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戦後編・選択の時代

戦後編・選択の時代・参・第173章・宣戦布告

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火星の衛星軌道上量子コンピュータ衛星の

中央コンピュータルームは混乱に陥る

(どうしたんだマザーAIを安定させろ)

≪原因が分りません

ただ外部からのAIハッキングか

AIウィルスの可能性が在ります≫

火星の全てのAIは

この衛星のマザーAIが管理していた

マザーAIが不具合を起こせば

火星の全てのAIが使用不能に陥る

≪宇宙艦隊から連絡が入りました≫

(繋げ)

【こちら攻撃衛星守備隊巡洋艦コウガ

緊急連絡

攻撃衛星No7のエンジンが点火した

小惑星が動き出している

そちらからの何かしたのか?】

(バカな攻撃衛星を動かす権限は

大統領府にある

もしかして

大統領府から攻撃衛星発射の

命令シグナルが来ているか調べろ)

≪大統領府から命令は来ていませんが

マザーAIから攻撃衛星の発射命令が出ています≫

(そうかこれが狙いか)

(巡洋艦コウガへ

マザーAIが外部からと思われる

ハッキングで勝手に命令を出したと思われる)

巡洋艦コウガのブリッチでは艦長が

【AIの暴走か

仕方ない本艦に与えられた権限で

攻撃衛星を止める砲撃用意】

<照準完了>

【撃てっ】

主砲は発射されない

【どうした】

<ダメです本艦のAIが反応しません>

【やられた】

<攻撃衛星が射程距離を離れます>

【追撃するエンジン稼働】

<エンジン反応なし>

【くそう

おい攻撃衛星の目標は何処だ】

<計算します>

【地球なら全面戦争になる】

<出ました>

【何処だ】

<日本コロニーです>

【日本?何故だ】

<分りません>

【直ちに日本に連絡しろ】

<はっ>

【だが分らん何故だどうして

もっと大きい攻撃衛星が在るのに

最新型とは言え

一番小さな攻撃衛星を何故動かしたのか

どうしてそれが地球では無く

日本コロニーなのか】

<日本艦隊に連絡が付きました>

【よし俺が出る】

火星と日本コロニーをパトロール中の

日本艦隊に連絡が入る

『情報部から裏は取れたのか?』

《火星を管理している

マザーAIに外部からのハッキングで

攻撃衛星が発射されたのは

間違いないとの報告が来ました》

『火星との連絡は取れるのに

なぜ地球圏との連絡が取れない』

《原因不明》

『わかった

これよりわが艦隊は攻撃衛星迎撃に向かう』

日本コロニーは攻撃衛星迎撃に

失敗した時に備え

コロニーの移動を始めた

それは工業地帯の小惑星採掘現場にも伝えられた

[班長避難命令です]

〈くっそう折角発破の準備が出来たのに

引き上げだ〉

日本艦隊は攻撃衛星を射程距離に捕えた

『小惑星に砲撃しても破壊する事は出来ない

だが小惑星を動かしている複数ロケットの内の

一基を破壊すれば軌道が逸れる

護衛の艦隊が無い攻撃衛星など

恐れる事は無い』

《砲撃準備完了》

『進行方向左のコロニーのエンジンを狙え』

《進行方向右のコロニーエンジンが

小惑星を離れこちらに高速接近》

『目標変更

接近中のコロニーエンジン

撃てっ』

主砲・ミサイルをすべてを

巨大なコロニーエンジンに向けた

破壊しても次々に新たにコロニーロケットが

放たれ気が付くと攻撃衛星は

射程距離から外れていた

残されたエンジンを使い

軌道を修正して

日本コロニーの

鉱物資源採掘の為の小惑星に向けた

攻撃衛星は残されたエンジンを捨てた

もう誰にも止められない

だが計算上攻撃衛星が小惑星に衝突しても

すでに非難が完了した

日本コロニーに深刻な被害は起きない

日本のAIは結論を出した

衝突が起きる数分になり

火星から連絡が入る

攻撃衛星の構成物質は

巡洋艦の砲撃で簡単に点火して

核物質の数万倍の爆発を起こすと

通信が終わると

日本艦隊が攻撃衛星に向け

主砲を向けた

《司令官攻撃システムが

勝手に動いています

主砲が攻撃衛星に向けられています

止められません》

『ウィルスかやられた

姿勢制御の右舷スラスター全開

船体を動かして

主砲の向きを変えろ』

《右舷スラスター全開

主砲発射します》

主砲のエネルギー航跡は次々と外れるが

最後の一本が攻撃衛星をかすめる

何も起こらず

皆がほっとした

次の瞬間

爆発が起き

攻撃衛星全体に広がり

眩い光と衝撃波が襲う

艦隊は小船の様に揺れ

遠く離れたコロニーにも及び

幾つかのコロニーは接触し

破壊か所から大量の空気が漏れだした

閃光が止むと

そこには鉱物資源採掘の

小惑星は無かった

艦隊司令は

『双方共に破壊されたのか?』

《いえ小惑星は健在です》

『しかし何処にも見えないぞ』

《攻撃衛星の爆発の反動で動き出しました》

『そうか

それならいい』

《良くありません

小惑星は地球に向かっています

これだけの質量が地球に落下すれば

ポールシフトを待つまでも無い

地球は全滅です》

『地球圏との連絡はまだ取れないのか』

《はい》

『早く地球側に知らせないと』

《司令官無線が入っています》

『地球か』

《いえ火星からです》

『火星政府から地球政府への釈明か』

《いえ火星政府から地球政府への宣戦布告です》

『なんだと』

《全周波数を使い太陽系全域に流されています》

『通信障害はどうした』

《回復しています

いつの間にか》

火星では

地球に対する宣戦布告の放送に

大統領府は困惑していた

映像は確かに大統領が地球に対し宣戦布告をしているが

「なんだこの映像は私はこんな事を言った覚えは無いぞ

何処から流している直ぐに訂正しろ」

(地球圏への通信は出来ません)

「どうしてだ地球の放送は受信出来るのに」

(分りました地球への宣戦布告は

マザーAIが行なっています

恐らく外部からのハッキングによる

AIウィルスが原因だと思われます

止められません)

「いったい誰がこんなことを」

(地球連邦政府の放送を受信しました音声のみです)

「流せ」

〈我が地球連邦政府は火星の宣戦布告に対して

宇宙艦隊の派遣と木星圏の攻撃衛星による

火星の破壊を命令した

我が地球は火星に対し宣戦を布告する

火星とはいつか和解の時が在ると思っていたが残念だ

神よ貴方が作り上げた星を破壊する事を許したまえ〉
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