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放課後も危険がいっぱい!
side.恋
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side.恋
いいたいことだけいって閉められた扉を睨みながら怒りに拳を握る。
「絶対、許しませんよ…揚羽みつ」
いくら子飼いの犬に連れて来させようとしたからと言っても、あれはいくらなんでもやり過ぎでしょう!
あのときの屈辱を晴らそうとやり返すつもりだったのに、まさかさらに辱めを受けるなんて…
怒りで手が震えて、シャツのボタンが上手くかけれない。
苛つきながら視線を落とし、ボタンをかけようとした所で視界に赤い跡が映った。
「…っ」
そのせいで先程の恥辱を思いだす。
押し倒され、拘束され、薬を盛られ焦らされて…
だれにも触らせたことなんてない身体の奥深くを暴かれて、感じたことのない快楽を与えられた。
効果は薄れてきたものの今だに切れないあの薬に、あられもない場所がズクンと疼く。
「くそ…っ」
私らしくもない暴言を吐き、疼きを誤魔化すように手早く服を着こんだ。
元々それほど乱れていなかった服はすぐいつもどおりに戻る。
身体もすぐ元に戻ればいいのに…
私はため息をついて気怠い体を柔らかな椅子に沈ませた。
そうすること数分、部屋の扉がふたたび開いた。
おもわず体を固くさせるけれど、そこから入ってきたのは帝で、すぐに体から力を抜いた。
帝なら安心です。
幼馴染ですし、男は恋愛対象外ですからね。
いや、でもキスしていたな。
食堂で、揚羽みつと──
「…‥はぁ」
思考が揚羽みつに行ってしまうことに内心苛立っていると、帝から声をかけられた。
「…‥なんですか‥」
して欲しい仕事でもあるんですかね?
できれば明日がいいのですけれど。
グタグタとそんなことを考えながら気だるさを押して顔を上げると──
「キスさせろ」
「は?!──んっ!」
予想外な言葉を投げられて、驚いてるあいだにキスされた。
「ちょ、っ‥!みか、ぅ…っ!」
抗おうと力を込めるけど気怠さの残る体じゃ叶わない。
押さえられて、ねじ伏せられる。
なにやってるんだ、帝はっ!!
「っ‥や、めっ…!」
これ以上耐えられない!
私は最後の力をふり絞って抵抗を──
「…違う」
しようとした所で唇を離されてこの一言。
おもわず体が固まった。
ち…違うじゃないっ!!
私は帝を引き離し、怒りを込めて思いっきり引っ叩いた。
「っ‥働きすぎで頭がおかしくなってますよ!睡眠でも取ったらいかがですか?!」
そう吐き捨てて、私は生徒会室から飛びだした。
背後で扉がけたたましい音を立てて閉まったけれど、そんなの構ってられません。
いったいなんなんですか今日は!
自然と足取りが乱暴になる。
あぁ、私らしくもない…
そう思うけれど、抑えることなんてできない。
全部、あいつが悪い!
「揚羽、みつ…っ」
借りは絶対返させてもらいます…っ!!
side.恋 end
いいたいことだけいって閉められた扉を睨みながら怒りに拳を握る。
「絶対、許しませんよ…揚羽みつ」
いくら子飼いの犬に連れて来させようとしたからと言っても、あれはいくらなんでもやり過ぎでしょう!
あのときの屈辱を晴らそうとやり返すつもりだったのに、まさかさらに辱めを受けるなんて…
怒りで手が震えて、シャツのボタンが上手くかけれない。
苛つきながら視線を落とし、ボタンをかけようとした所で視界に赤い跡が映った。
「…っ」
そのせいで先程の恥辱を思いだす。
押し倒され、拘束され、薬を盛られ焦らされて…
だれにも触らせたことなんてない身体の奥深くを暴かれて、感じたことのない快楽を与えられた。
効果は薄れてきたものの今だに切れないあの薬に、あられもない場所がズクンと疼く。
「くそ…っ」
私らしくもない暴言を吐き、疼きを誤魔化すように手早く服を着こんだ。
元々それほど乱れていなかった服はすぐいつもどおりに戻る。
身体もすぐ元に戻ればいいのに…
私はため息をついて気怠い体を柔らかな椅子に沈ませた。
そうすること数分、部屋の扉がふたたび開いた。
おもわず体を固くさせるけれど、そこから入ってきたのは帝で、すぐに体から力を抜いた。
帝なら安心です。
幼馴染ですし、男は恋愛対象外ですからね。
いや、でもキスしていたな。
食堂で、揚羽みつと──
「…‥はぁ」
思考が揚羽みつに行ってしまうことに内心苛立っていると、帝から声をかけられた。
「…‥なんですか‥」
して欲しい仕事でもあるんですかね?
できれば明日がいいのですけれど。
グタグタとそんなことを考えながら気だるさを押して顔を上げると──
「キスさせろ」
「は?!──んっ!」
予想外な言葉を投げられて、驚いてるあいだにキスされた。
「ちょ、っ‥!みか、ぅ…っ!」
抗おうと力を込めるけど気怠さの残る体じゃ叶わない。
押さえられて、ねじ伏せられる。
なにやってるんだ、帝はっ!!
「っ‥や、めっ…!」
これ以上耐えられない!
私は最後の力をふり絞って抵抗を──
「…違う」
しようとした所で唇を離されてこの一言。
おもわず体が固まった。
ち…違うじゃないっ!!
私は帝を引き離し、怒りを込めて思いっきり引っ叩いた。
「っ‥働きすぎで頭がおかしくなってますよ!睡眠でも取ったらいかがですか?!」
そう吐き捨てて、私は生徒会室から飛びだした。
背後で扉がけたたましい音を立てて閉まったけれど、そんなの構ってられません。
いったいなんなんですか今日は!
自然と足取りが乱暴になる。
あぁ、私らしくもない…
そう思うけれど、抑えることなんてできない。
全部、あいつが悪い!
「揚羽、みつ…っ」
借りは絶対返させてもらいます…っ!!
side.恋 end
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