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未来へ
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彼女が失ったものがあるとすれば、その分巧と巧の家族を新たに得たと思ってもらえればいい。パラリンピックの理念としてもこういう言葉がある。
「失われたものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ」
巧はイギリスの哲学者、ハーバード・スペンサーの逸話を思い出した。八十三歳と長生きをし生涯独身を貫いた彼に対して、友人が独身で過ごしたことを残念に思うかと質問したところ、彼はこう答えたという。
「まるっきり反対ですな。世界のどこかに私と結婚したかもしれない女性がいて、しかもその女性が私と結婚しなかったばかりに今、幸福に暮らしているのを思い浮かべるだけで私は本当にうれしいのです」
彼は重ねて、こうも言ったらしい。
「オールド・ミスやオールド・ミスターを見ると私は思う。“彼女(彼)”は気の毒だ。しかし、地球上からもう一人の不幸者を救ったことは確かだ“」
世界の偉人達の名言の中には、結婚は不幸なものだと述べている言葉は驚くほど多く、結婚は素晴らしいと説いている言葉が想像以上に少ない。
でも巧はこれらの言葉を正男さんから借りた本の中から見つけ出して読んだ時、逆に思ったのだ。一人の女性と結婚して幸せにすることがそれだけ難しいことならば、結婚して一人の女性を幸せにすることさえできれば、それだけで人生これ以上誇れるものはないのではないか。
そう思ったからこそ千夏にプロポーズしたのだ。巧は心に誓った。世の中の誰を敵に回しても彼女を、二人の幸せを必ず守ると。
タクシーが千夏の家の少し手前に止まった。巧が料金を支払ってから先に降り、彼女を誘導する。安全確認の為に周辺を見回しながら、ゆっくりと車を降りてタクシーが走り去るのを見届け、彼女の左手を巧の右肘に掴ませた。
そこから千夏の家の玄関に向かって歩きだした、そんな時だ。背後から急に音が聞こえた。咄嗟に振り向きながら、千夏を庇うように彼女の背後へ回る。すると突然湧いて出てきたかのように現れた自転車が、こちらに向かって突進し今にもぶつかりそうな距離まで接近していたのだ。
「危ない!」
彼女を避難させる間もなかったため、巧は千夏を自分の背中で守りながら自転車を受け止めようと構えた。
ドンッ、と鈍い音がして巧は跳ねられ、思いの外大きな衝撃を受けたために道路へと倒れた。その後胸と首に激痛を感じた巧は、呼吸ができずにいた。
「巧? 大丈夫? 巧? 巧! 誰か! 誰か!」
千夏の叫び声が、遠くでぼんやりと聞こえる。そのまま巧は意識を失った。
巧が目を覚ましたのは、病院のベッドの中だった。真っ先に飛び込んできたのは千夏と母の顔だった。その横には棚田夫妻と白衣を着た医者らしい姿も見える。
「良かった。千夏ちゃん、巧が目を覚ましたわよ。巧、見える? 喋られる?」
母のうるさい声が聞こえた。見えるし、聞こえる。ああ、でも喉と胸が痛い。そう巧が答えようとしたが、言葉にはならなかった。
「あああうううう」
潰れたような音が、口から洩れる。その様子を見ていた母が眉間に皺を寄せ、悲しい表情をした。
「やはり喉が潰れていますね。声帯をやられたので、しばらく声は出せないと思って下さい。どこが痛みますか? 痛いところを指さしてください」
淡々と話す医者が、ゆっくりと電動ベッドを起こしてくれた。その言葉に巧は茫然としながらも自分の胸と喉、さらに痛む足首を指差す。
起き上がったことで、自分の体全体を見回すことができた。手や足は動く。目や耳も正常のようだ。足首はテーピングで固定された上に包帯が巻かれていたが、スポーツ選手としての経験から見た目や感覚からも、骨は折れていないと判った。
だが首は固定されていて、痛む自分の胸を見ることができない。
「足首は軽い捻挫ですから全治二週間、胸も打僕で済んでいますから同程度だと思います。ただ声帯部分の損傷が激しいです。こちらはしばらく様子をみないと」
「喋られないんですか? もう治らないんですか?」
医者の説明を遮り、母が金切り声で叫ぶように問い詰める。
「お母さん、落ち着いて下さい。幸い頭は打っていないようですから、その点から後遺症が残ることはないでしょう。ただ喉の声帯に関しては、手術後のリハビリなど今後の治療の過程を経てみないと判りません。言葉が聞き取れる状態まで回復する可能性もありますが、後遺症が残ることもあります。ですから今の時点では、なんともお答えできません」
その後の医者と救急車を呼んで病院に運んでくれた棚田夫妻の説明によると、巧とぶつかった自転車は電動機付きだったらしい。
倒れた巧の胸の上を通った際、不運にも声帯を踏み潰す形でその重い車体が柔らかい喉の部分を通過し、車輪跡もくっきり残っていたという。幸い千夏は無事で、彼女の家で二人の帰りを待っていた棚田夫妻が、助けを呼ぶ声に驚いて出てきたようだ。
その際に巧が気を失っている現場の様子で状況を把握し、救急車を呼んだという。しかも驚いたことに自転車の運転をしていたのは、あの喜多川望だというのだ。
彼女も衝突の衝撃で道路に転倒したらしい。その際に体を打ちつけたため動けず、その場でうずくまっていたようだ。そして駆け付けた救急車とは別の救急車に運ばれ、今は警察の事情聴取を受けているという。
ぶつかった相手が望だと知った千夏は、自分を狙ってわざとぶつかろうとして起こった事故の可能性があると主張し、警察がその確認を行っているようだ。
突然の衝突だったので、運転者が望だとあの時は判らなかった。だが今思うとそうだったのかもしれないという程度の記憶しか、巧には無かった。
後に彼女は故意によるものではないと主張し続けたが、事故を起こした自転車が盗難されたものであったことから彼女は逮捕されたという。その上家宅捜査により、彼女のパソコンから千夏に対する誹謗中傷の書き込みが、多数あったことも明らかになったようだ。
また彼女の友人からも、巧の婚約を知って逆上していた望は、自分の持っていないものを持っている千夏のことを嫉妬していたのではないかという証言も得られたという。
結局千夏を故意に狙った犯行の疑いがかかり、巧に対する傷害罪と千夏に対する殺人未遂の疑いで再逮捕されたらしい。
徐々に状況が判ってくると段々、声が出ないという現実がいかに大変なことなのかが、巧にも理解できた。このまま喋ることができなくなれば、ブラサカの日本代表どころか、今後のキーパー生命が絶たれたと言っていい。
そのまま巧は長期入院することになった。千夏は四月末の女子代表合宿を終え、五月二日から八日までオーストリアのウィーンで行われる国際大会へ出発する前日に、棚田夫妻と共に巧の病室に寄ってくれた。
会話は、母が新しく購入してくれたタブレットを使って行った。巧が話したい時は内容を入力し、音声ガイドで読み取って相手に伝えるのだ。
しばらく四人で他愛もない会話をしていたが、途中で気を利かせてくれたのか棚田夫妻は席をはずし、病室で千夏と二人きりになった。
巧の声のリハビリは始めたばかりで、一進一退となかなか思うように進んでいない。だが手術の結果、話せるようになる望みは多少なりともあるという。
巧はその可能性にかけて取り組んでいくしかない。だが期せずして自分自身もこのまま障害者となることもあり得る状態から、巧は千夏に向けて謝罪の言葉をタブレットに入力した。その文章を音声ガイドが読み取った。
「ごめんよ。リハビリは頑張るけど、このままでは千夏と一緒に目指していた目標を叶えることができなくなるかもしれない。こんな僕なら君の支えになるどころか、足手まといになってしまう。その時は僕との婚約を破棄してもらっても構わないから」
すると彼女は真っ赤な顔をして怒った。
「馬鹿なこと、言わんといて! 絶対巧の声は出る! それに万が一声が出えへんようになっても、絶対、絶対、別れたらんからな! あんたの覚悟はそんなもんやったんか! あんたの声が出えへんようになったら、私があんたの声になったる。そしてあんたが私の目になってくれたらええんや! 夢は諦めへん。以前と同じ夢じゃなくなったかて、巧と私でまた新しい夢を、目標を持てばええんや。もしあんたが障害者になっても、私がおる! 私はブラサカと出会って、お爺ちゃん達や巧や仲間達がおったから、ここまで生きてこれたんや。諦めたらあかん! みんなの声は私の光やったんや。例え巧の声が聞けんようになっても、あんたが私の光であることは変わらへん! もう巧の存在自体が私にとって光なんやで! 頼むからそんな事言わんといて!」
号泣しながら発する千夏の言葉に、巧は心を打たれた。小心者が弱気になってしまい、千夏をひどく傷つけてしまった馬鹿な発言を悔いた。巧はタブレットに入力する手間を省き、言葉にならない音を発しながら彼女に泣いて謝り抱きついた。
そうだ。巧は誓ったはずだった。世の中の誰を敵に回したとしても彼女を、二人の幸せを必ず守ると。そう、こんな怪我には負けない。
声が出ない障害という名の敵が一生付きまとったとしても、巧は千夏と共に生き必ず幸せになって見せると、この時改めて心に誓ったのだった。(了)
「失われたものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ」
巧はイギリスの哲学者、ハーバード・スペンサーの逸話を思い出した。八十三歳と長生きをし生涯独身を貫いた彼に対して、友人が独身で過ごしたことを残念に思うかと質問したところ、彼はこう答えたという。
「まるっきり反対ですな。世界のどこかに私と結婚したかもしれない女性がいて、しかもその女性が私と結婚しなかったばかりに今、幸福に暮らしているのを思い浮かべるだけで私は本当にうれしいのです」
彼は重ねて、こうも言ったらしい。
「オールド・ミスやオールド・ミスターを見ると私は思う。“彼女(彼)”は気の毒だ。しかし、地球上からもう一人の不幸者を救ったことは確かだ“」
世界の偉人達の名言の中には、結婚は不幸なものだと述べている言葉は驚くほど多く、結婚は素晴らしいと説いている言葉が想像以上に少ない。
でも巧はこれらの言葉を正男さんから借りた本の中から見つけ出して読んだ時、逆に思ったのだ。一人の女性と結婚して幸せにすることがそれだけ難しいことならば、結婚して一人の女性を幸せにすることさえできれば、それだけで人生これ以上誇れるものはないのではないか。
そう思ったからこそ千夏にプロポーズしたのだ。巧は心に誓った。世の中の誰を敵に回しても彼女を、二人の幸せを必ず守ると。
タクシーが千夏の家の少し手前に止まった。巧が料金を支払ってから先に降り、彼女を誘導する。安全確認の為に周辺を見回しながら、ゆっくりと車を降りてタクシーが走り去るのを見届け、彼女の左手を巧の右肘に掴ませた。
そこから千夏の家の玄関に向かって歩きだした、そんな時だ。背後から急に音が聞こえた。咄嗟に振り向きながら、千夏を庇うように彼女の背後へ回る。すると突然湧いて出てきたかのように現れた自転車が、こちらに向かって突進し今にもぶつかりそうな距離まで接近していたのだ。
「危ない!」
彼女を避難させる間もなかったため、巧は千夏を自分の背中で守りながら自転車を受け止めようと構えた。
ドンッ、と鈍い音がして巧は跳ねられ、思いの外大きな衝撃を受けたために道路へと倒れた。その後胸と首に激痛を感じた巧は、呼吸ができずにいた。
「巧? 大丈夫? 巧? 巧! 誰か! 誰か!」
千夏の叫び声が、遠くでぼんやりと聞こえる。そのまま巧は意識を失った。
巧が目を覚ましたのは、病院のベッドの中だった。真っ先に飛び込んできたのは千夏と母の顔だった。その横には棚田夫妻と白衣を着た医者らしい姿も見える。
「良かった。千夏ちゃん、巧が目を覚ましたわよ。巧、見える? 喋られる?」
母のうるさい声が聞こえた。見えるし、聞こえる。ああ、でも喉と胸が痛い。そう巧が答えようとしたが、言葉にはならなかった。
「あああうううう」
潰れたような音が、口から洩れる。その様子を見ていた母が眉間に皺を寄せ、悲しい表情をした。
「やはり喉が潰れていますね。声帯をやられたので、しばらく声は出せないと思って下さい。どこが痛みますか? 痛いところを指さしてください」
淡々と話す医者が、ゆっくりと電動ベッドを起こしてくれた。その言葉に巧は茫然としながらも自分の胸と喉、さらに痛む足首を指差す。
起き上がったことで、自分の体全体を見回すことができた。手や足は動く。目や耳も正常のようだ。足首はテーピングで固定された上に包帯が巻かれていたが、スポーツ選手としての経験から見た目や感覚からも、骨は折れていないと判った。
だが首は固定されていて、痛む自分の胸を見ることができない。
「足首は軽い捻挫ですから全治二週間、胸も打僕で済んでいますから同程度だと思います。ただ声帯部分の損傷が激しいです。こちらはしばらく様子をみないと」
「喋られないんですか? もう治らないんですか?」
医者の説明を遮り、母が金切り声で叫ぶように問い詰める。
「お母さん、落ち着いて下さい。幸い頭は打っていないようですから、その点から後遺症が残ることはないでしょう。ただ喉の声帯に関しては、手術後のリハビリなど今後の治療の過程を経てみないと判りません。言葉が聞き取れる状態まで回復する可能性もありますが、後遺症が残ることもあります。ですから今の時点では、なんともお答えできません」
その後の医者と救急車を呼んで病院に運んでくれた棚田夫妻の説明によると、巧とぶつかった自転車は電動機付きだったらしい。
倒れた巧の胸の上を通った際、不運にも声帯を踏み潰す形でその重い車体が柔らかい喉の部分を通過し、車輪跡もくっきり残っていたという。幸い千夏は無事で、彼女の家で二人の帰りを待っていた棚田夫妻が、助けを呼ぶ声に驚いて出てきたようだ。
その際に巧が気を失っている現場の様子で状況を把握し、救急車を呼んだという。しかも驚いたことに自転車の運転をしていたのは、あの喜多川望だというのだ。
彼女も衝突の衝撃で道路に転倒したらしい。その際に体を打ちつけたため動けず、その場でうずくまっていたようだ。そして駆け付けた救急車とは別の救急車に運ばれ、今は警察の事情聴取を受けているという。
ぶつかった相手が望だと知った千夏は、自分を狙ってわざとぶつかろうとして起こった事故の可能性があると主張し、警察がその確認を行っているようだ。
突然の衝突だったので、運転者が望だとあの時は判らなかった。だが今思うとそうだったのかもしれないという程度の記憶しか、巧には無かった。
後に彼女は故意によるものではないと主張し続けたが、事故を起こした自転車が盗難されたものであったことから彼女は逮捕されたという。その上家宅捜査により、彼女のパソコンから千夏に対する誹謗中傷の書き込みが、多数あったことも明らかになったようだ。
また彼女の友人からも、巧の婚約を知って逆上していた望は、自分の持っていないものを持っている千夏のことを嫉妬していたのではないかという証言も得られたという。
結局千夏を故意に狙った犯行の疑いがかかり、巧に対する傷害罪と千夏に対する殺人未遂の疑いで再逮捕されたらしい。
徐々に状況が判ってくると段々、声が出ないという現実がいかに大変なことなのかが、巧にも理解できた。このまま喋ることができなくなれば、ブラサカの日本代表どころか、今後のキーパー生命が絶たれたと言っていい。
そのまま巧は長期入院することになった。千夏は四月末の女子代表合宿を終え、五月二日から八日までオーストリアのウィーンで行われる国際大会へ出発する前日に、棚田夫妻と共に巧の病室に寄ってくれた。
会話は、母が新しく購入してくれたタブレットを使って行った。巧が話したい時は内容を入力し、音声ガイドで読み取って相手に伝えるのだ。
しばらく四人で他愛もない会話をしていたが、途中で気を利かせてくれたのか棚田夫妻は席をはずし、病室で千夏と二人きりになった。
巧の声のリハビリは始めたばかりで、一進一退となかなか思うように進んでいない。だが手術の結果、話せるようになる望みは多少なりともあるという。
巧はその可能性にかけて取り組んでいくしかない。だが期せずして自分自身もこのまま障害者となることもあり得る状態から、巧は千夏に向けて謝罪の言葉をタブレットに入力した。その文章を音声ガイドが読み取った。
「ごめんよ。リハビリは頑張るけど、このままでは千夏と一緒に目指していた目標を叶えることができなくなるかもしれない。こんな僕なら君の支えになるどころか、足手まといになってしまう。その時は僕との婚約を破棄してもらっても構わないから」
すると彼女は真っ赤な顔をして怒った。
「馬鹿なこと、言わんといて! 絶対巧の声は出る! それに万が一声が出えへんようになっても、絶対、絶対、別れたらんからな! あんたの覚悟はそんなもんやったんか! あんたの声が出えへんようになったら、私があんたの声になったる。そしてあんたが私の目になってくれたらええんや! 夢は諦めへん。以前と同じ夢じゃなくなったかて、巧と私でまた新しい夢を、目標を持てばええんや。もしあんたが障害者になっても、私がおる! 私はブラサカと出会って、お爺ちゃん達や巧や仲間達がおったから、ここまで生きてこれたんや。諦めたらあかん! みんなの声は私の光やったんや。例え巧の声が聞けんようになっても、あんたが私の光であることは変わらへん! もう巧の存在自体が私にとって光なんやで! 頼むからそんな事言わんといて!」
号泣しながら発する千夏の言葉に、巧は心を打たれた。小心者が弱気になってしまい、千夏をひどく傷つけてしまった馬鹿な発言を悔いた。巧はタブレットに入力する手間を省き、言葉にならない音を発しながら彼女に泣いて謝り抱きついた。
そうだ。巧は誓ったはずだった。世の中の誰を敵に回したとしても彼女を、二人の幸せを必ず守ると。そう、こんな怪我には負けない。
声が出ない障害という名の敵が一生付きまとったとしても、巧は千夏と共に生き必ず幸せになって見せると、この時改めて心に誓ったのだった。(了)
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