朱青半島物語（しゅせいはんとうものがたり）

第一章

蒼い瞳の皇女

185年ー
１つの半島が、四つに分裂し戦乱が始まった。
特に、『朱半島』と『青半島』は長年にわたり、戦を繰り返していた＿。


その最中、戦力が低い青半島の住民は戦乱に巻き込まれ、惨殺され、逃げ惑っていた。

一部、生き残った彼らは、戦乱が終結するのを待つように
森に住み着き、暮らすようになった。

住み続けて数年後、彼らに『ある変化』が＿。

灰色だった瞳は、青空のように蒼くなり、
そして、鋭い牙が生え始めたのだ。

一人の老人は言った。

『神様が我らに与えた、唯一の方法だ。』と

そう言った老人は、白くて美しい狼になりました。
彼らは、驚きを隠せませんでした。

それから彼らは、白くて美しい狼になった老人を
森の守護神にし､崇めるようになりました。

これが白い狼の起源と言われています。


286年＿。朱青半島、東宮。

二人の女性が、分厚い本を熱心に読んでいる。

一人は、赤い服に灰色の少しくせっ毛のある長髪、そして赤い瞳をしている。

もう一人は皇女と呼ばれ、豪華な服を着て、髪は灰色で綺麗に結っている。そして＿。


＿バタンッ。


『分かりましたか？皇女さま。白い狼は我々と同じ守護神なのですよ。
皇女さまは、その血筋があります。
その蒼く美しい瞳が何よりの特徴です。』

皇女が言う。

『では、私もいつかは白い狼になるの？朱雀。』



＿皇女は、蒼く美しい瞳をしていた。



朱雀は、続けて言う。

『はい。その可能性はかなり高いかと…。皇女さま。』

皇女は、ため息をつき朱雀に言う。

『朱雀。いい加減、その皇女さまって言うの止めてくれない？凛花でいいよ。』

朱雀は焦りながらも、落ち着いた声で言う。

『いけません！我々、四神は巫女でも在らされる皇女さまを御守りする守り神。
そんな、名前など…滅相もごさいません！』

凛花は言う。

『いいじゃない。二人っきりだよ？
堅苦しいのはやめとこうよ、ね？』

朱雀はため息をつき、呆れた顔で言う。


『分かりました。凛花様。』


凛花はにっこり笑みを浮かべる。

『それでいい。朱雀いや…朱香。』

朱雀が焦る。
『わ、私を本名で呼ばないで下さいませ！
滅相もごさいません！』

凛花は笑いながら言う。
『朱香は、堅苦しいなー。何でそんなに堅苦しいのかな？』

朱雀が言う。
『私は、皇女さま…凛花様が立派な巫女として、そして女王になるために厳しくしてるのですよ。
そのためには、もっと勉強しませんと……』


ガチャ…タッタッタ……

茶髪で長髪、髪を結っている緑色の瞳の女性と
同じく茶髪で短髪の女の子が入ってくる。

『…凛花ーっ！！遊ぼーっ！』

茶髪で短髪で黄色い瞳の女の子が凛花に抱きつく。
凛花は、笑いながら言う。

『ちょっと、琥珀っ！苦しいよ！』

琥珀は言う。

『あ、ごめんね。凛花。』

茶髪で長髪の髪を結っている緑色の瞳の女性が言う。

『ほら、白虎。凛花様もお菓子が焼けましたよ。少し休憩致しましょう。』

凛花は言う。
『いつもありがとう。一葉。』

一葉(玄武)が言う。

『滅相もごさいません。凛花様。
凛花様がお気に召す物であれば何でも。』

琥珀がお菓子を手に取り、食べながら言う。

『やっぱり玄武が作ったお菓子は、美味しいね！』


ガチャ……

銀髪で長髪のストレート、青い瞳の女性が入ってくる。

『皇女さま。女王陛下がお呼びですよ。参りましょう。』

凛花が言う。

『ありがとう。青藍。』

琥珀が立ち上がろうとする凛花を止めながら言う。

『ダメっ！凛花は僕と遊ぶの！！』

青藍が琥珀に目線を鋭くして言う。

『…何か言いましたか？白虎。』

琥珀が青ざめる。
『ひいっ…！！』

琥珀が仕方なく、凛花を放す。

『…行こうか。青藍。』

青藍が言う。

『はい。皇女さま。』


coming soon…