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夜の出会いと秘密事!
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「あーもう! 響介のヤロウぜんっぜん出ないっ!」
もう何回目かわからなくなった呼びだし音に通話をブチッと切って、俺は苛立ちまぎれにベットへダイブする。
昨日のコトがどうしても気になったから今日も響介に通話してみたんだけど…
出ませんでしたよ、響介のヤツ!
つぎの日になったら多少は話す気になったりしないかな~って思ったんだけど、そう甘くはなかったか;
「でも…俺からの連絡、ムシするとは思わなかったなぁ~」
俺からの連絡を響介がムシするなんて、まったくっていうほどなかったからなぁ…
ちょっとショックだ。
「もぉ~、なんで響介のコトでショック受けなきゃいけないんだよ~!」
まぁ、それだけ俺に踏みこんでほしくないってコトだよね…
なんてしょんぼり考えてたら、いきなりスマホが鳴った。
チラリと画面を見てみれば、ソコには響介からのメッセが届いてて──
「…っ」
すぐ開いてみればソコには、今日は通話に出れないのひとこと。
「変に気をつかうな! 響介のバーカッ!」
こんなコトするくらいなら通話に出ろってのっ!
…ホントにイヤだったら、ムリに聞きだしたりなんかしないのに。
「普通に話したくなったらどうすんだよ、響介のバーカ…」
覚えてろよ、俺にこんなコト思わせやがって。
「でもこうなったら響介のヤツ、たとえ聞けても絶対言わないだろうなぁ……」
なんかちょっとでも力になれればなぁって思ったんだけどね、しかたないか。
「まぁ、なるようになるよね」
そういい聞かせるようにつぶやいて、俺は雅ちゃんと出かけるための用意をはじめることにした。
行く場所が場所だから大人っぽく見えるようにしなきゃなんだよね。
というわけでさっそく手を加えてく。
まずは化粧で肌をすこし黒くして眉毛も濃くする。
それからマットブラウンのウィッグを被っておでこが見えるように前髪をすこしあげる。
あとは服を大人っぽくブラウン系の落ちついた色味でまとめて、体型をごまかすためにオーバーサイズのアウターを羽織って厚底の靴をはけば完成だ。
「うん、いい出来だね♪よし…雅ちゃ~ん、準備できたから行こ~!」
用心をかさねて顔を見えにくくするためのハットとマスクと伊達メガネも持って、俺は雅ちゃんに声をかけて一緒に家を出た。
店までは電車と徒歩で、いろいろ見たりしながらゆっくり向かう。
早く行って見たいって気持ちもあるけど…
ひさびさに雅ちゃんと出かけてるんだもん、やっぱりソレ以外も一緒に楽しみたいよね♪
雅ちゃんもそう思ってくれてるみたいで、さっきからアレを見ようコレを食べようとか声をかけてくれる。
そんなふうに店にゆっくり向かいながら街をフラフラしてたら──
「あれ? あそこにいるのって…」
会長と副会長が一緒にいるのを見つけた。
会長は口元に笑みを浮かべて、副会長は笑ってはいないもののリラックスした表情で歩いてく。
休みの日も一緒にいるなんて、ふたりとも仲いいなぁ~。
たしか、幼なじみなんだっけ?
「みつー?」
そんなコトを考えながら遠くなってくふたりを見てると、雅ちゃんから呼ばれちゃった。
「あ、ごめんごめ~ん」
「もー、気づかずに置いてくとこだったぞ」
「ごめんって。ちょっと知りあい見つけちゃってさ」
まさか会長たちを出かけ先で見かけるとは思わなかったから、ついつい目で追っちゃったんだよね。
「それって学園の?」
「うん。久我会長と腹…愛栄副会長」
「それって昨日言ってたあの──」
雅ちゃんは聞きおぼえのある名前に興味を持ったのか、つぎつぎいろんなコトを聞いてくる。
ソレに答えたり面白エピソードを話したりしながら、俺たちはまたお店に向かって一緒に歩きだした。
.
もう何回目かわからなくなった呼びだし音に通話をブチッと切って、俺は苛立ちまぎれにベットへダイブする。
昨日のコトがどうしても気になったから今日も響介に通話してみたんだけど…
出ませんでしたよ、響介のヤツ!
つぎの日になったら多少は話す気になったりしないかな~って思ったんだけど、そう甘くはなかったか;
「でも…俺からの連絡、ムシするとは思わなかったなぁ~」
俺からの連絡を響介がムシするなんて、まったくっていうほどなかったからなぁ…
ちょっとショックだ。
「もぉ~、なんで響介のコトでショック受けなきゃいけないんだよ~!」
まぁ、それだけ俺に踏みこんでほしくないってコトだよね…
なんてしょんぼり考えてたら、いきなりスマホが鳴った。
チラリと画面を見てみれば、ソコには響介からのメッセが届いてて──
「…っ」
すぐ開いてみればソコには、今日は通話に出れないのひとこと。
「変に気をつかうな! 響介のバーカッ!」
こんなコトするくらいなら通話に出ろってのっ!
…ホントにイヤだったら、ムリに聞きだしたりなんかしないのに。
「普通に話したくなったらどうすんだよ、響介のバーカ…」
覚えてろよ、俺にこんなコト思わせやがって。
「でもこうなったら響介のヤツ、たとえ聞けても絶対言わないだろうなぁ……」
なんかちょっとでも力になれればなぁって思ったんだけどね、しかたないか。
「まぁ、なるようになるよね」
そういい聞かせるようにつぶやいて、俺は雅ちゃんと出かけるための用意をはじめることにした。
行く場所が場所だから大人っぽく見えるようにしなきゃなんだよね。
というわけでさっそく手を加えてく。
まずは化粧で肌をすこし黒くして眉毛も濃くする。
それからマットブラウンのウィッグを被っておでこが見えるように前髪をすこしあげる。
あとは服を大人っぽくブラウン系の落ちついた色味でまとめて、体型をごまかすためにオーバーサイズのアウターを羽織って厚底の靴をはけば完成だ。
「うん、いい出来だね♪よし…雅ちゃ~ん、準備できたから行こ~!」
用心をかさねて顔を見えにくくするためのハットとマスクと伊達メガネも持って、俺は雅ちゃんに声をかけて一緒に家を出た。
店までは電車と徒歩で、いろいろ見たりしながらゆっくり向かう。
早く行って見たいって気持ちもあるけど…
ひさびさに雅ちゃんと出かけてるんだもん、やっぱりソレ以外も一緒に楽しみたいよね♪
雅ちゃんもそう思ってくれてるみたいで、さっきからアレを見ようコレを食べようとか声をかけてくれる。
そんなふうに店にゆっくり向かいながら街をフラフラしてたら──
「あれ? あそこにいるのって…」
会長と副会長が一緒にいるのを見つけた。
会長は口元に笑みを浮かべて、副会長は笑ってはいないもののリラックスした表情で歩いてく。
休みの日も一緒にいるなんて、ふたりとも仲いいなぁ~。
たしか、幼なじみなんだっけ?
「みつー?」
そんなコトを考えながら遠くなってくふたりを見てると、雅ちゃんから呼ばれちゃった。
「あ、ごめんごめ~ん」
「もー、気づかずに置いてくとこだったぞ」
「ごめんって。ちょっと知りあい見つけちゃってさ」
まさか会長たちを出かけ先で見かけるとは思わなかったから、ついつい目で追っちゃったんだよね。
「それって学園の?」
「うん。久我会長と腹…愛栄副会長」
「それって昨日言ってたあの──」
雅ちゃんは聞きおぼえのある名前に興味を持ったのか、つぎつぎいろんなコトを聞いてくる。
ソレに答えたり面白エピソードを話したりしながら、俺たちはまたお店に向かって一緒に歩きだした。
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