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恋模様はヘキサゴン!
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◇◇◇
まだまだやりたいコトもあるのに死んでたまるか!
ってコトで…
マリモの口を押さえる丞と必死にあやまるチワワくん&ネコちゃんになだめる俺とそれをフォローする他のみんなというコンボ技で、なんとかセンセーの怒りを収めた。
クラスの結束が強くなった気がしたのは間違いじゃないと思う。
あのあともマリモが色々とやらかしてったけど、センセーのマジ怒りにくらべれば可愛いもんで、午前の授業も無事終了!
これから丞とひなたちゃん(ついでに響介)と楽しいお昼ごはんでっす。
みんなとごはん食べるのひさびさだから嬉しいなぁ~♪
「丞、ひなたちゃん、ごはん食べに行こぉ~」
「うん、行こっか」
「行こう、みつ。あ、またあとでね宮部君」
「俺も行くっての…」
うんうん、いいねこの感じ。
最近このメンバーでいるコトなかったからテンションあがるよ!
「今日はなにを食べよっかなぁ~」
ってルンルン気分で歩きだそうとしたんだけど、急に制服を引っぱられた。
「わっ」
「俺も一緒にメシ食べる!」
引っぱったのはその声の主、隣の席のマリモっす。
みんなは黙ってマリモを見る。
「──と、おっしゃってますが…」
「オレはいいよ」
「僕はみんながいいなら…」
丞とひなたちゃんはそう言って笑った。
ってコトは、俺と響介次第か…
どうしよう;
俺、気にいってない人とごはん食べるの好きじゃないんだけどなぁ。
そんなコトを思いながら響介に視線を投げる。
「……(どうする?」
「……(どうするって;」
響介と一緒にチラってマリモを見る。
いっても聞かなそうだし、騒がれんのもいいかげん疲れたんだよねぇ。
──しかたない
「じゃあ…一緒に食べる?」
「おぅ!」
「あー、でも静かに食べてね」
「えぇー! 静かに食べたら楽しくないだろー!」
「あー、そーでーすねー」
騒ぐマリモをなだめながら俺たち一行は食堂に向かった。
うぅ…
俺の楽しいお昼ご飯ー…
「──はーい、着いたよー。ここが食堂ね」
「おぉー! すっげぇなっ!」
マリモの相手でヘトヘトになりながらもそう紹介すると、ビックリしたようにマリモが叫ぶ。
騒音マリモふたたびだよ。
ホント勘弁して…
そのせいかザッって音がしそうなくらいのいきおいで俺たちに食堂中の視線が集まる。
ちょ、ソレ怖いっす;
おもわず固まってると、変な感じにザワつきはじめた。
くそぅ、こうなったのもマリモのせいだ。
今度から絶対一緒に食べない!
そう心に誓いながらはしゃいでるマリモを引っぱって空いてる席まで行く。
うるさいマリモを一番奥に閉じこめようとしたんだけど失敗して、奥から丞、マリモ、俺の席順になった。
目の前がひなたちゃんなのが唯一の救いだよ…
小さくため息を吐いて、キョロキョロ落ちつきがないマリモに注文用のタッチパネルの使いかたを教えて全員注文をすませた。
注文しおわったし、またマリモが騒ぎだすかなーと思ったけど、マリモはタッチパネルがものめずしいのかさっきから楽しそうに構ってる。
騒がしくなくていいけど、壊さないだろうな?
簡単に壊れるような物でもないしまさかとは思ったけど、俺は心配になってマリモを横目でチラッと見る。
その瞬間──
『キャー!!』
『生徒会の皆様だーっ!!』
『うぉぉおっ!!』
俺の耳を大音量の雄叫びが襲った。
クソッ、マリモに気ぃ取られてて気づかなかった!
すぐに耳を塞いだけど、朝からイジメられつづけた俺の鼓膜は撃沈。
テーブルに突っ伏して子犬のようにプルプル震えるハメになりましたよ、えぇ…
「っ…みつ、大丈夫かっ?」
「おい! どうし──「すこし黙っていようか直。みつ、耳大丈夫?」
「いっ、痛い? 保健室行くっ?」
俺のそんな様子にみんな心配して声をかけてくれる。
でもゴメン、今は返事できそうにないっす;
沈みこむこと数分、まだちょっと痛む耳を軽く押さえながら体を起こすと心配そうなみんなの顔が──
あれ?
でもなんかひなたちゃんと響介が俺と俺の後ろをチラチラ見てる。
どうしたんだろう?
すごい挙動不審なんだけど。
「えと、ごめん、もう大丈夫。…てか、ふたりとも挙動不審だけどどうしたの?」
「「……」」
聞いても答えは返ってこない。
でも、視線は俺の後ろにまっすぐ向いた。
後ろ?
なんかこの状況前にもあったな。
そう思いながら後ろを振りむく、と──
「ずいぶんと楽しそうでしたね」
「ふ、副会長…」
ソコにはご機嫌な笑顔を浮かべた腹黒副会長が。
絶対、俺が悶えてたの見て喜んでるんだろ!
くそぅ…
その笑顔にイラッとしてジットリと副会長を睨みつける。
そしたらソコに、会長が遅れてやってきた。
「楽しそうじゃないだろ、恋」
「会長!」
「帝…」
視線を後ろに流せば、遅れて双子先輩、悦、巴先輩が来るのが見える。
残念ながらわんこくんはいないみたい。
うぅ、俺の癒しが…
「耳は大丈夫だったか、揚羽?」
「あ、はい、大丈夫です。…えと、会長たち今日は食堂で食べるんですか?」
最近は忙しいから生徒会室で食べてたのに。
どうしたんだろ?
「あぁ、恋がどうしても食堂で食べたいと言ってな。もうおわりが見えてきたし、みんなで来たんだ」
「副会長が?」
副会長が急にそんなコトいうなんて、なに?
またなんか企んでるの?
「えぇ、気になる人がいまして。会いたいから食堂まで…って、直?」
「え?」
「直じゃないですか!」
嬉しそうにする副会長の視線は俺の後ろ。
そういえばマリモの名前って直だったなーって思いだした瞬間、俺はいきおいよく後ろを振りむいた。
「マリモっ?!」
まさか、副会長の気になる人ってマリモのコト…?
「そういえば直は揚羽みつと同じクラスでしたね。変なこととかされていませんか? 大丈夫ですか?」
「大丈夫だぞ! 俺たち友だちになったしなっ!…ん? お前、なんでみつのこと知ってんだ?」
「あぁ、同じ生徒会メンバーなんですよ」
「へぇー」
この態度を見るとマリモで間違いないみたいだね。
すごい楽しそうに喋ってるよ。
副会長、趣味悪いなぁ。
てかマリモ、お前と友だちになったつもりはない!
「おや? 変な顔してどうしたんですか、揚羽みつ」
おっと、知らないあいだに顔に出てたみたい。
「いや、意外な趣味だなーと思いまして」
「いい趣味でしょう? 直は名前のとおり素直で純粋でやさしいいい子ですから」
そう言って、副会長は優越感に満ちたほほ笑みを浮かべた。
どこか含みのある言いかたが心に引っかかる。
副会長、どういうつもりなんだ…?
.
まだまだやりたいコトもあるのに死んでたまるか!
ってコトで…
マリモの口を押さえる丞と必死にあやまるチワワくん&ネコちゃんになだめる俺とそれをフォローする他のみんなというコンボ技で、なんとかセンセーの怒りを収めた。
クラスの結束が強くなった気がしたのは間違いじゃないと思う。
あのあともマリモが色々とやらかしてったけど、センセーのマジ怒りにくらべれば可愛いもんで、午前の授業も無事終了!
これから丞とひなたちゃん(ついでに響介)と楽しいお昼ごはんでっす。
みんなとごはん食べるのひさびさだから嬉しいなぁ~♪
「丞、ひなたちゃん、ごはん食べに行こぉ~」
「うん、行こっか」
「行こう、みつ。あ、またあとでね宮部君」
「俺も行くっての…」
うんうん、いいねこの感じ。
最近このメンバーでいるコトなかったからテンションあがるよ!
「今日はなにを食べよっかなぁ~」
ってルンルン気分で歩きだそうとしたんだけど、急に制服を引っぱられた。
「わっ」
「俺も一緒にメシ食べる!」
引っぱったのはその声の主、隣の席のマリモっす。
みんなは黙ってマリモを見る。
「──と、おっしゃってますが…」
「オレはいいよ」
「僕はみんながいいなら…」
丞とひなたちゃんはそう言って笑った。
ってコトは、俺と響介次第か…
どうしよう;
俺、気にいってない人とごはん食べるの好きじゃないんだけどなぁ。
そんなコトを思いながら響介に視線を投げる。
「……(どうする?」
「……(どうするって;」
響介と一緒にチラってマリモを見る。
いっても聞かなそうだし、騒がれんのもいいかげん疲れたんだよねぇ。
──しかたない
「じゃあ…一緒に食べる?」
「おぅ!」
「あー、でも静かに食べてね」
「えぇー! 静かに食べたら楽しくないだろー!」
「あー、そーでーすねー」
騒ぐマリモをなだめながら俺たち一行は食堂に向かった。
うぅ…
俺の楽しいお昼ご飯ー…
「──はーい、着いたよー。ここが食堂ね」
「おぉー! すっげぇなっ!」
マリモの相手でヘトヘトになりながらもそう紹介すると、ビックリしたようにマリモが叫ぶ。
騒音マリモふたたびだよ。
ホント勘弁して…
そのせいかザッって音がしそうなくらいのいきおいで俺たちに食堂中の視線が集まる。
ちょ、ソレ怖いっす;
おもわず固まってると、変な感じにザワつきはじめた。
くそぅ、こうなったのもマリモのせいだ。
今度から絶対一緒に食べない!
そう心に誓いながらはしゃいでるマリモを引っぱって空いてる席まで行く。
うるさいマリモを一番奥に閉じこめようとしたんだけど失敗して、奥から丞、マリモ、俺の席順になった。
目の前がひなたちゃんなのが唯一の救いだよ…
小さくため息を吐いて、キョロキョロ落ちつきがないマリモに注文用のタッチパネルの使いかたを教えて全員注文をすませた。
注文しおわったし、またマリモが騒ぎだすかなーと思ったけど、マリモはタッチパネルがものめずしいのかさっきから楽しそうに構ってる。
騒がしくなくていいけど、壊さないだろうな?
簡単に壊れるような物でもないしまさかとは思ったけど、俺は心配になってマリモを横目でチラッと見る。
その瞬間──
『キャー!!』
『生徒会の皆様だーっ!!』
『うぉぉおっ!!』
俺の耳を大音量の雄叫びが襲った。
クソッ、マリモに気ぃ取られてて気づかなかった!
すぐに耳を塞いだけど、朝からイジメられつづけた俺の鼓膜は撃沈。
テーブルに突っ伏して子犬のようにプルプル震えるハメになりましたよ、えぇ…
「っ…みつ、大丈夫かっ?」
「おい! どうし──「すこし黙っていようか直。みつ、耳大丈夫?」
「いっ、痛い? 保健室行くっ?」
俺のそんな様子にみんな心配して声をかけてくれる。
でもゴメン、今は返事できそうにないっす;
沈みこむこと数分、まだちょっと痛む耳を軽く押さえながら体を起こすと心配そうなみんなの顔が──
あれ?
でもなんかひなたちゃんと響介が俺と俺の後ろをチラチラ見てる。
どうしたんだろう?
すごい挙動不審なんだけど。
「えと、ごめん、もう大丈夫。…てか、ふたりとも挙動不審だけどどうしたの?」
「「……」」
聞いても答えは返ってこない。
でも、視線は俺の後ろにまっすぐ向いた。
後ろ?
なんかこの状況前にもあったな。
そう思いながら後ろを振りむく、と──
「ずいぶんと楽しそうでしたね」
「ふ、副会長…」
ソコにはご機嫌な笑顔を浮かべた腹黒副会長が。
絶対、俺が悶えてたの見て喜んでるんだろ!
くそぅ…
その笑顔にイラッとしてジットリと副会長を睨みつける。
そしたらソコに、会長が遅れてやってきた。
「楽しそうじゃないだろ、恋」
「会長!」
「帝…」
視線を後ろに流せば、遅れて双子先輩、悦、巴先輩が来るのが見える。
残念ながらわんこくんはいないみたい。
うぅ、俺の癒しが…
「耳は大丈夫だったか、揚羽?」
「あ、はい、大丈夫です。…えと、会長たち今日は食堂で食べるんですか?」
最近は忙しいから生徒会室で食べてたのに。
どうしたんだろ?
「あぁ、恋がどうしても食堂で食べたいと言ってな。もうおわりが見えてきたし、みんなで来たんだ」
「副会長が?」
副会長が急にそんなコトいうなんて、なに?
またなんか企んでるの?
「えぇ、気になる人がいまして。会いたいから食堂まで…って、直?」
「え?」
「直じゃないですか!」
嬉しそうにする副会長の視線は俺の後ろ。
そういえばマリモの名前って直だったなーって思いだした瞬間、俺はいきおいよく後ろを振りむいた。
「マリモっ?!」
まさか、副会長の気になる人ってマリモのコト…?
「そういえば直は揚羽みつと同じクラスでしたね。変なこととかされていませんか? 大丈夫ですか?」
「大丈夫だぞ! 俺たち友だちになったしなっ!…ん? お前、なんでみつのこと知ってんだ?」
「あぁ、同じ生徒会メンバーなんですよ」
「へぇー」
この態度を見るとマリモで間違いないみたいだね。
すごい楽しそうに喋ってるよ。
副会長、趣味悪いなぁ。
てかマリモ、お前と友だちになったつもりはない!
「おや? 変な顔してどうしたんですか、揚羽みつ」
おっと、知らないあいだに顔に出てたみたい。
「いや、意外な趣味だなーと思いまして」
「いい趣味でしょう? 直は名前のとおり素直で純粋でやさしいいい子ですから」
そう言って、副会長は優越感に満ちたほほ笑みを浮かべた。
どこか含みのある言いかたが心に引っかかる。
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