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第一次太陽系大戦

第一次太陽系大戦・壺・第256章・太陽系大戦・Ⅲ・

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潜宙艦隊を預かるローラアシェルは

配下の潜宙艦が月に向かう国籍不明の輸送船を拿捕したとの連絡を受け

拿捕した輸送艦の積み荷が重力鉱石と聞き

自ら輸送艦の責任者と面会した

この輸送船がゴースト艦隊の所属と判断

みずから地球圏へと曳航する

地球圏に近づくにつれ

前線から後方に送られてくる損傷した艦艇や負傷者の数が急増している事に驚いいた

そして前線に送られる補給物資の中に

無人艦艇が無い事に気が付き

急ぎ無人艦隊工場へと向かう

ローラが到着するとそこには

本来戦場に送られるべき無人艦隊が未完成のまま放置されていた

工場の責任者から

送られる筈の重力鉱石の輸送艦が未だ到着せず

無人艦隊が完成出来ずに居るとの返事があるか

これ程の補給不足で地球艦隊の苦戦は

急増する損傷した艦艇や負傷兵からも明らかで

急ぎ何とかしなければと思う

ローラは副官から捕獲した輸送艦に積まれた

重力鉱石について具申される

無人艦製造工場の技術者に輸送艦の重力鉱石を見せると

十分使えるとの返答があり

直ちに実行されたそれでも4個艦隊の内の半数の2個艦隊分しかない

完成までには72時間が必要だが無人艦隊建造が始まる

更なる問題が発生した

完成した無人艦隊を戦場迄運ぶには

監視艦隊に搭載されているコントロール装置が必要だが

この無人艦隊製造工場には派遣されていない

まるで無人艦隊の建造が中止される事が事前に分かっていたかの様に

そのコントロール装置の予備の装置自体は

この無人工場にもあるが

それを使うには艦隊司令部の許可が必要だ

しかし今交信する事は

敵に情報が筒抜けになる

ローラは独断で無人艦隊のコントロール装置を

自らが指揮する潜宙艦に取り付ける

ローラは考えていた

例え無人艦隊が完成して

戦場に運んでもその時は既に地球艦隊は崩壊寸前なら

無人艦隊を囮に地球艦隊を撤退させるしかない

最悪の場合は地球艦隊はすでに崩壊している

残された無人艦隊だけでは敵の侵攻を止められない

『降伏』の二文字が脳裏に浮かぶ

地球連邦はこの戦いで

火星と地球には多くの犠牲者が出た

彼らは復讐を忘れないだろう

多くの政府と軍首脳が戦争犯罪人として裁かれる

それは前線で戦った将兵にも及ぶ

私の第4連合艦隊にも・・・

ローラは鹵獲したゴースト艦隊の輸送船の乗組員に

情報部が調べたゴースト艦隊の重要人物がいる事を発見し面会した

同時にローラは連絡艇を出し第4艦隊の主要メンバーを無人工場に呼び寄せた

そこで今後の方針を盗聴器が仕掛けられていない

セキュリティールームで話し合う

ローラの未来予測に多くの幹部が驚愕したが

この場に捕虜となったゴースト艦隊幹部が同席していた事に

当初多くの者が異議を唱えたが

ローラの未来予測に皆が納得した

様々な質問の中で唯一問題となったのが

『家族』

ローラは無人艦隊建造に不足分の重力鉱石を第4艦隊の修理に使う為の

重力鉱石を急遽無人艦製造工場に運ばせた

現在建造中の無人艦隊が完成後直ちに

残りの2個艦隊の無人艦隊建造が始まる事になる

ローラは考えうるあらゆる布石を行いながら

72時間を過ごした

72時間後には2個艦隊が完成

ローラの指揮する潜宙艦に

無人艦隊コントロール装置の取り付けが完了した

この時前線から送られて来た負傷兵の口からは

地球艦隊は補給が絶たれ何時崩壊してもおかしくないとの証言を受けていた

ローラは全ての潜宙艦を集結させ

無人艦隊を率い前線へと赴く
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