良いと·····」
その言葉にキッとセリィを睨みつけた。
「ムリよっ! こんなものを食べ続けてたら、もっと醜くなるだけじゃないっ!!」
(これ以上太って醜い姿を他人に晒すなんて、そんなの、耐えられないわっ!)
「料理長に直接話をつけてくるわっ!」
私はダンっと大きな音を出して立ち上がるとドスドスと体を揺らしながら調理室へと向かった。
「お、お待ちくださいっ! 王女殿下っ!」
セリィもその後に続いた。
▽
「料理長っ!!」そう言いながら荒々しく調理室の扉を開いた。
「おっ、王女殿下っ!! な、何か問題でもっ、」
「料理長! !」
「は、はい!!」
「これから、私の食事を大幅に変えますわ!! お手伝いをお願いしたくてよ!!」
「は、はい!! ・・・て、えぇ!!?」
料理長は目をまん丸にして驚いている。
そんな料理長を無視して私は話を進める。
「いいかしら? 今後、私の食事に油物は入れないでくださいまし!! それと、しばらくはサラダや野菜のスープだけで良いわ! 良い? これからはヘルシーな食事を要求するわ!!」
料理長は私の勢いに圧倒されながらも、コクコクと頷いた。
「それじゃあ、今日の夕食からお願いするわ! 」私は自分が、言いたいことを言い終わると、調理室を後にした。
▽
「王女殿下!? 一体、何をなさっているのですか!?」
部屋に戻った私は下着姿になり、腹筋を始めた。その事にセリィは酷く顔色を悪くして止めようとしているけれど、私は説明が面倒臭いので無視をした。
「ふっ、くっ、なかなか、難しいわ・・・」
前世の記憶のとおりにやろうとしているのだけれど、なかなか上手くいかない。今だって、たった5回連続でやっただけで腹筋がプルプルと震えている。
それでもまけるもんですか!と私は内心意気込み、腹筋の後、さらに背筋をした。
その間もずっと乙女とは思えない腹の虫がなっていたけれど、何も聞こえてない!そう自分に言い聞かせて頑張った。
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