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戦後編・選択の時代

戦後編・選択の時代・参・第113章・ソニック・ウェーブ

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5年後地球の食料は枯渇する事が

正式に発表され

国際連邦会議の最優先議題は

食料の安定的な増産体制の確立と成る

地上は現在も汚染が広がり続け

耕作面積は縮小の一方で

隔離された農場工場の建設は

戦争により建設資材不足に加え

建設用重機が軍事用に転用され

大幅に不足していた

そこで考えられたのが

宇宙空間に農場工場建設計画

宇宙空間1箇所に全ての資材を集めた方が

地球上数百箇所で建設するより

早く出来る

だが問題は山積みの状態

現在半年を目処に

宇宙空間で最初の加工工場の

建設が行なわれている

だが半年後の加工工場の

稼動開始後の原材料の供給の

目処が立っていなく

更にこれだけの開発計画に

必要な資金を調達も未定で

計画を見切り発車

原材料の供給まで3ヶ月を切っていた

原材料の供給には

第1提案が

既存のロケットエアシャトルを使う案が

最有力だがフル稼働しても

10分の1しか運べない

第2の提案が

宇宙空間に浮遊するオウムアムアⅡや

隕石や廃棄された人工衛星などの

宇宙デブリを材料にする案では

それらを集める為の宇宙船が

マーズ1だけしかなく

現在修理中で使用不可能

そして何よりそれぞれをあ

材料として使うにも

宇宙空間に太陽炉を使った

工場が必要で更に加工工場の

稼動が遅れこの案も不採用に成る

第3の提案が

月の表面から資源を採取する案は

調査の結果月の表面が氷と砂で覆われ

氷と砂自体は植物の栽培に適しているが

必要な鉱物資源が地下深くに埋没し

採掘には危険と時間が掛かる事が判明

却下となる

全てのプランが却下され

議会は一時休憩とされた

食堂で賞味期限が過ぎた

各国の軍至急の野戦食を

議員達は毎日食べていた

その日により

出される野戦食が何処の国からの

物か分からず大抵の場合

複数の国が混ざっていた

自分が苦手とする食材を

議員同士が交換する

様子もしばしば見られた

《紅茶とコーヒーの交換希望》

〈こっちはコーヒーと日本茶〉

そんな具合に食堂での日々は過ぎてゆく

一国の代表と言えども

新鮮な肉や卵や野菜は

滅多に食する事は出来なかった

そんな中食堂の壊れかけた

スクリーンに日本の指向性兵器の

解体決定のニュースが流れる

直径10メートルの

世界最大のレールキャノンを

解体する決定を聞いて

食堂の清掃員が

「もったいないな

あれに資材を詰め込めば

月にだって届くのに」

本人は冗談のつもりで言った事で

各国代表の議員の手が止まった

〔だがレールキャノンの

高温で材料の金属は溶けてしまうだろう?〕

「大丈夫ですよ

専用カプセルに入れて打ち出せば」

《地球は動いているだから

何処に飛んで行くか分からんだろう?》

「宇宙空間に出た後

姿勢制御のスラスターエンジンで

方向転換出来ます」

〔万が一大気圏突破に失敗して

地上に落下したら?〕

「このカプセルには

大気圏再突入の能力があります

パラシュートと

減速エンジンで

爆発させずに

着陸させる事が出来ます」

〔そのカプセルは試作品だけか?〕

「300個ほど作られた筈で

確か今日解体される筈です」

『日本に連絡だー

直ぐに解体を止めろー

資材運搬に目処が付いたぞー』

《おいさっきの清掃員は何処だ?》

同じ清掃員の制服を着た

清掃員に問いただした

〈君の同僚の清掃員は何処に行ったのかね?〉

清掃員は

【今日は私だけですが?】

議員達はお互いの青を見合わせた

国際連邦ビルの外に出た形跡も無く

監視カメラの映像は残されていたので

長年謎とされた

清掃員に変装していた本人は

「歴史への介入ではないのか?」

≪指揮官仕方在りませんよ

やらなければ歴史が変ります≫

「しかし放送システムに介入して

食堂の画面に日本のニュースを

流したり謎の清掃員に変装したり

あの棒読みの台詞はどう見ても

ピエロだよ」

≪いまの所何処のセクションからも

警告が来ない様です

やはりこの行為は

歴史の一部として

認められた様です≫

「分かった至急回収してくれ」

≪了解1名収容リオン・カトー≫

1月後資材を満載した

直径10メートルのカプセルを

レールキャノンで発射した

1つ目は月面に着陸して失敗

2つ目は南極に着陸して再び失敗

3つ目は音速を超える

ソニック・ウェーブを響かせ

月と地球と太陽の重力が均等になる

ラグランジュポイントに到達

資材運搬の目処がついた

残るは莫大な資金調達の為に

A大使は3大財閥に面会する為にカリブ海へと向かう
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