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第一次太陽系大戦

第一次太陽系大戦・壺・第250章・銃後

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日本圏

コロニー呉

艦隊全ての整備が終わり

地球軍宇宙艦隊司令長官が

各艦隊の提督を前に訓示を述べる

人類が宇宙に進出して半世紀

地球圏は幾度となく火星圏そして日本圏に対して攻撃を加て来た

その度に地球軍は大打撃を受け撤退したが

和平を結んでも反故にされ

地球圏は太陽系を我が物にする為に戦争を起こす

その度に火星圏そして日本圏も多くの犠牲者が

そしてこの戦いでは地球圏の10分の1の市民が

地球連邦政府を陰で操る

陰の政府の為に犠牲となった

地球連邦政府をいや陰の政府を倒さない限り

人類はこれから先も戦い続け多くの犠牲者が出るだろう

そして我々が敗れたら恐らく陰の政府は

太陽系を統一しただけで満足せず

他の太陽系へ侵略を始める

ざわつく艦長達を前に艦隊司令長官は

本来はトップシークレットだが

我々は既に他の太陽系の文明とコンタクトを取っている

太陽系は強大な文明が対立する銀河系中心部から外れた辺境宙域だ

あと数百年は銀河中心部の干渉は受けないと判明している

だからこそ陰の政府は全太陽系を統一して

銀河系宇宙の侵略を始めるつもりだ

更にもう一つ付け加えるが

銀河系に生息している異文明の3分の1の住民は

地球人類と同じ遺伝子を持っている

この戦いには太陽系の人類だけでなく銀河系に生きる同胞の命運がかかっている

最後に艦隊司令官は

この戦いを人類が戦う最後の戦争である事を願うと述べ

日本艦隊は火星艦隊とのランデブーポイントに向け発進する

火星圏

火星の衛星軌道を回る人口の月

第2の月と呼ばれるル現在そこは火星宇宙艦隊の軍港として使われ

同時に軍人と家族の為の都市機能も兼ね備えていた

火星艦隊は明朝6:00に出撃が決まり

乗組員にはAM0時まで自由時間とされ

若い乗組員は皆ルナツー内の歓楽街に繰り出した

多くの者が羽目を外し酒と喧嘩で騒動を起こす

本来なら取り締まる側の憲兵隊や警察官はこの日だけは

泥酔状態の兵士を所属の艦隊へと送り届ける役目に終始した

若い憲兵は鬼と言われた憲兵隊長の普段とまるで違い

兵士を力ずくで威嚇したり毅然とした態度を示さず

まるで諂うような態度で一人一人の兵士の話を聞き頷き

子供を諭すようにして

兵士達を所属する艦艇の自室迄送り届けた

午前零時を過ぎ最後の兵士を送り届け

艦の責任者から

脱落した兵士は居ないと言われ

憲兵隊長はほっとしていた

帰り道若い憲兵は思い切って

叱責覚悟で

何故何時もと違う態度で兵士に対処していたのか聞いた

あいつらはたとえ重装甲の戦闘艦だろうが

当たり所が悪ければ大穴が開き

一瞬で宇宙に放り出される恐怖を知って居る

逃げ出したくてどうしようもない心を

酒で紛らわせているだけさ

俺も艦隊任務の時は同じ気持ちだったよ

若い憲兵は黙って聞いていた

午前6:00火星艦隊はルナツーを発進した

憲兵隊長は遠ざかる艦隊に何時までも敬礼を続けた

その後ろで若い憲兵も敬礼を続けた

地球圏

地球艦隊は水星・金星・月・そしてラグランジュポイントのコロニー圏から

第5から第12艦隊迄の8個艦隊そして無人艦隊2個艦隊を含む補給船団が火星圏に向け発進する

そしてローラ率いる潜宙艦隊は地球艦隊と地球圏との間の補給路を敵艦隊から守る任務に就く

ローラは潜宙艦を補給艦隊の航路に配置して敵の侵入をいち早く探知する体制を取る

すでに地球艦隊と火星・日本連合艦隊との戦いは始まっていた

多くの補給船団は日々膨大な量の補給物資を前線に運び

前線からは多くの負傷兵と傷付いた軍艦が運ばれて来た

余りにも多くの負傷者と損傷した艦艇が運ばれて来た為

地球圏のラグランジュポイントのコロニー圏では収容しきれず

本来第4連合艦隊の艦艇が修理をしている

移動式修理ドックに回航されて来た

本来移動式ドックは

各艦隊に1施設だが

旧第1艦隊~第4艦隊の残存戦力で構成される第4連合艦隊には

移動式ドックは4施設もあり

さらに多くの艦艇を短期間で修復する目的で

増築され修復の為のドックや負傷者の為の医療施設

更に物資備蓄機能も拡充されたが

それだけでは足りず食料生産設備や

居住施設も拡充され

小型のコロニー圏と同じ機能を持っていた

その為第4連合艦隊に艦艇の修理と負傷兵の収容を依頼して来た

負傷兵も最近まで第4連合艦隊の将兵が治療に当たっていた

治療施設が兵士の回復による退院で開いていた為

多くの負傷兵が運ばれて来た

そして負傷兵の家族が面会の為民間の輸送船で

第4連合艦隊へ集まって来た

ローラが第4連合艦隊の司令部と協議の為に戻ると

そこはまるで軍事施設ではなく

民間の客船が並ぶ観光地の様に見えた

これらを統括するのに

純粋な軍人である第4連合艦隊の将兵では手に負えず

またまたローラに管理を丸投げしてきた

ローラ自身潜宙艦隊を統括する立場で

どうにもならず

以前救助した補給艦の将校が

変わり者で上官の覚えが悪いが

優秀な補給艦将校コリナーが

補給物資を積んで入港している事に気が付く

早速補給艦の将校コリナーに面会し

すべての責任は総参謀長の自分が取るので

移動式ドックと民間人を含む補給関係すべてを統括して欲しいと依頼する

ローラの話に目を輝かせていたが自分は補給部隊の人間で

この戦時下で自分の一存でお引き受けは出来ないと言い訳をするが

ローラはもうすでに軍の人事部に話は通してある

家族を此処に呼び寄せる段取りは付けてあると話すと

コリナーはこの艦での私の部下を使いたいと話すと

ローラは君に一任する

何かあれば総参謀長の命令だと言いたまえそう言い残し

結局のところローラもコリナーに丸投げして

第4連合艦隊を後にする

補給航路を守る潜宙艦は月へ向かう地球でも火星や日本でもない

ステルス艦を発見する

ローラは捕獲を命じ

海兵隊を送り込み謎のステルス艦を捕獲する

艦内には大量の重力鉱石が見つかる

この艦が月に向かっていた事と

先日付を監視していた潜宙艦からの報告で

潜宙輸送艦3隻が月の南極に向かった件で

潜宙輸送艦は地球の物だが運ばれていたのは

重力鉱石ではないかと推察し益々月に疑念を持った
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