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第三次世界大戦・弐

第三次世界大戦・弐・第30章・焦土

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巨大な核爆弾の解体処理に成功した

第442部隊は

半島南部を進軍

とある町で野営した

そこは北朝鮮と韓国軍が

戦った最大の激戦地

10万人が暮らしていた街には

瓦礫の山だけが残り

誰一人残っていなかった

第442部隊少佐は部下の兵士から

此処は自分の故郷で

母を早くに亡くし男手一人で

育てられたと聞かされた

第442部隊は更に北上する

ソウル近郊で

敵の攻撃を受けたが相手は

銃は持っているが軍服ではなく

作業着・背広姿などバラバラで

正規軍ではなく

旧北朝鮮出身の労働者達だった

捕虜にした者達の話しでは

正規軍は平壌に引き上げたと言う

韓国人の生き残りは3か所に集められていた

収容所に到着するとそこには

警備の者もすでに平壌に引き上げていた

そこには『従順的』と言われ

北の収容所送りを免れた韓国人が収容されていた

栄養失調や病気の者もいたが

比較的元気で旧韓国人兵士が多い

第442部隊の兵士達も安堵した

その中に1人の兵士の父親がいた

話し掛けるが反応がない

収容されていた殆どの者が意識が朦朧としていた

長い収容所生活が原因と思われたが

血液検査の結果大量の薬物反応が出た

首に取り付けている『首輪』も

当初逃亡防止用の鎖を

取り付ける為と思われていたが

よく見ると鎖を取り付ける金具が無い

女性兵士が首輪を付けた幼い女の子の

首輪が痛々しいと外そうとして

首輪が爆発した

周りに居た者も吹き飛ばされ

辺りは悲鳴とうめき声

一面の血の海と化した

再会した兵士の父親も負傷した

激痛の中で父親は意識を取り戻す

再会を喜ぶ父と息子

だが女の子と女性兵士の体が

バラバラに飛び散った惨状を見て

ハッと我に返り思い出し

息子に【もうじき首輪の爆弾が

一斉に爆発する逃げろ】と言う

第442部隊の兵士達に

【ワシ等はあんた達をおびき寄せる

為の餌なんだ

早く行けお前まで死んでしまう】

≪いやだ父さん俺も一緒に≫

ドカと鈍い音がして息子は倒れた

少佐が気絶した部下を担ぎ

『親父さんよこれでいいんだな?』

父親は涙を流し

【どうかせがれを宜しく頼みます】

そういい残し収容所の中に消えて行く

幾つもの爆発と轟音が鳴り響いた

それを兵士達はただ見ているしかなかった

第二次朝鮮戦争再び家族を引き裂きは焦土と化した

第442部隊は更に北上し

大朝鮮共和国の首都平壌に迫った
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