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戦後編そして

戦後編そして・霧・第277章・コロニー護衛

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西暦2091年

地球圏

午前零時までにコロニー55の住民はすべて

近隣のコロニーに移された

次の日の午前8時からコロニー55に占領軍に逮捕された連邦市民が送り込まれるが

その間の午前零時から午前8時まで占領軍はリストに載っていた

全ての住民が近隣のコロニーに退去した事を確認して全ての兵士は宇宙船ドックに集結していた

だがその8時間リストに載っていない

不法住民や各国の情報部員が暗躍していた

その中には旧地球連邦軍の兵士も含まれて居た

彼らはコロニーの内壁と外壁の間に巧みに隠れ本国の指示を待った

午前8時から占領軍に連れられ前住民が居なくなり空になった住居に次々と送り込まれ

食料は配給制で各住居に兵士が届け

外出は病人さえ許可が必要とされた

前住民を追い出すのと違い

逮捕された住民を確実に収容する住居に送り届ける為に三日を要した

4日目第55コロニーは金星に向け発進した

護衛として宇宙艦隊が同行する

その規模は戦闘艦を含む1個艦隊

たった1基のコロニーを護衛するには余りにも規模が多すぎていた

護衛艦隊の総旗艦では

グ参謀長がハン艦隊司令官に

<ハン司令官1基のコロニーの護衛にしては多すぎますな>

『グ参謀長

確かに多過ぎるとは思うが

もし今ローラアシェル率いる艦隊の攻撃を受ければ

僅か数隻の護衛ではコロニーを奪われる』

<ローラアシェルが本気で来ると司令は思いますか?>

『じつの所私も半信半疑だが

恐らく今回は来ないと思う』

<お考えを聞かせて頂いても宜しいですか?>

『もし今回このコロニーの奪取に成功しても

次回は護衛が2倍になりかなりの苦戦になり

敵にもかなりの損害が出る

それを繰り返して行けば

こちらも幾つかの艦隊を失うが

敵艦隊は我々と戦うだけの戦力を維持出来なくなる

その様な愚行をあのローラアシェルがするとは思えない』

<では今後もローラアシェルは来ないと?>

『いやいずれローラアシェルは来る』

<司令官はいつ来るとお考えで?>

『戦時下ならともかく

現在火星も日本も占領地の駐留費が莫大で

財政を圧迫している

今回の艦隊護衛の費用は本国の財政部の

猛反対を押し切って行われている

これからも暴動が発生して

同じ規模の逮捕者が出て

金星に送り続ける事になると

これと同じ規模の艦隊を維持する事は財政的に不可能になる』

少しづつだが艦隊は回を追う事に減らされる

それでもローラアシェルが手を出さなければ

誰もが油断して護衛は数隻にまで減らされる

次期は予想出来ないが

もしローラアシェルが出て来るとしたら

一度だけその時は圧倒的戦力で来るだろう

出来ればその時に艦隊司令は勘弁してほしいな』

(艦隊司令に報告

金星圏に到着しました索敵範囲に敵影無し)

『グ参謀長どうやら無事任務を果たせそうだ』

第55コロニーは金星の軌道に入る

軌道エレベーターに乗り

元は火星と日本の市民を収容する筈だった

地下収容施設に連邦市民が送り込まれた
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