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第一部
16 出張 (飛鳥視点)
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泊まりの出張前日の貴志さんはたっぷり汗をかく。
「あっ…。」
その汗がたらりと滴り落ちて、左目に入った。思わず声が出る。汗をかいている主は少しして激しい動きをやめ、倒れこんだ。
「どうかした?」
「ううん、汗が目に入っただけ。」
「ああ、ごめん…。」
長い指が枕元のティッシュを2枚まとめて引き抜いて、まぶたに押し当ててくる。
「ありがとう…。」
マラソンでも走った後みたいに、貴志さんは呼吸を乱している。愛おしくて背中に手をまわすと、こちらも汗びっしょりだ。
呼吸がいくらか落ち着いて、貴志さんは勢いよく仰向けになった。前髪もびしょびしょだ。今は真夏でもないのに。
あんまり無理しないで、と言った時、貴志さんは少しむっとしたように言った。
「出張前に、君の中に俺の余韻を残しておかないと不安なんだよ。」
何を言ってるんだろう。余韻なんていつだって残っているのに。四六時中。24時間。
※
会社のエレベータの中で1人になり、私はため息を吐いた。お陰さまで貴志さんの余韻がどっぷり残っているせいだ。でも、ぐったりしてなどいられなかった。次の階で、すぐに乗ってくる人がいたから。
「こんにちは。」
「あ、こんにちは。」
乗ってきたのは営業一課の星川くんだった。確かまだ24~5歳?だったかしら。貴志さんの課の子なんだなあ、なんて考えていると、また彼のことが恋しく思い出されてしまう。
目的のフロアにつくと、星川くんも同じフロアだったらしく、私が“開”ボタンを押さえると、頭を下げて先に下りていった。彼は右手に、私は左手に進みかけたその時だった。
「あ、飛鳥さんっ。」
振り返るとそこには反対側に歩いていったはずの星川くんがいて、なぜか頬を赤らめている。
「はい?」
「あの、…今度、食事なんてどうですか。」
「えっ?」
「飛鳥さんと、お話がしてみたいんです。…2人で。」
‘2人で’の単語が出た瞬間、彼の意図がようやく飲み込めた。
あれ?もしかして真剣に誘われてる?
雑誌‘S’に載って以来確かに声をかけられる機会は増えたけど、こんなに真剣な、しかも年下の男の子からのお誘いなんて初めてだ。
こういうのは、変にあいまいに返しちゃいけないよね。
「ごめんなさい、そういうのは無理です…。」
言った瞬間、視界の隅に人影が見えたような気がした。もしもこのやり取りを聞かれて噂にでもなったら困るわね。私は早々に切り上げたほうがよいと判断する。
「じゃ、これで…。」
「あ、飛鳥さん…。」
慌てて身を翻す私を呼び止めようとはしたものの、星川くんも人影の存在に気づいたのか、それ以上は追ってこなかった。
※
貴志さんが出張から帰ってくる日は、いつも部屋で待っていてほしいと言われている。美味しいお酒とおつまみは必須。今日はワインを用意した。夕食にはパスタを。
「ただいま。」
出張に行って帰ってきても、貴志さんはあまり疲れを滲ませていない。スーツもぱりっとしている。
「ありがとう、食事まで用意してくれて。飛鳥さんも仕事なのに。」
「ううん、大丈夫…。」
荷物を置くなり、彼の両手が私のほうに伸びてくる。
「夕飯はなに?」
「うん、パスタ。」
「もう茹でちゃった?」
「ううん、のびるの嫌だからこれから。」
そこまで言うと、満足そうに貴志さんは笑う。
「じゃあこっちが先でも大丈夫だね。」
私は抱えあげられ、自由を奪われる。
ベッドに横にされながら、昼間の出来事を思い出した。星川くんの、真剣な赤い顔を。
話したほうがいいのかな。
でも、わざわざ話すことでもない気がした。第一、星川くんは貴志さんの課の子だ。このことを知ったからって貴志さんが私情を挟むわけはないけれど、聞いて気持ちのいい話でもないんだもの。
一瞬浮かんだ考えを打ち消して、私は貴志さんに身をゆだねた。
※
そして2日後の朝、早々に栄子に呼び止められた。
「飛鳥、噂になってるわよ。」
「えっ?」
「営業一課の星川君となんかあやしげな雰囲気出してたんだって?」
ニヤニヤしながら近寄ってきた栄子だけれど、私の顔を見て表情を引き締めた。
「…やだ。ただの噂じゃないの?」
「2日前、食事に誘われたの。その場で断ったんだけど…そういえば近くに誰かいる様な気配だったわ。会話の内容までは聞かれてないと思うけど。ただ、星川君の態度にはただならぬ雰囲気があったから…。」
「ふううん。」
「そんなに噂になってるの?」
まさか噂になるなんて思ってもみなかった。貴志さんの耳に入っているんだろうか。…入らないはずないわよね。
「よほどたちの悪い人に見られたのかしらね。かなり噂は駆け巡ってるわよ。…今日は‘彼氏’への釈明が大変なんじゃない?」
そう言って栄子は意地悪く笑って見せた。
※
当日急に貴志さんから誘われることは滅多にない。次にいつ会うかあらかじめ決めておくか、決められないときは遅くとも前日には約束をする。今日に限ってはその‘滅多にない’展開になった。無理もないか。栄子の、あの意地の悪い笑顔が浮かぶ。
待ち合わせの居酒屋に行くと、思いのほか貴志さんはにこやかだった。
「お疲れ様。ごめんね、急に。」
「いいえ…。」
ビールとウーロン茶を注文して、ひと息つく。
「今日は星川の噂でもちきりだったよ。飛鳥さんにも迷惑かけたみたいで。」
「そう…。」
「でも、星川と会う機会があったなんて珍しいね。たまたま?」
「うん…。」
たまたまといえばたまたまなんだけど…。
このまま黙ったままでいてもいいのかもしれない。でも、嘘をつくほうがむしろ大袈裟な気がする。だって、貴志さんに対して後ろめたいことなんて何もしてないもの。
「…あのね。」
「ん?」
「ただの噂じゃないの。」
「え?」
「食事に誘われたの。でも、その場で断ったわ。ただ、それを見てた人がいるみたいで…。」
カタンと音がして、ビールのグラスが置かれた。まっ過ぐにこちらを見つめていた瞳がその視線を落とし、薄く開いた唇からは小さな吐息が漏れる。
「それはいつの話?」
「ええと…2日前。」
「俺が出張から帰った日だね。」
「…はい。」
貴志さんの口調が少し重苦しくて、答える言葉遣いが思わず敬語じみてくる。
「どうしてあの時言わなかった?」
「あ…ええと、言うほどのことでもないと思って…。」
「どうして。他の人の口から耳に入って俺は不愉快だった。そりゃ、今の今までただの噂だと思ってはいたけど。」
「…ごめんなさい。」
「目撃者がいるって、気づいてたの?」
「…はい。」
「じゃあ、噂になることも、噂になったら俺の耳に入るだろうことも予測できたんじゃないの。」
貴志さんの詰問は声のトーンこそ落ち着いているものの、辛辣だ。
「星川くんは、貴志さんの部下だし…。」
はっ、とあざ笑うような声が聞こえる。
「俺も随分見くびられたもんだね。そんなに公私混同するタイプに見える?」
「そんなこと、ないわ。貴志さんは誰より私情を挟んだりしない人だもの。」
「そりゃ、褒めていただいてありがとう。」
まだたっぷり残っているビールを一気に飲み干し、貴志さんは大きく息をつく。
これ以上何を言っても全部シャットアウトされそうな雰囲気だ。いったい、どうしたらいいんだろう。とにかく、言わなかった私がいけないのよね。そうよね。
…でも、こんなに気まずくなるような大変なことをしたつもりはないんだけど。
…でも、そこを主張してもさらに事態を悪化させるような気もするし。
考えあぐねて何も言えないでいるうちに、貴志さんが立ち上がった。
「駄目だ。気がおさまらない。」
「え?」
「出よう。」
その後の貴志さんはどこに行くとも言わなかったけれど、彼のマンションに向かっているのは明らかだった。
「あっ…。」
その汗がたらりと滴り落ちて、左目に入った。思わず声が出る。汗をかいている主は少しして激しい動きをやめ、倒れこんだ。
「どうかした?」
「ううん、汗が目に入っただけ。」
「ああ、ごめん…。」
長い指が枕元のティッシュを2枚まとめて引き抜いて、まぶたに押し当ててくる。
「ありがとう…。」
マラソンでも走った後みたいに、貴志さんは呼吸を乱している。愛おしくて背中に手をまわすと、こちらも汗びっしょりだ。
呼吸がいくらか落ち着いて、貴志さんは勢いよく仰向けになった。前髪もびしょびしょだ。今は真夏でもないのに。
あんまり無理しないで、と言った時、貴志さんは少しむっとしたように言った。
「出張前に、君の中に俺の余韻を残しておかないと不安なんだよ。」
何を言ってるんだろう。余韻なんていつだって残っているのに。四六時中。24時間。
※
会社のエレベータの中で1人になり、私はため息を吐いた。お陰さまで貴志さんの余韻がどっぷり残っているせいだ。でも、ぐったりしてなどいられなかった。次の階で、すぐに乗ってくる人がいたから。
「こんにちは。」
「あ、こんにちは。」
乗ってきたのは営業一課の星川くんだった。確かまだ24~5歳?だったかしら。貴志さんの課の子なんだなあ、なんて考えていると、また彼のことが恋しく思い出されてしまう。
目的のフロアにつくと、星川くんも同じフロアだったらしく、私が“開”ボタンを押さえると、頭を下げて先に下りていった。彼は右手に、私は左手に進みかけたその時だった。
「あ、飛鳥さんっ。」
振り返るとそこには反対側に歩いていったはずの星川くんがいて、なぜか頬を赤らめている。
「はい?」
「あの、…今度、食事なんてどうですか。」
「えっ?」
「飛鳥さんと、お話がしてみたいんです。…2人で。」
‘2人で’の単語が出た瞬間、彼の意図がようやく飲み込めた。
あれ?もしかして真剣に誘われてる?
雑誌‘S’に載って以来確かに声をかけられる機会は増えたけど、こんなに真剣な、しかも年下の男の子からのお誘いなんて初めてだ。
こういうのは、変にあいまいに返しちゃいけないよね。
「ごめんなさい、そういうのは無理です…。」
言った瞬間、視界の隅に人影が見えたような気がした。もしもこのやり取りを聞かれて噂にでもなったら困るわね。私は早々に切り上げたほうがよいと判断する。
「じゃ、これで…。」
「あ、飛鳥さん…。」
慌てて身を翻す私を呼び止めようとはしたものの、星川くんも人影の存在に気づいたのか、それ以上は追ってこなかった。
※
貴志さんが出張から帰ってくる日は、いつも部屋で待っていてほしいと言われている。美味しいお酒とおつまみは必須。今日はワインを用意した。夕食にはパスタを。
「ただいま。」
出張に行って帰ってきても、貴志さんはあまり疲れを滲ませていない。スーツもぱりっとしている。
「ありがとう、食事まで用意してくれて。飛鳥さんも仕事なのに。」
「ううん、大丈夫…。」
荷物を置くなり、彼の両手が私のほうに伸びてくる。
「夕飯はなに?」
「うん、パスタ。」
「もう茹でちゃった?」
「ううん、のびるの嫌だからこれから。」
そこまで言うと、満足そうに貴志さんは笑う。
「じゃあこっちが先でも大丈夫だね。」
私は抱えあげられ、自由を奪われる。
ベッドに横にされながら、昼間の出来事を思い出した。星川くんの、真剣な赤い顔を。
話したほうがいいのかな。
でも、わざわざ話すことでもない気がした。第一、星川くんは貴志さんの課の子だ。このことを知ったからって貴志さんが私情を挟むわけはないけれど、聞いて気持ちのいい話でもないんだもの。
一瞬浮かんだ考えを打ち消して、私は貴志さんに身をゆだねた。
※
そして2日後の朝、早々に栄子に呼び止められた。
「飛鳥、噂になってるわよ。」
「えっ?」
「営業一課の星川君となんかあやしげな雰囲気出してたんだって?」
ニヤニヤしながら近寄ってきた栄子だけれど、私の顔を見て表情を引き締めた。
「…やだ。ただの噂じゃないの?」
「2日前、食事に誘われたの。その場で断ったんだけど…そういえば近くに誰かいる様な気配だったわ。会話の内容までは聞かれてないと思うけど。ただ、星川君の態度にはただならぬ雰囲気があったから…。」
「ふううん。」
「そんなに噂になってるの?」
まさか噂になるなんて思ってもみなかった。貴志さんの耳に入っているんだろうか。…入らないはずないわよね。
「よほどたちの悪い人に見られたのかしらね。かなり噂は駆け巡ってるわよ。…今日は‘彼氏’への釈明が大変なんじゃない?」
そう言って栄子は意地悪く笑って見せた。
※
当日急に貴志さんから誘われることは滅多にない。次にいつ会うかあらかじめ決めておくか、決められないときは遅くとも前日には約束をする。今日に限ってはその‘滅多にない’展開になった。無理もないか。栄子の、あの意地の悪い笑顔が浮かぶ。
待ち合わせの居酒屋に行くと、思いのほか貴志さんはにこやかだった。
「お疲れ様。ごめんね、急に。」
「いいえ…。」
ビールとウーロン茶を注文して、ひと息つく。
「今日は星川の噂でもちきりだったよ。飛鳥さんにも迷惑かけたみたいで。」
「そう…。」
「でも、星川と会う機会があったなんて珍しいね。たまたま?」
「うん…。」
たまたまといえばたまたまなんだけど…。
このまま黙ったままでいてもいいのかもしれない。でも、嘘をつくほうがむしろ大袈裟な気がする。だって、貴志さんに対して後ろめたいことなんて何もしてないもの。
「…あのね。」
「ん?」
「ただの噂じゃないの。」
「え?」
「食事に誘われたの。でも、その場で断ったわ。ただ、それを見てた人がいるみたいで…。」
カタンと音がして、ビールのグラスが置かれた。まっ過ぐにこちらを見つめていた瞳がその視線を落とし、薄く開いた唇からは小さな吐息が漏れる。
「それはいつの話?」
「ええと…2日前。」
「俺が出張から帰った日だね。」
「…はい。」
貴志さんの口調が少し重苦しくて、答える言葉遣いが思わず敬語じみてくる。
「どうしてあの時言わなかった?」
「あ…ええと、言うほどのことでもないと思って…。」
「どうして。他の人の口から耳に入って俺は不愉快だった。そりゃ、今の今までただの噂だと思ってはいたけど。」
「…ごめんなさい。」
「目撃者がいるって、気づいてたの?」
「…はい。」
「じゃあ、噂になることも、噂になったら俺の耳に入るだろうことも予測できたんじゃないの。」
貴志さんの詰問は声のトーンこそ落ち着いているものの、辛辣だ。
「星川くんは、貴志さんの部下だし…。」
はっ、とあざ笑うような声が聞こえる。
「俺も随分見くびられたもんだね。そんなに公私混同するタイプに見える?」
「そんなこと、ないわ。貴志さんは誰より私情を挟んだりしない人だもの。」
「そりゃ、褒めていただいてありがとう。」
まだたっぷり残っているビールを一気に飲み干し、貴志さんは大きく息をつく。
これ以上何を言っても全部シャットアウトされそうな雰囲気だ。いったい、どうしたらいいんだろう。とにかく、言わなかった私がいけないのよね。そうよね。
…でも、こんなに気まずくなるような大変なことをしたつもりはないんだけど。
…でも、そこを主張してもさらに事態を悪化させるような気もするし。
考えあぐねて何も言えないでいるうちに、貴志さんが立ち上がった。
「駄目だ。気がおさまらない。」
「え?」
「出よう。」
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