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戦後編・選択の時代

戦後編・選択の時代・参・第184章・戦後の時代は終わり・そして

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火星に侵攻する攻撃衛星の破壊に成功したと安堵する

地球・火星・日本艦隊の前に

砕け散った攻撃衛星の中心部のコアが飛び出し

火星に急接近

各国艦隊は一斉に発進

「オペレータ分析は」

(ベール中将

コアの内部は5千度以上と推測されますが

マイナス270度の宇宙空間で

次第に表面が冷やされ

冷却された部分が厚くなり

次第に砲撃での破壊は

難しくなります)

「考えている暇は無いな

全艦隊に連絡ポイントを決め

一斉砲撃を行なう」

日本艦隊がコアの表面温度を測り

温度が一番高くまだ表面が薄い

進行方向左側面に攻撃が行なわれる

だが数度に渡る攻撃にも

衛星のコアは破壊出来ない

刻一刻と火星に迫る衛星のコアを

どうにも出来ないもどかしさに襲われた

「日本と地球圏に警報を送れ

そして小惑星帯の地球艦隊主力へ

火星が破壊されたら

ここに居るすべての艦隊は

運命を共にする

後は頼むと・・・」

オペレーターは

通信要員に指示

日本コロニーと地球連邦に通告

<指令・ベール中将

我々以外の誰かがコアを砲撃しています>

スクリーンを見つめる

ベール中将は小惑星帯に居る筈の

地球艦隊主力を確認した

《ベール遅れてすまん

エンジンが不調でな

攻撃ポイントは分っている

諦めるのはまだ早いぞ》

「火星と日本の艦隊に連絡

最後の悪あがきをする」

駆けつけた地球艦隊主力と共に

残されたエネルギーの全てを

コアに向けぶつけた

小さな亀裂が走り

次第にコア全体に広がり

内部に閉じ込められた

5千度の重金属は宇宙空間に飛散

マイナス270度に接し一部は固形化しながらも

高温のまま火星を目指し

宇宙艦隊にも迫る

「全艦撤退現空域より離れる」

次々と退避する艦隊の中

地球艦隊主力の数隻の戦闘艦が

未だに離脱しない

《すまんベレー

やはり修理が終わって居なかった

お前達は早く逃げろ》

5000度のコアの破片が接近する中

何隻かの大型艦が故障した地球艦に近づき

地球艦を挟む様に2隻の艦が両舷に接舷

危険宙域を離れた

救助に向かったのは

地球の船だけでなく

日本艦や火星の艦も加わり

地球艦を救助した

安全圏に退避した艦隊は

火星にコアの破片が落下するさまを見ていた

摂氏5000度の炎が地上を埋め尽くす

開拓の基地も古代の遺跡も

巨大生物も全てを焼き尽くし

火星は誕生したばかりの星の様に

冷えていた中心部のコアまで燃えていた

そこに遅れて氷の破片が火星に降り注ぐ

5000度の高温の火星に大量の水で

火星の大地は全て水没した

急速に冷やされた大地には

亀裂が出来次第に水が亀裂に呑み込まれて行く

水が無くなり大地が現れたが

地下に消えた大量の水と

5000度の高温にまで成ったコアと反応して

火星は膨張を始め亀裂から大量の水蒸気が吹き出し

衛星軌道にまで到達そこで細かな氷の結晶となり

火星全体を覆う

地表の亀裂は膨張と共に塞がり

やがて雨が降り海が出来た

日本艦体の調査船は驚くべき結論に達する

大きさは地球より一回り小さいが

重力は0・9Gに達し

地球とは違い陸地2・海1の割合で

陸の方が多い

衛星軌道の氷のお蔭で

有害な宇宙線はカットされ

以前と違い人類の生存に適していた

だが大気は有害な状態

これからの努力次第では

第二の地球を目指す事も可能だと

この戦いの後

地球・火星・日本の3か国は

小惑星や衛星にエンジンを取り付けた

兵器を禁止する条約に調印し

太陽系連邦を創設した

そして木星より外部

土星・天王星・海王星・冥王星への

移民を支援する事が決議された

だがそれは新たなる火星を生む危険性が

付きまとっていた

そして影の政府・シークレットガバメントについてだけでなく

あの木星を貫く高エネルギーの発生元も

『ダイソン』と言う謎の言葉を残し

ついに分らずじまいに終わる

そして時は流れ第三次世界大戦後の

30年に渡る戦後の時代は終わり

太陽系は開拓の時代が始まる

だがその果てには全太陽系を巻き込む

戦争の時代が待ち構えていた
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