朱青半島物語（しゅせいはんとうものがたり）

第一章

初代四神と幼い皇女

204年＿。朱青半島。東宮。

『おぎゃー！』

赤ん坊の声が宮殿の中に響く。

『よしよし。女王陛下。元気な皇女さまですよ！陛下に似て、美しい顔つき…………。』

女官が言葉を失う。

女王が言う。

『…？どうしたのだ？』

女官が青ざめた顔で女王に言う。

『…陛下。皇女さまの瞳が…っ……。』

女王が驚いた顔で、赤ん坊を見る。

『…蒼い瞳…。何故っ……。』

『おぎゃー！おぎゃー！』

赤ん坊の声だけが響きわたる。

女官が言う。
『女王陛下。帝様が……。』

カッ…カッ…カッ…。

帝が現れる。
少し申し訳なさそうな声で言う。

『すまない。陛下。私が悪いのだ……。』

女王が声を荒らげて言う。
『……どういう事だ！説明しなさい。』

帝が重い口を開き、しゃべり始める。

『実は、私の母は昔白い狼に襲われた事があって…そして私が産まれたのだ。
でも私は、白い狼の影響はなかったのだ。』


女王は、驚いた顔をして言った。

『隔世遺伝……。』

＿当時、白い狼に襲われた女性は、同じ白い狼の遺伝を持った子が産まれると言われていた。

帝は、申し訳なさそうな顔をしている。

女王は言った。
『…たとえ、白い狼の血筋があろうと
私の娘には間違いないのだから、王位は継承します！』

女官は言う。
『しかし、陛下。皇女さまを狙う不届き者も居るのではないでしょうか…？』

女王は言う。
『…四神を呼べ。』

タタタッ…

男女四人が現れる。

銀髪で青い瞳の男性が言う。
『…陛下。我々に何かご用でございますか？』

女王が言う。
『初代四神よ。今後、我が娘を守る守護神をお前達の娘や息子達に頼もうと思うのだが。』


同じく銀髪で長髪の赤い瞳の女性が言う。
『しかし、あの子達はまだ子供でまだ能力開花には至っておりません。』

茶髪で長髪の緑色の瞳の女性が言う。
『いいじゃないですか､初代朱雀。我々の子ども達に皇女さまを託して見ましょうよ。』

同じく茶髪で短髪の黄色い瞳の男性が言う。
『初代朱雀。あの頭の固い初代玄武が言ってるんですよ？かけてみましょう。』

初代朱雀が言う。
『…しかし…。初代青龍はどう思う。』

初代青龍が言う。
『…やってみましょう。一か八かですが。』


女王が言う。
『…話が早いな。早速だが頼むぞ。』





＿こうして、女王陛下と初代四神により、
幼い皇女…凛花は、四神の娘、息子に護られる事になった。


coming soon…