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戦後編・選択の時代

戦後編・選択の時代・参・第182章・火星へ

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木星圏から

ベール中将指揮の戦闘艦ジュピターが

火星圏に向け飛び立つ

そしてこれまでの経緯を

地球・火星・日本に伝える

それまで都市伝説に過ぎなかった

影の政府・シークレットガバメントが

今回の一連の主犯だとする報告に

各国首脳は直ぐには判断が出来なかった

だが攻撃衛星の火星との衝突に備え

各国は動き出した

火星では全ての船舶に市民を乗せ

脱出を始めていた

日本コロニーでは

巨大で外壁が厚いコロニーが盾となり

小さなコロニーを内側に置き守った

地球圏では最貧国の移民用の小型コロニーが

盾にされ地球を守る形で配備され

地球の裏側の安全圏で富裕層のコロニーが

退避していた

この仕打ちに移民用コロニーからは

不信と怒りの声が上がる事になる

危機に対して国家による対応の差は

人々の心に亀裂を生み始めていた

火星は残された最後の手段として

全ての攻撃衛星の発射準備に入る

火星に向かう戦闘艦ジュピターの

ベレー中将は小惑星帯で

主力艦隊の修理を行っている

地球艦隊総司令官と直接連絡を取っていた

「これから

火星・日本の艦隊の総力で

攻撃衛星を攻撃します

だがそれだけでは足りない

どうしても地球艦隊の戦力が必要です

地球だけでなく人類の未来を守る為に

私はこれから火星に向かいます」

通信は切れた

《副官

地球政府からの攻撃衛星迎撃の許可はまだか》

(未だ何も)

《万が一火星が爆発しても

小惑星帯が盾となり残された艦隊は

ここに残る方が安全だな》

(指令それでは)

《命令違反をベール中将一人に

負わせる訳には行くまい》

(現在戦闘艦の半数が行動可能です)

《動ける船は我に続け

これより火星を目指し

発進する》

地球艦隊の主力が火星を目指す頃

日本コロニーでは

火星に向かう攻撃衛星を

迎撃する為の攻撃衛星に取り付ける

コロニーエンジンを

引き連れて日本艦隊が火星に向け発進する

この間にも攻撃衛星は火星へと接近

火星では攻撃衛星の迎撃の為に

二つの衛星にエンジンの取り付けが完了した

小惑星帯から運ばれた小惑星すべてに

日本から運ばれたコロニーエンジンの

取り付けが完了次第

攻撃衛星迎撃計画は開始される

火星の開拓地では

最後のシャトルが発進を待っていた

【父さんみんな待っているよ】

『マーズ見てくれこの緑の大地を

30年前の地球での戦争で何もかも失い

最後の望みをこの星に託し

重力と乾いた大地に苦しみ

母さんやお前の兄弟達を

原住生物の来襲で失いながら

赤い大地を此処までにした

だが故郷の地球はこの星を

破壊すると言う

わしらはこれから何処へ行けば良いのか』

最後のシャトルは衛星軌道に向け飛び立つ

そして攻撃衛星は火星から

肉眼で観測出来る距離に近づく
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