真実の先に見えた笑顔

しまおか

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第一章~②

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「転勤先で気に食わない上司が、次々といなくなったみたいだね。確かこれまで異動した三つの部署で一人ずつ、合計三人が事故にあったり病死したりしたと耳にしたけど」
「私も噂で知ったけど、それって本当なの?」
 二人きりで話していた為、互いに言葉が雑になっていた。すると彼は皮肉で返してきた。
「こういう話って、嫌いじゃなかったっけ?」
 むっとした英美は、少し言葉を荒げた。
「嫌いだけど、これは普通の風評じゃないから聞いたの。もういいわ。別に興味ないから」
 そっぽを向いた為、彼は慌てて言った。
「冗談だって。そんなに怒らなくてもいいだろ。でも間違いないみたいだ。何人かから同じ話を聞いたし、中にはかなり事情に詳しい人もいたから」
 聞き捨てならない言葉に反応して尋ねた。
「事情に詳しい人って誰よ」
 少し躊躇していたが、彼は教えてくれた。
「SC課の三箇さんがさんだよ」
「途中入社で賠償ばいしょう主事しゅじの彼が、何故そんな人の話を知っているの?」
「それも色々事情があるみたい。その辺りの事は個人的な話になるからこれ以上言えないけど、気になるなら本人から聞いてくれ」
 三箇佳史よしふみは英美の一つ年上の三十三歳で、途中入社組だ。自動車事故の対応を行うサービスセンター課、略してSC課に所属しており、浦里や古瀬と共に顔を合わせれば必ず会話を交わす仲だった。
 彼の役職である賠償主事とは、人身事故を起こした契約者や運転手等に代わって、怪我をした相手被害者に対するケアや、示談交渉などの仕事を主に行う専門職の事を指す。
 SC課では怪我がなく、自動車の損害だけで済む物損事故の場合等の多くは、特に問題がない限り電話だけで示談を済ませる。しかし人身事故となるとそうはいかない。直接被害者と面談する等の対応が必要だからだ。
 特に相手が感情的になるなど、揉めるケースも少なくないので専門職が配置されている。以前はそうした交渉だと、経験を積んだ年配の男性が良いとの風潮もあった。
 だが今では若くから採用し、育成する方向に代わったと聞く。仕事の質からも、元警察官などを採用するケースが多かったらしい。その流れを汲んでか、三箇も以前は元警察官だったようだ。
 愛知県警で六年ほど勤めた後に転職したらしい。そしてこのビルの七階にある名古屋第一SC課の人身チームに配属されて、もう九年目になるはずだ。
 一見人当たりは良さげだが、空手と柔道、合気道の有段者だと耳にした。浦里達と同じ高身長で、がっしりした体形をしている。それに元警察官だけあって、観察眼が鋭い。険しい目をしていたり怒ったり睨まれたりしている姿を見れば、怖いと感じることもあった。 
 そんな彼が、着任したばかりの久我埼の事を良く知っているという。それが不思議だった。
 しかし今はそんな事など重要ではない。余り関わりたくない類の話なので今まで避けてきたが、ここまで聞くと確認しておかなければ気持ちが悪い。そこで再度尋ね直した。
「三箇さんのことはいいから、噂の話は何が本当なの?」
 すると浦里は、意外なほど詳細に説明し始めた。
「久我埼さんが最初に赴任した京都で、入社四年目の時に車を運転していた当時の支社長が事故を起こして亡くなっている。久我埼さんもその時助手席にいて大怪我をしたけど、命に別条は無かったらしい。その後、二か所目の赴任地が愛知県の一宮支社で入社九年目の時、当時の支社長が自宅で突然の心不全で病死したそうだ。二人共久我埼さんに厳しく当たっていたようで、その頃から疫病神呼ばわりされ始めたらしい。それで久我埼さんは精神的にも参ってしまい、うつ病に罹って一年半休職したそうだ」
 予想外の話の展開に、英美は顔を顰めながら言った。
「え? 事故死と病死で疫病神扱い? それって酷くない?」
 彼は素直に頷いた。
「酷いと思うよ。でも二人目の時は警察が本当に病死だったのかと疑って、会社にも立ち入り検査が入ったらしい。だから余計にそういったデマが広まったんだろう。結局は病死扱いになったようだけど、久我埼さんが復職して半年後に異動した大宮SCにいた時、また上司が急に変わったんだ。今度は久我埼さんが入社十三年目の時、ゲリラ豪雨時に増水した用水路へ誤って落ちたらしい。溺死したと聞いている。その上司とも上手くいっていなかったせいで、今度は死に神扱いされたようだ。その後また彼は心を病んで長期療養が必要となり三年半休職し、その後再び復職してこの七月に名古屋支店ビルの総務課へやって来たというわけ。だから入社十九年目だけど、未だ主任のままらしいよ」
「そうなんだ。合計五年も会社を休んでいたんだから、役職は仕方がないかもしれないけど、たまたま相性の悪い上司が亡くなっただけじゃない。それで死に神扱いってあんまりでしょ」
 元々嫌な噂話だったが、聞けば聞くほど周囲の扱いが悪質極まりない。怒りが収まらない英美に対し、彼は宥めるように言った。
「異動先の三か所で三人の直属の上司が突然変わったというのは、余りにも偶然が重なり過ぎているとは思う。だけど彼の上司になった人が全員死んだわけじゃない。京都東支社では入社三年目の時に新しく赴任してきた二人目の支社長だし、一宮支社でも亡くなった支社長は途中で変わった二人目だったらしいから。在職十九年の間で直接指導した管理職は九人、今度の総務課で十人目のようだ」
「でも九人の上司の内、三人が事故や病気で亡くなったんだ。それで死に神って呼ばれている訳ね。それにしても酷いよ。一件目と三件目も、警察が捜査していたの?」
「いや、普通に事故として処理されたらしい。二件目は病院へ行く前に家で急死してしまったから、変死扱いになって警察が動いたようだ。それに死因は何か特別なウィルスが、心臓に負担を与えたからだったみたい。だから会社でも他に感染者がいないかを調べる必要があって、大袈裟に騒がれたとも聞いているけどね」
 確かに直属の上司が亡くなったりして代わりの人が来ることなど、そう経験することではない。しかも三人となれば尚更だ。偶然が重なれば、必然と疑われるのも理解できる。
 しかし三件の内、少なくとも二件は事故として片付いているのなら、全く問題無いはずだ。単に面白がって、噂が先行したのだろう。やはりその程度の事かと、英美はため息をついた。
 仕事もまだまだ溜まっている。憂鬱だが目先の事に集中する為浦里との会話を終わらせ、総合職が代理店から回収してきた申込書等に不備がないか、チエックし始めた。
 その後証券発行までの手続きである計上けいじょうと呼ぶ処理をすることが、事務職に与えられた仕事の多くを占める。日によってまちまちだが、書類は次々とやってくる為終わりがない。
 総合職達にとっては、申込書が契約保険料の数字となり成績になる。その為必死にかき集めてくるからだ。昨年以前に締結した一年契約の更新された申込書も、当然数字に加算される。
 だが新規と呼ばれる新たに契約を結んだ申込書は、特に嬉々として持ち込まれた。それらを確実に契約として反映させなければ、社員が抱えるそれぞれの目標数字に達しない。 
 代理店が獲得してきた契約が自分達の飯のタネになる為、本来社員として喜ぶべきものだと理解はしている。しかし懸命にそれらを処理しなければならない事務職にとって、大量に持ち込まれる申込書の束が、時折憎らしく思えることもあるのだ。
 噂話に花を咲かせていた二課の面々でさえ、いつの間にか静かになっていた。目の前に突き付けられた書類の束の計上に、没頭し始めたからだろう。外出したり戻ってきたりする社員達の出入りも、ようやく落ち着き始めていた。
 浦里も横でパソコンを開き、何か作業をしている。午前中は朝一から外に出ていた彼も、午後は社内で仕事をする予定らしい。フロアにいる誰かがお土産で買ってきた、机上に配られたお菓子を無造作に口へと運びながら、黙々とキーボードを叩いている。
 朝の九時からお昼一時間を含めて八時間勤務した夕方五時を回っても、仕事が終わらないことなど当たり前だ。今日の英美がそうだった。
 早ければ、六時までには帰ることができる。しかし今日の流れだと、少なくとも七時は過ぎるだろう。これもしょうがない。今月は営業にとって忙しい時期だ。
 六~七月に保険獲得キャンペーンを張ることが多く、その最終月だから尚更だった。さらに損害保険業界では、生命保険の併売も今や当たり前になっている。そちらも上半期の中で、最も力を入れる月が七月だ。
 締切り最終週の一週間前だから、まだこの程度で済んでいる。月末の締切日となれば、八時でも帰れないと覚悟しなければならない。営業職にとって、そんな忙しい月に余計な仕事をしたくないと感じるのは、誰も同じだ。
 そんな時にジュース泥棒の犯人が誰か、などと言っている余裕は無い。それでも六時が過ぎると手が空き始めたのか、数人の事務職達が英美の元へとやって来た。
「廻間さん、紛失事件の件ですけど今いいですか?」
 心の中では良くないと思いながらも、やはり来るだろうと覚悟していた分、不自然ではない笑顔で応じることが出来た。
「いいわよ。何かあった?」
 何か分かったら私か一課の廻間主任に相談してください、と祥子が言った時点で多くの子がこちらにやってくることは予想していた。何故なら彼女は業務副長へと昇格してから、特に下の事務職に対して厳しく当たっていた為、恐れられているからだ。
 以前はそれほどでもなかったが、役職が上がった分上から色々言われているらしい。だから後輩達は怖がって、自らは近づかなくなってしまった。その事に彼女も上司も気づいていないようだ。
「今日あれから周りの人に話をして、リンゴジュースを飲んでいた人を見かけていないか、他に盗まれたりはしていないかを聞いたんです。そしたら、総務課に新しく来た総合職の男性が何か飲んでいるのを見たとか、企営課に配属された新人総合職の席のゴミ箱でジュースの空箱を見たかも、という話が出てきました」
 話している事務職は確か業務課にいる子だが、祥子とは違う班の女性だ。ただ周りにいたのは、企業営業一課の事務職も混じっている。英美は話を聞き終わった後、一応尋ねてみた。
「この中で、実際そうした現場を見かけた人はいる?」
 すると全員が首を横に振った。しかし先程とは別の事務職が説明し出した。確か企営課の女性だ。
「総務課の人の話は、不確かな伝聞です。でも新人総合職のゴミ箱で見たというのは、私が清掃のおばさんに確認したから確かだと思います」
 各フロアでは、各人の席に置かれているゴミ箱やシュレッダーされた紙ごみなどを、夕方になると回収してくれる外部の清掃業者がいた。恐らく彼女は、その人から聞いたらしい。
「分かった。ありがとう。どう対処するかは、板野さんとも相談してみる。だから皆はいつも通りにしていて。その二人の内どちらかが犯人と決まった訳じゃないから。特に企営課の人は注意してね。新人の子を変な目で見たら可哀そうでしょ。でもまた気付いたことがあったら、教えてくれる?」
「分かりました。そうします」
 やはり二回目に話をしてくれた人は、同じ課だからだろう。深く頷いてくれた。
「ちなみに聞くけど、その新人さんはそんなことをしそうな感じの人なの?」
「いえ、全くそういう風には見えません。今は仕事で判らない事が多く大変だからか、とても真面目で一生懸命にやっています」
「そう。だったら、そっとしてあげて。もし彼だったとしても注意するのは、私か板野さんからした方が良いと思う。同じ課の人に指摘されたら、恥ずかしいでしょ」
「そうですね。ではよろしくお願いします」
 彼女達も安心したようだ。近づいてきた時の緊張感がほぐれたのか、ホッとした顔をして出て行った。その姿を見送ると、隣の席で話を聞いていたらしい浦里が話しかけて来た。
「今の話だと、新人君が犯人かもしれないな。総合職は給湯室の冷蔵庫を使うことが余りないから、このフロアのルールなどを先輩から教えられていない可能性がある」
「だからといって、自分が買ってきたわけでもない物を、勝手に飲んだり食べたりしていい訳ないでしょ。それに名前も書いてあるんだから」
「それはそうだ。まあ意図してそんなことをしたのか、悪気が無かったのかは知らない。だけど大学を出たばかりの新人君なら、やりかねないだろ。久我埼さんがどういう人か俺も良く知らないけど、四十を超えた総合職だから、さすがにそんな事はしないと思うよ」
「私もそう思う。変な噂話が先行しちゃっているからか、容疑者の一人みたいに言われているけど、それはないでしょう。余程変わった人なら別だけど。浦里さんは、久我埼さんと話したことある?」
「見かけただけで、話したことはまだ無い。少し暗い感じがするけど、そう変わった人だとは思わなかったよ。十九年目でまだ主任だというのも、病気で長期離脱していたからだろうし」
 二人とも手を止めることなくそんな話をしていると、突然祥子が現れてつかつかと近づいてきた。そしていきなり切り出した。
「今日の昼間の話、何か聞いている?」
 相手が仕事中で、忙しい最中だと気付かないはずは無い。彼女だってこの一課で仕事をしていた時期があったのだ。しかし四年前に業務課へ異動し、昨年主任から副長へと昇格した。
 このフロアでは、英美達とは別の時間が流れている部署がある。それが業務課と総務課だ。業務課の仕事内容は多岐に渡り、いくつかの班に分かれていた。
 例えば名古屋支店を含む中部地区管内における全体のキャンペーンを周知させたり、研修を開くなどの運営を行ったりする班もあれば、事務職達を指導する班もある。
 他にもいくつかあるが、祥子は事務職を指導する班の責任者の一人だった。つまり今は数字や書類の計上等に追われる仕事から外れている。中部管内にいる事務職が日々行う業務が、円滑に進むよう心を砕く役目だ。
 その為今回のような問題が自分の席があるフロアで起こったからこそ、放っておけないと彼女は張り切っているのだろう。だが英美には迷惑だった。
 彼女の仕事が楽だとは言わない。時には計上業務などで不明な点があれば問い合わせを受けることもあり、忙しいこともあるだろう。
 けれど事務職が余裕のある時でないと、彼女達は指導する時間を取ることや、日々の悩みなどを聞いてあげることもできない。つまり繁忙期が完全に違うのだ。
 決して悪い人で無いと知っている。彼女とは一年だけだが一課で共に仕事をした関係だ。その時は数多くの事を教えて貰ったし、頼りになる先輩だと思っていた。
 しかし当時から噂話が好きで、しかも話に加わるだけでなく、中心となって仕切りたがる傾向があった。そこが全く英美とは、相いれない点だった。
 異動して四年も経てば忘れてしまうのか、こちらの都合などお構いなしの態度に、心の中で思わず舌打ちする。だが感情は表に出さず、手元を動かしながら顔だけを横に向けて言った。
「少し前に、企業営業課の人達が何人か来ました。新人総合職のゴミ箱で、ジュースの空箱を清掃のおばさんが見たらしいという話をしていきました。他にもジュースを飲んでいたらしい男性がいたとも聞きましたが、そっちは少し疑わしいと思います」
「そう。こっちでもフロアにいる事務職を中心に被害の状況を聞いたり、こういうことがあるからと注意を喚起して回ったりしたの。そうやって情報収集もしていたんだけど、今月の異動で総務課にきた人が怪しいって話を耳にしたわ」
 久我埼の事を言っているのだと分かりカチンときた英美だったが、穏やかに聞き返した。
「飲んだり食べたりしている現場を、見た人がいたんですか?」
「そうじゃないけど、久我埼って人は色々訳ありの人らしいから」
 やはりその話かと飽き飽きしながらも、適当にそうですかと相槌を打った。その態度が、期待するものでは無かったからだろう。彼女の声が尖った。
「それでどうする? 主任さんとはいえ、十九年目の総合職に対して私達から注意するのは、難しいわよね。総務課の課長に相談してみるしかないかな」
 彼女の頭の中には、英美が話した新人総合職のことなど眼中にないらしい。既に久我埼犯人説が出来上がっているようだ。その為反論した。
「でもしっかりとした証拠がありませんよね。それだけで課長に話すのは、無理だと思います」
「やっぱりそう思う? でも証拠って言っても、監視カメラを置くことはできないし、難しいでしょ。本人に直接言って、聞くしかないと思うんだけど」
「カメラはまずいですね。そこまでやるとプライバシーの侵害だとか、余計な騒ぎに発展しかねません。それにお金を盗まれたとかって話じゃないので、管理職の人達に言ったって相手にしてもらえないと思いますけど」
 横から浦里が助け舟を出してくれた。彼女もそう思ったのか、眉間に皺をよせながら頷いて言った。
「そうなのよ。この話をした時も、無関心な人が多かった。総合職のほとんどは冷蔵庫を使わないからでしょうね。それどころか目くじらを立てる程の事でもないとか騒ぎ過ぎだとか、犯人探しをするのは不謹慎だと文句を言う人達もいたわ。全く他人事だと思ってさ」
 どうやら一部の総合職から、既に叱られたらしい。そこで英美は言ってみた。
「だったらもう少し、様子を見ませんか。板野さん達が色々フロアで話を広めていただいたおかげで、今後冷蔵庫を使用する業務職も気をつけるでしょう。それに今回の騒ぎを聞いた人が、つい間違って飲んでしまったと気付けば、問題も収まるかもしれませんよ」
「そうね。しばらくはそのままにしておこうか。それでもまた盗まれた人が現れたら、その時もう一度話し合って決めましょう」
 自分に言い聞かせるように結論付けた彼女は、さっさと部屋を出て行った。全く始末の悪い事が起こったものだ。こんなものは本業でも何でもない。
 業務の合間、適当に済ませよう。それにあの様子を見て、企営の新人総合職に声をかける役は、英美自身がするしかないと諦めた。しかし話はそれこそ、次に起こった後でいいだろうと思っていた。
 その考え方が甘かったと気付かされるのは、次の日だった。恐らくフロア中で、昨日の件が広まっていたのだろう。それだけでなく、祥子と英美が中心となって犯人探しをしているという、間違った噂まで立ち始めていたのだ。
 その為別件で席を離れ他の課による度に、とうとう犯人を見つけたのか、注意しに来たのかと揶揄やゆされ始めた。さらにはそんな馬鹿なことは止めろと、良く知らない総合職にまで注意されたのだ。
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