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退っ引きならない事情にて!
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◇◇◇
「揚羽、そこに座れ」
「はいは~い」
会長に連れられてきた保健室。
金持ち学校にふさわしい豪華でひろいこの部屋に、またまた保健医さんはいなかった。
俺は会長に言われたとおりに座り心地のよさそうなイスへと腰かけて、会長のされるがまま手当を受ける。
「顔、これで冷やしとけ」
「はぁい」
「手首すこし擦れてるな。消毒するぞ」
「お願いしまぁす」
見えるトコの手当はすぐに終了。
残りのケガは着てるシャツの下。
「邪魔だからシャツ持っててくれるか?」
「あ、わかりました」
会長に言われたとおりシャツを捲りあげて胸元で持つ。
座ったままだとやりづらいのか、会長が俺の足元に膝をついた。
あ、この体制──
「なんかコレ、エロいコトしてるみたいですね」
「っ……変なことを言うな。大人しく手当されてろ」
会長ったらそっけない。
まぁ、会長の性格ならしかたないかもしれないけど…
このままじゃつまんないよね!
視線の下にはせっせと手当する会長が──
俺はニヤリと小さく笑って、その身体をそっと足で挟みこむ。
会長はビックリしたのか小さく身体を跳ねさせ、とまどったように俺を見あげてきた。
「揚、羽…?」
「俺とじゃ…そんな気分になりませんか…?」
見上げてきた会長をすがるように見ながらか細い声でそうつぶいて。
「こんな傷がついた身体じゃ…ダメですか?」
その手を取って胸に当てる。
それから切なそうに名前を呼べば──
「久我、会長…」
「揚羽…っ」
会長が俺を引きよせて深く口づけてきた。
「んっ、ぅ…っ」
「は…っ」
口づけが深くなってくと同時に、胸に当ててた手にそっと撫でられてなぞるように腰まで下ろされる。
その感触に、肌が粟立ってゾクゾクする。
もっと強い刺激が欲しくて体をくねらせると、会長は深く絡みあっていた口づけを解いて、頬に首筋に口づけ、アザが目立つ腹に唇を滑らせた。
肌に、会長の吐息が当たる。
俺、今度こそ会長と…
最後まででき──
「揚羽ー、怪我の具合はどうやー?」
なかったよ、コンチクショー!!
タイミングの悪さにおもわず睨みそうになったけど、声でダレかはわかったからなんとか抑える。
神、マジでタイミング悪すぎです…
ため息を吐いて会長の様子をうかがうと、突然の神登場にビックリしたのか固まっちゃってた。
「あ、お邪魔しちゃった?」
はい、ものスゴく。
なぁんていえるわけもなくて苦笑してると、固まってた会長か急に立ちあがった。
「あ、会長、大丈──」
「悪い…っ」
大丈夫? って聞こうとしたんだけど行っちゃった;
しかもまた悪いって言ったし。
もう、会長ったら…
何度いったらわかってくれるんだろ。
「えーと…揚羽?」
「なんですか、神」
かけられた声にジト目を向けちゃうけどコレくらいは許してほしい。
「あー…もしかして本当に、邪魔した…か?」
「さぁ? どうでしょうかね。会長に聞いてみてください」
俺はにっこり笑ってそう返す。
「あ、あぁ…」
コレくらいのイジワルは許されるよね、会長♪
.
「揚羽、そこに座れ」
「はいは~い」
会長に連れられてきた保健室。
金持ち学校にふさわしい豪華でひろいこの部屋に、またまた保健医さんはいなかった。
俺は会長に言われたとおりに座り心地のよさそうなイスへと腰かけて、会長のされるがまま手当を受ける。
「顔、これで冷やしとけ」
「はぁい」
「手首すこし擦れてるな。消毒するぞ」
「お願いしまぁす」
見えるトコの手当はすぐに終了。
残りのケガは着てるシャツの下。
「邪魔だからシャツ持っててくれるか?」
「あ、わかりました」
会長に言われたとおりシャツを捲りあげて胸元で持つ。
座ったままだとやりづらいのか、会長が俺の足元に膝をついた。
あ、この体制──
「なんかコレ、エロいコトしてるみたいですね」
「っ……変なことを言うな。大人しく手当されてろ」
会長ったらそっけない。
まぁ、会長の性格ならしかたないかもしれないけど…
このままじゃつまんないよね!
視線の下にはせっせと手当する会長が──
俺はニヤリと小さく笑って、その身体をそっと足で挟みこむ。
会長はビックリしたのか小さく身体を跳ねさせ、とまどったように俺を見あげてきた。
「揚、羽…?」
「俺とじゃ…そんな気分になりませんか…?」
見上げてきた会長をすがるように見ながらか細い声でそうつぶいて。
「こんな傷がついた身体じゃ…ダメですか?」
その手を取って胸に当てる。
それから切なそうに名前を呼べば──
「久我、会長…」
「揚羽…っ」
会長が俺を引きよせて深く口づけてきた。
「んっ、ぅ…っ」
「は…っ」
口づけが深くなってくと同時に、胸に当ててた手にそっと撫でられてなぞるように腰まで下ろされる。
その感触に、肌が粟立ってゾクゾクする。
もっと強い刺激が欲しくて体をくねらせると、会長は深く絡みあっていた口づけを解いて、頬に首筋に口づけ、アザが目立つ腹に唇を滑らせた。
肌に、会長の吐息が当たる。
俺、今度こそ会長と…
最後まででき──
「揚羽ー、怪我の具合はどうやー?」
なかったよ、コンチクショー!!
タイミングの悪さにおもわず睨みそうになったけど、声でダレかはわかったからなんとか抑える。
神、マジでタイミング悪すぎです…
ため息を吐いて会長の様子をうかがうと、突然の神登場にビックリしたのか固まっちゃってた。
「あ、お邪魔しちゃった?」
はい、ものスゴく。
なぁんていえるわけもなくて苦笑してると、固まってた会長か急に立ちあがった。
「あ、会長、大丈──」
「悪い…っ」
大丈夫? って聞こうとしたんだけど行っちゃった;
しかもまた悪いって言ったし。
もう、会長ったら…
何度いったらわかってくれるんだろ。
「えーと…揚羽?」
「なんですか、神」
かけられた声にジト目を向けちゃうけどコレくらいは許してほしい。
「あー…もしかして本当に、邪魔した…か?」
「さぁ? どうでしょうかね。会長に聞いてみてください」
俺はにっこり笑ってそう返す。
「あ、あぁ…」
コレくらいのイジワルは許されるよね、会長♪
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