パンドラは二度闇に眠る

しまおか

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駒亭へ~③

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 様々な事情を抱える家庭の子達もいれば、外部から裕福な家庭の中で育った生徒もいる学園では地区に住む多種多様な家庭を訪問し、この国の社会における問題点を学ぶという課外授業が組み込まれた。
 分断しがちな住民達を繋ぐコミュニティの一つとして、学園は大きな役割を果たしていたのだ。授業を通して学ぶことで、自らの意思によりボランティア活動をする生徒達も現れ始め、その行動を手助けする生徒会直属の組織まで作られた。
 このような様々な立場の大人や子供達がいる若竹地区は、それを手助けする人や教師なども多く必要となる。しかし同じく苦しい環境を経験して生きる人々達にとっては、一見厄介に見える子供達も他人事では無い。よって自分達のことのように親身になり接することができる為、この街ではそう言った人材が不足することは無かった。
 そんな人々が隔離された地域では労働力として必要とされ、世の中から迫害されたり、本来生きるために必要とされていないのではと考えたりする人々でも、若竹では大事な人材としてだけでなく必要不可欠な存在として認められてきた。
 人にとって他人から必要とされ、存在が認められることは大切だ。余所ではそれが認められなくてもこの街で必要とされる場所があれば、自然とそこに人が集まる。そのような街づくりを、若竹神社が中心になり苦労して作ってきた。
 そしてこの地区を国として試験的に行っている特別区域に認定させ、多額の補助金が支払われるようにし、成り立たせてきたのが若竹の歴史なのだ。
 
 食事を終え車で渡辺家へと向かっていたが、美樹は疲れていた。その為部屋に着いたらまだ残っている荷ほどきは明日にし、お風呂を沸かして今日は早めに寝てしまおうと考えていた。家には十時前には着くから十二時には寝られるだろう。 
 明日は土曜日だが陸上部の練習もあるので学校へ行かなければならないが、それほど慌てることはない。いつものように起きて準備をし、駒亭で朝食を摂ってから学園に向かえば良かった。そこで父の予定を聞いた。
「お父さん、明日はどうするの? 私は学園に行くけど朝食はどうする? お父さんも一緒に駒亭で食べる? 女将さんにお願いすれば、用意してもらえると思うけど」  
 だが運転しながら父は首を横に振った。
「起きるのは美樹と同じ時間でいいが、朝食は別で食べるよ。さっきスマホにメールが入ってね。今日渡した書類の件で、明日打ち合わせをしたいからM市役所へ来てくれってさ」
「明日って市役所は休みでしょ。それなのに井畑じゃなくM市役所で仕事?」
「休日出勤だ。書類を届けた際、打ち合わせが必要になるかもとは聞いていたから」
「そうなんだ」
 そう聞いて明日はゆっくりと話す時間が無いのかと、少し寂しい思いが頭をかすめる。と同時に負担に思っていた気持ちが和らぐ。自分の責任では無いとはいえ、出張扱いにまでして遠くから駆けつけさせた罪悪感があったからだ。
「状況によっては明日母さんに来てもらおうと思ったけど、その必要はなさそうだな」
「うん、大丈夫。来てもほとんどやることは無いし、お父さんが来てくれたからね」
 何でもないようにそう答えたが、父の口ぶりから明日も母がこちらに来るのは難しいのだと感じた。個室でスマホを弄っていたのは、仕事の件以外に母ともやり取りをしていたのだろう。田口家に気を使っているようだ。
 ただでさえ美樹の件で迷惑をかけてきた。井畑では例え小さくても、美樹の名が話題に上ること自体、避けたいのだろう。
 それでも父は気を使ったのか、話を付け加えた。
「母さんにはそう連絡しておくけど、次に駒亭へ戻る時には必ず二人で一緒に来るから。お礼も含めて挨拶はその時にしよう。日程が決まったら早めに連絡してくれ」
 慌てて首を横に振る。
「いいよ。また女将が段取りを済ませて、今日みたいに荷物を運んで終わりだろうから」
 しかし父は厳しい表情で美樹の言葉を諌めた。
「そうはいかない。今回と違って次は事前に判っていることだ。必ず連絡をくれ。今度は二人で手伝いもするし、渡辺さんや駒亭への挨拶も必要だから」
 一人で大丈夫と言いたかったが、その言葉を飲み込む。両親が来て渡辺宅を出る時や駒亭に入り直す時は、しっかり挨拶するのが礼儀だと判るからだ。駒亭の女将がそういうけじめは必要だと考える人だし、それがこの地域で住む為の必須事項でもあった。
「判った。ありがとう。ごめんね」
 そう頭を下げると、
「なんで謝る。親として、社会人として当たり前のことだ。美樹のせいじゃない」
「判っているけど、でもありがとう」
 もう一度感謝の言葉だけを繰り返し、話題を変えようと尋ねた。
「そうだ、さっき健一おじさんは時々顔を出していたけど、他の個室にも行っていたみたいだね。そうしないといけないの? 個室って今回、初めて入ったから知らないけど」
「あのお店はM市でも老舗で信用があって完全個室だろ。だからこの辺りの社長達や偉いさんの接待で使われる事が多い。そういう時は板長の健一さんが呼ばれたり、顔を出して挨拶したりしないといけないから大変らしいよ。それでも彼は板場があるから挨拶だけで済むけど、女将の奥さんはもっと忙しいみたいだ。あっちへこっちへと長いお話に付き合わされるし、贔屓にして貰えるよう店側としても接待しなきゃいけないらしい」
「だから私達がお店に行っても、おばさんはめったに見かけないのか。おじさんは今日みたいな時、他の部屋へ行った帰りに寄っていけるけど、おばさんはそんな暇もないんだね」
「しょうがないよ。俺達は親戚で身内だ。それより優先すべき厄介な人達が相手だから」
「お父さんの会社、っていうか市役所の人も来るの?」
「上の方は個室をよく使っているらしい。父さん達も出張で来た時はたまに寄るけど、まず個室じゃない。下のテーブル席か座敷席だよ。親戚として来て個室が空いている時じゃないと、なかなか今日みたいな部屋には入れない」
「前来た時は下の座敷席だったね。隣と区切られてない広間の一画みたいな」
「だから今日は特別だ。急で災難だったという労いと、丁度空いていたから案内して貰っただけだ。いつも特別扱いされたらこっちが気を使う。でも個室だと不便なところもある。携帯が通じにくいとかさ。さっき父さんも使ったけど、かなり電波状態が悪かったから何度も部屋の外に出たりしていただろ」
「そうだったの?」
「そう。各個室で隣の話声が漏れ聞こえないように防音対策がされている分、電波も通し難くなっているらしい。だから打ち合わせしながら外と連絡を取る場合の対策で、各個室に外線もかけられる固定電話が設置してある。ネットを繋げたい場合は、専用の特別室を予約しないと駄目だ、とかね」
「そうなんだ。でも私達には余り関係ないね。通じなければしょうがないし、緊急に連絡しなければいけないことなんてそうないから。今日だって携帯の電源を切っていたけど後から連絡は付いたし、問題無かったからね」
「長時間連絡がつかないと、心配になったり困ったりする場合はあるけど、食事の時間や打ち合わせの一、二時間位ならな。今は便利過ぎるんだ」
「そうだよね。でもそんな周りの人の声に気を使う程の個室を用意しているって、よっぽど偉い人とかが来るんだ。駒亭もその昔は有名な料亭だったって聞いたけど、その時代も特別なお客さんが来ていたのかな。いま下宿生に貸している部屋も、当時はお客様用の特別室だったって。料亭を辞めてから年数も経って、改築で新しくなっているし間取りとかも全く違うから昔の面影はもう無いの、って女将さんは言っていたけど」
 美樹がそう言うと、父もよく知らないようで首を傾げながら答えた。
「らしいね。でもそれはかなり昔の話だよな。だって三十数年くらい前はもうすでに下宿屋さんだったから。実際駒亭に六年制の子がいて、その父親が昔、若竹学園の学生として駒亭で下宿していた話を聞いたことがある。二代続けて世話をしているって、女将が自慢げに話していたな。美樹はその子のこと、知っているか?」
「高一の来音さんね。知っているけど、六年制だから校舎が離れていて学園で会うことはめったにない。それに別の家で間借りしているから、食事の時に見かける程度で話もしたことないし。私は初めて聞くけど、彼のお父さんも六年制の学生だったの?」
「そうみたいだ。親子揃って頭が良いって女将が嬉しそうに話していたよ。来音さんだっけ。お父さんは彼女の少し年上で、小さい時によく駒亭で遊んで貰ったらしい。ご主人の大将より年下だけど三人とも年が近かったから、幼馴染のようなものだったって。大将が確か今五十前、女将が四十五かそれくらいだったよな。その間ってことは、もう三十年以上前の話だ。駒亭が料亭を辞めて食堂と宿泊施設に分けたのが四十年以上前だっていうし。その後宿泊施設を下宿屋にしたのがその後だから、下宿屋を始めた初期の頃の学生だったのかも。その子の下の名前は知っているか?」
「うん。心と書いてシン。そういえば来音は漢字で来るに音でしょ。音読みと英語で読むとライオンハートって読める、って誰かが彼のことをからかっていたわよ」
「ああ、今その子が高一だと十六年前か。その頃より少し前に流行った曲の名前だな」
「そうだっけ。確かその子の母親が好きでつけた名前らしいけど、何年か前に両親が離婚していて、父方に引き取られたみたいね。その後母親が亡くなったとも聞いたけど」
「ほう。その父親の名前は女将から聞いているか?」
「それは知らない。何? 名前がどうしたの?」
「いや、大将とも年が近くて女将とも仲が良かった人だろ。彼女から名前までは聞いていなかったと思ってさ」
「ふうん」
「でも両親が離婚したってことは父子家庭なんだな。数年前だったらまだ再婚をしてない可能性もあるし、男手一つ働きながら子供の面倒を見るのは大変だから、駒亭へ下宿させたのかもしれないね」
「その辺は良く知らない。そこまで深く話したこと無いから」
 父が心配そうな顔をしていたが、美樹は余り深入りしたくない為そう言うしかない。それでも父の関心はまだ彼にあるようだ。
「じゃあシン君は駒亭とは別の家で間借りしているのか。どこにあるかは知っているか」
「知らない。でもたいてい間借りで紹介されるのは古くて二階の和室の一室で、トイレも大家さんと共同でお風呂は銭湯へ、みたいなケースが多いらしいって聞いたよ」
「じゃあ渡辺さんの所は特例なんだな。そういえば美樹をこっちに下宿させる時も、確かそんなことを言われたな。でも最初から学園と繋がりがある駒亭の部屋を押さえてもらっていたから他の部屋は見てないし、実際の所は判らないけど」
「事故があったおかげでいい物件に入れた、っていうのも変だけどね」
 そんな雑談をしている内に渡辺宅の前に着いた為、話はそこで打ち切られた。時間は予想通り十時ちょっと前だ。門には明かりが点いていた。一階の部屋も南側のリビングから電気の光が漏れている。
「渡辺さん、お年の割に遅くまで起きてらっしゃるようだね。もしかして起きて待ってくれているのかな。だったら帰って来たことだけでも伝えるのに挨拶していくか」
 父が先頭になって門を開き、玄関の横の呼び鈴を押した。すると予想以上に早く千夜が出てきて、鍵を開ける音がした。やはり起きて待っていたらしい。その為父が挨拶した。
「遅くにすみません。いま戻りました。今夜は上で泊まりますので、宜しくお願いします」
「お帰りなさい。ゆっくりして下さいね。お風呂のこととか、もし判らないことがあったら呼んで下さい。まだしばらくは起きていますから」
「私達の事はご心配なく。遅いですしお休みください。上でもなるべく静かにしますので」
「お気遣い有難うございます。ではお言葉に甘えて今日は休ませて頂きます。でも本当に何か困ったことがありましたら、お気になさらず呼んで下さいね」
 挨拶をし終えると美樹達は隣の扉に移動して玄関を開けた。鍵は出かける時三つ預かっている。その内の一つは父に預けておこうと思いながら、玄関を入ったすぐ左にあるスイッチを押して明かりを点けた。真っ暗闇から上へと昇る階段が現れる。
 まだ慣れない階段の手すりを支えに登りきって次のスイッチに手を伸ばす。今度は左に曲がる廊下の電気が灯る。その突き辺りが自分達の部屋だ。他にも部屋はあるけれど鍵がかかっている為、二階は美樹達だけしかいない。そして明日の夜には、ここに美樹だけが住むことになる。そう考えると不思議な気持ちになった。
 昨日までだとこの時間なら駒亭の一階にある大きなお風呂に入り、その後部屋に戻ると何となく隣や同じ階の下宿人達の気配を気にしながら過ごしていた。
だが今日から少なくとも一カ月間は、一人暮らしのような生活が始まるのだ。寂しいというより嬉しい。というかホッとしている自分を再度確認する。
 廊下を突き進んで左側のドアを開けスイッチを押すと灯りが点き、真白い壁とリビングの床が目の前に広がった。壁際には運び込まれた本棚と、その手前に丸テーブルがポツンと置いてある。
 まだ整理していない箱が部屋の左隅に追いやられ、右側の洋間には開け広げた引き戸の向こう側にベッドと机の他、箱の一部の口が開いたまま放置されていた。
「まずは少し片付けて、父さんは自分の寝るスペースを確保するよ。美樹はその間に風呂の湯でも入れてくれ」
「判った」
 父はざっと運び込まれた荷物を見渡し、予備の布団が入っている袋をリビング側の広いスペースに運び、布団を敷きはじめた。美樹は風呂場に入り渡された説明書通りに操作して、お湯張りの設定をしてから部屋に戻った。
 その間父は周辺の箱の中身を注意しながら開け、下着など触ってはいけない部類のものではないことを確認している。中身を取り出したり、内容物によっては美樹に任せた方がいいと判断したりしたものを、手早くキッチンカウンター側へと押し込んでいく。美樹はそれらを次々と整理していったが、量は少ない。
 また自分の寝室スペースに置いた荷物を整理し、明日着ていく服やこれからお風呂に入った後に着る服の準備、その他諸々に手をつける。すると十五分も経たない間に“お風呂が沸きました”という電子声が聞こえてきた。
「先に入りなさい。父さんは後でいいから」
と急かされたので、慌てて着替えを持って風呂場に走った。
「じゃあ、お先ね」
 一声かけてから電気を点け、洗面所のドアを閉めて服を脱いだ。裸になり脱いだ服と着替えは洗面の隣にある洗濯機の上に畳んで置いた。風呂場の扉を開けて中に入る。お湯は最初に設定した温度だが、手を入れて確かめると良い加減だった。
 駒亭でも使っていた自分用の風呂桶でお湯を汲み、軽く体を流してからゆっくりと白い浴槽に肩まで入った。深さはそれほどでもないが、バスタブは広く足を延ばして横になれば十分に体全体が浸る。はあっと息を吐くと、思っていた以上に体が張っていたのか、そこかしこにあった痛みが和らいでいく。
 今日は昼前からずっとバタバタだった。半日で色んな事が起こった気がする。思い返すと引っ越し荷物を作ったり開けたりと、体力も使ったのだから大変な一日だった。そう考えると余計にどっと疲れが体から放出される気がした。
 美樹の体を温かい湯が包みこみ、優しく癒してくれている。思わず寝てしまいそうになったが、この後父も使用するのでそれ程ゆっくりはできない。慌ててお湯から出て体を洗い、シャンプーとリンスで髪の汚れを取る。体をお湯で洗い流し、いつもより少し早くお風呂場を出た。
「早かったな。もっとゆっくりで良かったのに。今日は疲れただろ。母さんには明日来なくていいと連絡しておいたから。ここの事も説明したら安心していたよ。今日はもう遅いし、美樹からは明日連絡させるって言っといたからな」
 父は自分が出来る範囲の片づけは終わらせ、すでに部屋着に着替えてくつろいでいた。
「判った。明日、電話する。お父さんも疲れたでしょ。お風呂、入っていいよ」
「じゃあ、使わせてもらうか」
 すでに準備していたのであろうお泊りグッズの入ったバッグを掴んで、風呂場へと移動した。それらのグッズ自体は、役所と井畑の家との距離があるので急な出張に備え職場に常備している物らしい。定期的に入れ替えもしているようだ。
 災害時にも対応できるから、面倒だけど持っていると安心だからと以前聞いたことがあった。その準備が役に立ったのだから、備えあれば憂いなしという言葉は正しかったと言える。
 まだ濡れた頭をタオルで拭きながら、ベッドの上に腰かけた。いつもなら洗面所で髪を乾かすが、今日は父がいるので早く部屋へ戻ってきた。あの事件以降、三つ編みができるほど長かった美樹の髪は、バッサリと切ってショートボブにしている。おかげで乾かす時間が一気に短縮されたことは大きな利点だ。
 キッチンに置いた背の低い冷蔵庫の扉を開けて、入れておいたお茶のペットボトルを取り出す。ついでに食器棚に置いた自分専用のマグカップを出して注ぎ、丸テーブルの方へと移動した。
 置き鏡を机の上にセットし、腰を降ろして近くのコンセントにコードを差し込みドライヤーのスイッチを入れる。ボォワーっと音をさせながら左手で持って風を髪に当て、時々右手でマグカップを持ちお茶を飲んだ。冷たくて美味しい。ほんのり火照った体が、すっきりとし始めた。
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