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太陽系の夜明け・移民の時代

太陽系の夜明け・移民の時代・士・第205章・シークレットガバメント・野心の果てに

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20世紀半ば地球の夜空は月面の氷に反射され

以前の10倍の明るさで輝いていた

だがその地上は戦争とポールシフトで荒れ果て

殆どの住民は宇宙へと逃れた

宇宙都市の3分の1に住む富裕層は

この日表向きは大富豪の別荘用コロニーに集まる

12人のメンバーで構成され

世界を影から動かして来た彼らの事を

人々は影の政府・シークレットガバメントと呼んだ

だが彼らは1枚岩ではなく

2つのグループが対立し3つ目のグループが弱小ながら

巧みに切り抜けて来た

第1次世界大戦後数十年後に

核兵器が開発される事はもはや時間の問題

世界は破滅に向かいカウントダウンが始まった

だが核戦争は12委員会が望む事であった

しかし核戦争が始まれば地球上何処にいても

被害は免れないそこで

12委員会は月の裏側に核戦争後荒廃した地球から

一時的に避難する為の施設を建設する計画を立てる

第一次世界大戦後世界の頭脳と言える科学者はドイツに集中していた

彼らをスカウト或いは誘拐して人材をそろえ

資金物資は十分に在ったが

問題は当時の科学力では重力圏から離脱するロケット無く

12委員会が持つ孤島で開発が進められ

ついに宇宙空間への進出に成功する

それからの宇宙開発はのちの米ソ宇宙開発と同じく

困難の連続で宇宙都市建造中の事故で

多くの科学者を失い計画は完全に停止

12委員会は当時ドイツで政権自立間もない

ナチスドイツの協力を取り付け多くの科学者を迎え入れ

宇宙開発を進めたが当初はナチスの科学者は

約束を守り従順であったが

極秘裏にドイツ本国に技術を流出

ナチスはその技術を軍事産業に転用

第二ぞ世界大戦が始まり宇宙計画は中止になる

次の大戦は半世紀後と考えていた

12委員会は全世界に植民地を持つ

欧州諸国が加盟している国際連盟を

後の欧州連合EUに近い組織に統合して

この組織と大英連邦と米国からなる組織と対立させて

20世紀後半に核戦争を起こす事を計画していたが

米国の参戦の為に日本を戦争に引きずり込んだが

日本はアジアの欧州の植民地軍を撃破

植民地解放と言う形で大英連邦も含め欧州の国力は衰退

大戦後欧州を米国と対立させる事は不可能

ナチスドイツの軍事行動で12位委員会は計画に大幅な変更を余儀なくされた

12委員会は欧州連合に代わり

ソビエト連邦をアメリカと対立する相手として選び

両国はドイツを倒し欧州を分割統治

冷戦をはじめた莫大な軍事力と人材が投じられ

対立は全世界に及んだが

12委員会は宇宙開発再開に対し米国とソビエト連邦との間に密約を結び

再び宇宙開発はスタートするが

スペースコロニーの開発中にソビエト連邦が崩壊

多くの科学者が引き上げ

計画は米国の科学者だけでは不可能になり

再び停滞状態に陥る

そこに中国が12委員会に接触交渉の末

中国の科学者を迎え入れるが

彼らは機密文書の持ち出しはしなかったが

記憶力抜群の者を送り込み

機密情報を持ち出し

本国の軍事産業を驚異的に発展させた

そしてついに第三次世界大戦が始まる

だが12委員会が目指した宇宙都市は完成していなかった

全世界は徹底的に破壊され

食料も人類が住む事も出来なくなり

12委員会の内半数の委員が失われ

シークレットガバメントの機能も失われた

そして極秘裏に開発されていた

宇宙計画がすべて露見した

だが死を待つだけだった人々に取り

目の前に現れた宇宙都市は

残された希望となり

人々は宇宙都市を指差し

宇宙移民を生きる希望とした

その後の30年は飢餓を克服する為の食糧生産の為の宇宙開発に始まり

やがて宇宙都市建設が始まる

宇宙都市は富裕層が所有するリゾート地の様なコロニーから

平均的な都市コロニーやスラム街としか思えないコロニーまで

戦争で地獄経験して来た最初の移民世代は耐えられたが

第2・第3世代になると

自分たちの境遇耐えられず

金星の鉱山開発・日本国への移民

禁止されていた火星への密航が後を絶たず

やがて火星事変を引き起こす

地球・日本・火星が停戦し

太陽系連邦が作られひと時の平和が訪れる

土星・天王星・海王星への移民は

当初火星の住民の為にはじめられたが

移民を金星や地球のスラム出身の

移民第2・第3世代にまで広げられ

多くの者が移民を希望し旅立ち

地球圏の多くのコロニーが空になり

金星の地下都市も人口が激減した

火星艦隊は土星圏・天王星圏・海王星圏などの移民先に

艦隊を分割火星本星には2個艦隊だけが残り

日本艦隊は戦艦や空母の建造を中止

船団護衛を目的とした巡洋艦や護衛艦を中心とした

宇宙艦隊に再編されていた

移民と同時に地球は失われた

宇宙艦隊再建を進めた

そしてその間にも火星はテラフォーミングが進む

シークレットガバメントは

この移民計画を利用して

地球圏に取り邪魔な者達を太陽系の果てに追放した

土星圏では移民とは名ばかりの30年間返済不要の

開拓資金が目当ての者たちが集まり

火星移民以外の地域は開拓は一向に進まないが

それでも開拓地に足止める目的で

毎年莫大な資金を開拓地にばら撒いた

火星のテラホーミングの完了と同時に

再建が完了した地球艦隊は

火星を守る守備艦隊を破り

一気に火星を占領

木星圏に駐留する艦隊を含めた

全地球艦隊で移民惑星の駐留艦隊を

各個撃破する

ただしこの計画を実現するには

日本艦隊の協力が必要で

もし不可能なら

日本艦隊に対して奇襲攻撃を加えるか

日本軍内部にクーデターを起こす必要が在った

どちらも失敗に終わった場合は

現在民間船の航行用エネルギー中継機器を

破壊して身動きが出来なくなった

日本の船舶を人質する計画を立てた

この計画を当事者の軍人達は知らずに

太陽系連邦政府で

天王星圏への移民成功は次なる移民先

海王星圏への移民計画が話し合われた

それまでの木星圏・土星圏・天王星圏に比べ

冥王星がたった二つの衛星クラスの星から構成されている事から

海王星圏への移民は事実上最後の移民となる

その障害となるゴースト艦隊への対策が同時に話し合われた

連邦政府軍事議長以下

火星第5艦隊司令ダスルーゲンス

日本艦隊空間護衛艦隊グドウ司令官

宇宙航路防衛艦隊ビスト指令官

地球第2艦隊ビルド司令官

太陽系連邦政府は統一された政府ではなく

2024年に正式解散した

国際連合と同じく命令する権限が無く

連邦軍事議長には各国に対し

勧告する事しか出来なかった

ゴースト艦隊と言う共通の敵の存在が

各軍の結束を維持していた

だが太陽系連邦政府には独自の情報網が存在した

その情報網はモサドの流れを汲み

ゴースト艦隊の全容が次第に解明を進めていた

軍事会議は海王星圏に地球で建造されている

最新鋭の戦闘空母と護衛艦2隻を探査船として送る事を決定する

その裏でシークレットガバメントは

ゴースト艦隊に武器と金を提供した

その中には禁止された小惑星にエンジンを取り付けた

攻撃衛星の情報も

そのゴースト艦隊では

太陽系に迫りつつある

奇妙な光る星が観測され始めた
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