上 下
231 / 334
第一次太陽系大戦

第一次太陽系大戦・壺・第238章・ローラ・アシェル

しおりを挟む
月の軌道エレベーター最上部の宇宙港から

連絡船タイタンは地球連邦軍警備艇の制止を振り切り出港する

ブリッジを地球連邦が探していた技術を盗み出した武装集団に占拠されて

船長の苦渋決断の結果だが

タイタンを足止めさせる為の

警備艇の威嚇射撃がエンジンに直撃

タイタンは誘爆を起こし

軌道エレベーターに直撃

エレベーターは倒れる様に月面上に落下する

タイタンでは生き残った乗客が脱出カプセルに

殺到していた

爆発と振動の中修学旅行に来ていた

ローラ・アシェルも

クラスメイトと脱出カプセルに乗り込む

次々と脱出カプセルでタイタンから離れて行く

しかし何故かローラのカプセルだけ故障していた

ローラは脱出・出来ず船と共に月面に激突した

【・・・】

【い・・・】

【いき・・・】

【生きてるぞ】

【生存者だ】

【ドクターを呼べ】

大破したタイタンの中からローラは助けられた

そして医療室のベッドで目を覚ます

目を開けても靄が掛かった様で

声も低い声で木霊するだけで

何を言っているか聞き取れない

しばらくすると

周りがはっきりと見え

声もはっきりと聞こえて来た

でもローラは記憶が混乱して何が起きたのか

分からなくなっていたが

《タイタンの唯一の生存者》

その言葉を聞き

ローラは思い出す

『脱出カプセルに乗っていたみんなは何処?』

でも誰も答えてくれない

『え・・・』

戸惑うローラに

【私が君を救助したカトーだ】

ローラは戸惑いながら

『私を助けてくれたのは

貴方ですかありがとうございます

そのタイタンから脱出した私のクラスメートは

どうなりました

教えてください』

カトーはローラの目を見ながら

【タイタンを脱出した

君のクラスメートを乗せた

脱出カプセルは

戦闘に巻き込まれた

助けられたのは君だけだ】

『そんなみんな一緒に土星にエンケラドスに帰る筈だったのに

何でこんな事になるの・・・』

【エンケラドスに君の家族が居るのかい?】

『はい』

【まさか第128エリアじゃ・・・】

『そうですが何か・・・』

しばらく沈黙の後カトーは

【いいか気をしっかり持って聞け・いいな・・・】

『あ・・はい』

【土星では地球と火星の艦隊の戦闘が在った事は知ってるね?】

『え・ええ・・』

カトーは深呼吸をしローラの両肩に手を置き

【土星衛星エンケラドスの

第128エリアに戦闘で制御を失った

戦艦が墜落し

第128エリアはそこに住む住人事消滅した

脱出出来た者は誰も居ない

おそらく君の家族も・・・】

『え・・・』

ローラはすぐには理解出来なかった

『お母さん・お父さん・ローズ・おばあちゃん・・・

みんな・みんな・みん・・・』

ローラは泣いた大きな叫び声を出しながら

そして泣き疲れて眠りについた

ローラを助けたのは

ダグラス提督率いる第4地球艦隊

ローラを乗せたまま火星を目指していた

そこで行われていた火星と戦う為に

『・・・た』

『・・た・だ・・』

『・・た・だ・い・ま・・』

『ただいまー』

勢いよく扉を開けローラは我が家に入る

母さん・お父さん・妹・そして大好きなおばあちゃん

ローラはおばあちゃんの胸に飛び込み

夢中で旅の話をするローラ

でも何故か涙が流れる

『どうしてだろう・・・』

『どうして・・・』

『だろう・・・』

『・・・』
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~

飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。 彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。 独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。 この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。 ※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。

転生して異世界の第7王子に生まれ変わったが、魔力が0で無能者と言われ、僻地に追放されたので自由に生きる。

黒ハット
ファンタジー
【完結】ヤクザだった大宅宗一35歳は死んで記憶を持ったまま異世界の第7王子に転生する。魔力が0で魔法を使えないので、無能者と言われて王族の籍を抜かれ僻地の領主に追放される。魔法を使える事が分かって2回目の人生は前世の知識と魔法を使って領地を発展させながら自由に生きるつもりだったが、波乱万丈の人生を送る事になる

勝手に召喚して勝手に期待して勝手に捨てたじゃないの。勝手に出て行くわ!

朝山みどり
恋愛
大富豪に生まれたマリカは愛情以外すべて持っていた。そして愛していた結婚相手に裏切られ復讐を始めるが、聖女として召喚された。 怯え警戒していた彼女の心を国王が解きほぐす。共に戦場へ向かうが王宮に反乱が起きたと国王は城に戻る。 マリカはこの機会に敵国の王と面会し、相手の負けで戦争を終わらせる確約を得る。 だが、その功績は王と貴族に奪われる。それどころか、マリカは役立たずと言われるようになる。王はマリカを庇うが貴族の力は強い。やがて王の心は別の女性に移る・・・

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

SF作品頻出英会話重要表現※音声リンクあり

ひぽぽたます
SF
SF作品に頻出する英会話の重要表現(私が理解しづらかった構文や表現)を掲載します。 音声はYoutubeで聞けます。下方にリンクを貼りました。※英会話重要表現リスニング練習

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした

水の入ったペットボトル
SF
 これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。 ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。 βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?  そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。  この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。

博士のロボット

おみくじ
SF
 18世紀半ば、イギリスでの産業革命以降、機械技術は世界各国で大きく発展した。人間のように労働する機械を、人々はロボットと呼ぶようになり、20世紀後半はロボット総労働力時代の全盛期であった。  しかしそんな時代に、イギリスのとある若き天才ロボット工学博士が、世界を驚愕させるものを発明する。  それは人間を教育するロボット。  このロボットは学生の成績向上に大きく貢献し、実用化まであと一歩のところまでせまった。しかし大きな壁にぶち当たってしまう。それは、幼稚園に通う子ども達の教育であった。 『木の枝は魔法の杖』『綺麗なガラス玉は人魚の涙』と無茶苦茶なことを言う子ども達。  博士の教育ロボットはオーバーヒートして壊されてしまう。一体どうすれば上手くいくのか。  頭を悩ます博士は、苦難しながらも、遂に答えを見つける。

処理中です...