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第二次太陽系大戦

第二次太陽系大戦・墟・第306章・謀略と流された血

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西暦2098年

金星圏

ここには火星艦隊と日本艦隊が駐留していた

日本が行ったオーブ事件を切っ掛けに

金星圏では火星軍と日本軍が絶えず戦闘を行っていた

消耗戦が繰り広げられ火星軍も日本軍も

次第に戦力が低下して

日本軍は金星圏の隣の水星圏に駐留する日本艦隊の

支援を受け火星軍と互角の戦闘を続けていた

日本軍との消耗戦で戦力が低下した金星圏の火星軍は

隣の星系に駐留する地球圏の火星軍に救援を求めたが

地球圏での火星軍は日本軍だけでなく

月面軍とも戦わねばならず

戦力を割く余裕は無かった

だがもし金星圏が日本軍の手に落ちれば

日本軍は金星圏と水星圏の戦力を地球圏に移動させる

そうなれば地球圏の日本軍は火星軍を圧倒し

火星軍は地球圏から撤退するしか無くなる

それを防ぐ為に火星本星は

木星圏に駐留する火星軍の半数以上の艦隊を金星圏に派遣する事を決定する

だがそれが月面政府に知る所となれば

圧倒的戦力を誇る木星圏の火星艦隊がにらみを利かす

事実上月面政府の支配下に在る

土星圏・天王星圏・海王星圏の宇宙艦隊が

木星圏の残存火星艦隊を攻撃して来る

その為金星圏へ向かう木星圏の火星艦隊は大艦隊で行動せず

少数の艦隊に別れあえて遠回りをして

金星圏に向かった

それは月面政府ではなく

日本艦隊の知る所となる

当初は単なる少数の艦隊移動かと思われたが

同時に捉えた木星圏から金星圏へ向かった

火星艦隊の総数は木星圏に駐留する火星艦隊の3分の1

日本軍の最新鋭ステルス性潜宙艦による偵察で

木星圏の火星艦隊は半数以下しか残っていない事が判明

このまま金星圏へ増援の火星艦隊が到着すれば

金星圏の日本艦隊は劣勢となる

水星圏の日本艦隊もこれ以上金星圏の支援に艦隊を派遣出来ない

バラバラに行動して金星圏に向かう

すべての火星艦隊を追撃するのは

事実上不可能

日本軍は手詰まりになり

土星圏・天王星圏・海王星圏の将兵が

火星軍を憎んでいる事を利用して

この事態の解決を計る

日本軍総司令部は月面政府に情報を流し

土星圏・天王星圏・海王星圏の宇宙艦隊を使い

木星圏の火星軍を攻撃させる

そして金星圏へ向かう火星艦隊は木星圏に戻る事になった

圧倒的多数の戦力で木星圏を攻撃した

土星圏・天王星圏・海王星圏の

連合艦隊は当初一方的に木星圏の火星艦隊を攻撃し

木星圏の火星軍を追い詰めるが

金星圏に向かっていた火星艦隊が木星圏に戻って来た

それまで一方的に火星艦隊を攻撃していた

土星圏・天王星圏・海王星圏の連合艦隊は

背後からの一斉攻撃とそれまで追い詰めていた

火星艦隊からの反撃で前後から挟み撃ちの攻撃を受け

総崩れとなり散り尻となり逃げだす

逃げる敵艦隊を火星艦隊は執拗に追い詰めた

本星に逃げ帰る事が出来たのは

僅か3分の1残りは破壊されるか降伏した

これにより土星圏・天王星圏・海王星圏は

艦隊再建に迫られ木星圏攻撃は大戦末期まで不可能になった

それは木星圏の火星艦隊も同じで

かろうじて勝利したが艦隊の大半は損傷し

金星圏に派遣可能な

残された無傷の艦隊は僅かで金星圏への支援は出来ない

結果として日本軍は金星圏での優勢を守り

火星軍は劣勢の挽回するチャンスを失った

日本軍は全く被害を受ける事が無かったが

その為に流した火星軍と土星圏・天王星圏・海王星圏が

流した血は余りにも多過ぎた
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