豪華客船から脱出せよ!

しまおか

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三郷達の対応~②ー1

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 廊下を覗くと、先程看護師が説明していたポータブル前室と呼ばれる、空気感染隔離室が扉の周辺に取り付けられていた。
 部屋の空気が漏れないよう、また外気が中へ入ってこないようにする為だ。こうしておけば万一真理亜達が感染していた場合でも、部屋から出なければウイルス拡散を防げる。
 二年前に起こった事件の教訓から学んだ事は、船内で感染が確認された場合、早期に拡大を防ぐ為の隔離を施す事だ。その次が二次、三次感染対策を万全に取った状態で、乗員乗客を検査する事だった。
 感染者を出来るだけ早く発見し対処すれば、次は感染者を順次病院へと運び込めばいい。その間非感染者は、部屋等を含め消毒を行った環境で最低十日間安静して発症しなければ、問題なく開放される。
 あの時と違うのは、この船の衛生管理設備がかなり整っている点だ。部屋や安全な環境に避難していれば、新たにウイルスと接触することは無い。また一日で、船内全員分のPCR検査ができる機器を搭載している事も大きな強みだ。
 また現在は陸地が近い所にいる。その為感染者の割り出しをすれば、着岸して直ぐに病院へ搬送することも可能だ。そうして順次外へ送り出せれば、あの悪夢のような長期に渡る隔離も必要ない。
 さらには船内で待機している間に、乗員乗客同士で感染を拡大させてしまうリスクもまず無いと言って良かった。空気の循環はせず、常に新鮮な外気を取り入れて排出させる体制が取られている為だ。さらに殺菌や、部屋やブロック毎の隔離体制も万全だった。
 遅くともフル稼働すれば、今日の夜中までに全員の検査は終えるだろう。どれだけ陽性反応が出るかによるが、城之内の発症からそれほど経っていないことを考慮すると、それほど多くはないはずだ。
 まず十四階に準じるハイクオリティーの部屋は、元々二重扉で簡単に外気が入らない仕組みになっている。またそんな場所にいる超富裕層は、高齢者が圧倒的に多い。
 よって感染予防については周囲で接する乗務員達も含め、日頃から特に気を付けているだろう。つまりそこから拡散する確率は少ないと思われる。
 そうなると問題は、真理亜達が感染していた場合だ。六階の部屋にいる人達は上層階にいる方と比べれば、招待客の中でもややレベルが落ちる。だからか比較的年齢層も若く、感染予防についても油断している人達が少なくなかった。
 当然船内の感染予防対策は上層階とそう変わらないが、部屋の扉は二重になっていない。だから看護師達が真理亜達の部屋に入る際、個別に隔離設備を設置していたのだろう。
 それに真理亜は特に気を付けていたが、若い直輝などはそこまで気を遣えるほど器用では無かった。そういった人種による行動が、どこで誰に影響を及ぼしているかは目に見えない為、全く判らない。
 直樹は自分の部屋へと戻され、別々に検査を受ける事となった。その間に一人が部屋の中のあちこちを周っていた。後で聞いた所、様々な場所において菌の採取をしながら消毒をしていたという。これも過去の教訓で得たデータを基にしての行動だったらしい。
 二人から採取した検体を、一人が慎重にジュラルミン製の箱の中へ入れて外へ先に出た。後の二人はそれぞれの行動確認と濃厚接触者がいないかどうかの質問を聞き取り、ボイスレコーダーで録音しながらタッチパネルを操作し、チエックを入れていた。
 どうやら城之内や八神から得た情報と見比べ、重なる部分やそうでない点の洗い出しをしていたらしい。だからか時々彼ら二人についての質問もされた。当然直輝についての行動等も、覚えている限り教えて欲しいと言われた。
 おそらく彼も隣室で、同じ質問をされているのだろう。本人がうっかり失念していても、同行者なら覚えている事があるからだ。そうすることで、濃厚接触者や清掃が必要な個所を絞り込む為、少しでも漏れがないよう確認していたに違いない。
 真理亜が感染した際は、遡ってもせいぜい二日前の行動や接触した人が誰かを調べる程度だった。しかし今回における質問は、四日前の最後の寄港地まで遡及そきゅうされた。
 真理亜は城之内と共に、マニラで下船した後の行動と接触した人数はざっくりと伝えた。何故なら守秘義務もある為、固有名詞までは顧客である城之内と先方の許可を得なければ、口にできないからだ。
 そう告げると城之内も同様の事を言ったという。その為、現在彼自らが個別に連絡を取って事情を説明し、名を告げて良いか確認している途中らしい。よって真理亜はその後、船内に戻ってからどこに寄ったか誰と話をしたのかについて、重点的に確認を受けた。
 乗船してからは、城之内と収集した情報の整理等をバーで確認していた。八神や直輝とは、仕事の話を終えてから後にそこで合流している。
 ちなみに仕事絡みで現地関係者と会う時、その二人は真理亜達と別行動だ。合間に時間が出来た時は、その後の待ち合わせ場所や時間を決めた後、城之内が八神を呼び出して二人でどこかへ消えることはよくあった。マニラでも一時間程、そうした事があったはずだ。
 直輝とは、寄港地で一緒に行動したことはほぼ無い。彼は独自でネタになるものを探そうと一人で観光したり、時には船で用意されているツアーに参加したりしていた。
 真理亜は、彼を今回の旅の同伴者に選ぶことになった経緯を思い出す。
 二十八歳の独身の彼は、兄の息子で二年前に小説家としてデビューしたばかりだ。高校時代から小説を書いていたらしく、早稲田の文学部を卒業してそれなりの一般企業に勤めていたが、小説は投稿し続けていたという。
 そうした努力が実ったのか、新人賞を獲ってプロの作家になれた。デビュー作を出版した後、二作目も書き上げそこそこの販売数だったと聞く。だがその後親だけでなく、編集者などの反対をも押し切り、会社を退職して専業作家になったそうだ。
 けれどいざ三作目を書き始めた途端、題材に悩み足掻あがき続ける日々を送ったという。そんな彼が一カ月前、二十年間没交渉だった叔母の真理亜に、突然連絡を入れて来たのだ。
 真理亜は何かあった時の為にと、連絡先だけは兄に伝えていたからだろう。勝手に会社を辞め、小説家などという先の見えない不安定な職に就くことを、彼は父親から相当反対されていたらしい。
 そんな相手からどうしてもとお願いし、真理亜の電話番号を聞きだしたのだから、相当切羽詰まっていたに違いない。
 直輝は名乗った後、挨拶もそこそこに電話の向こうで泣きそうな声でいきなり言った。
「どうしても真理亜叔母さんについて、取材したいと思っています。お願いします」
 彼と最後に会ったのは、結婚して三十歳で妊活をし始めた際、相談も兼ねて兄夫妻を尋ねた時だろう。当時一歳の妹も生まれていたから、彼が三歳だったはずだ。その後、色々とあって両親と距離を置くことを決心した際、面倒を看ていた兄夫妻とも疎遠になった。
 つまり真理亜の顔や声など、彼は全く覚えているはずもない。兄を通じてごく限られた情報程度しか持ち合わせていなかった。
 後で聞き出した所、一流と呼ばれる大学を卒業し、保険会社に就職して結婚したが子供を産むことなく離婚したこと。けれど後に心を病んで会社を辞めたが、今は再就職し高収入を得て成功している。しかし五十を過ぎてまだ独り身、としか知らなかった。
 彼はネタに困って苦しんでいた時、波乱万丈な人生を送ってきた人が身内にいる事を思い出したのだろう。同じく面識のない人達の元を訪ねて取材するのなら、せめて身内の方がなんとかなる、と安易に考えたのかもしれない。
 しかし真理亜の現在の仕事内容を聞いた彼は、俄然と興味を持ったようだ。確かに顧客を富裕層に特化し、資産の保全管理や運用する職種は限られる。しかも波があるとはいえ、平均して年に二~三千万円の成果報酬を得ていると聞けば、興味を持つのも理解できた。
 だが多くの場合、扱っているのが個人や会社のお金に関する為守秘義務が生じるので、取材を受けても話せることはかなり限られてしまう。
 けれど彼の場合はそれでも良かった。世に出すのはあくまで小説というフィクションだ。詳細部分については伏せればいいし、想像で描くこともできる。真理亜の仕事に関する話等は、あくまで物語を紡ぐ為のきっかけに過ぎない。
 とはいっても真理亜だって仕事が忙しい。彼の為に、お金にならないことで時間を割く義理もなかった。それに甥が小説家になっていた事など、連絡を貰い初めて知った位だ。けれどタイミングが余りにも良かった。今回の旅行の件が無ければ、即断っていただろう。
 何故なら真理亜には同伴者として声を掛けられる人など、皆無と言って良かったからだ。
 元々幼い頃から、同性の同級生等とは一定の距離を置くタイプだった。だからといって酷い苛めに遭っていた訳ではない。そうならないよう神経を使っていたからこそ、グループの中にいながらも、心の内では冷めていたのかもしれない。
 だから会社に就職した後、小学校から大学時代までに知り合った学友達とは、ほぼ連絡を取っていなかった。その為結婚をした際に招待したのは、親族の他に会社の同僚や上司ばかりだった。
 その後離婚をし、心身の不調から退職して今の会社に再就職した後は、それまでの人間関係を完全に清算している。それは友人だけでなく、両親や兄夫婦を含めた親族全てだった。そうして十分な資産は持ちながら、独り身で五十三歳になる今まで生きて来たのだ。
 よって城之内によるクルーズ船への同行依頼と休暇の申請が、会社から了承された後に最も困ったのは、他の仕事との調整よりも同伴者探しだった。
 まず男女問わず同僚はそれぞれの仕事が忙しい為、完全に無理だ。それ以前に、真理亜は同じ会社の人間から煙たがれる存在だった。
 成果連動性だからこそ、成績が良ければ給料も良い。しかも仕事はほぼ個人で行う為、途中入社でしかも特殊な外見を持つおばさんなど、嫉妬の対象でしかなかったのだろう。
 真理亜が成果を挙げた分、本社からは担当エリアにおける評価が高まる為に、恩恵を得ている上司や同僚、後輩達もいる。だから敬意を表してくれる人は、少なからずいた。だがそういった人と親しくなるかといえば、話は別だ。
 しかも大口顧客からの依頼とはいえ、有休を絡め十七日間も海外へ長期出張するなど前代未聞だった。PA社では、基本金融的に機関と同じく土日祝日休みの週休二日制に加えて、年末年始は十二月三十一日から翌年の一月三日までの休みがある。
 その他に夏季休暇で五日、特別休暇として三日与えられていた。もちろん忌引き休暇や育休制度等も認められている。それとは別の基本的な有給休暇は、年十日まで取得可能だ。
 もし年内に取得できなければ、最高五日までは翌年まで繰越を認められている。会社としても働き方改革の一環で、有給消化率一〇〇%を推奨していた。 
 だが現実には、なかなか消化できるものではない。真理亜達の給与は成果連動型の為、顧客の依頼が最優先だ。よって表向きは土日祝日休みでも、先方の都合によりそうした日や平日でも、夜間にしか打ち合わせできないケースは少なくなかった。
 顧客の多くはシニア層の為、時間的に融通の利く割合は比較的高い。しかしまだ現役で、会社勤めまたは経営者なら、それも止むを得ないことだ。
 その為休みを返上し、時間外勤務の仕事をする事など当然だった。もちろん労働基準監督署の目もある為、その分代休を取得したりきっちり残業手当ての申請をしたりもする。 
 だがその他に休暇を取るとなれば、体調を崩すなど余程の理由がない限り、なかなか難しいのが現実だった。強制的に取得しないと管理職が罰せられる夏季休暇や特別産休暇を消化する事さえ、ままならないくらいだ。
 といってそうした事情は、顧客が知る由もなく関係など無い。相手はあくまで成果を求めている。逆に言うと、結果を出せばいくらサボっていてもいいのだ。城之内は前任者との付き合いが長い。恐らくその辺りの事情は把握した上で、真理亜に提案してきた。
「十七日の内の六日は、普通に休みだろう土日を当てられる。スケジュール表では、各寄港地では誰かしらと会って仕事をするから、そこで四日。残りは七日だが、飛行機を使っても移動時間は取られる。そこを加味すれば四か国分で四日は仕事だ。つまりせいぜい有給三日分を当てれば、ちゃんとしたワーケーションになる。絶対に消化しなければならない、夏季休暇や特別休暇を充てるまでもないだろう。会社が文句を言うようなら、私から直接説明してやっても良いぞ」
「いえ、城之内様の依頼なので、私からちゃんと事情を説明しておきます」
 そうして許可されたが、やはり同僚のやっかみは避けられなかった。
 そんな状況の中、真理亜が探していた同伴者の条件に、彼は十分当て嵌まった。二十五歳離れた若い甥なら襲われる心配はないし、隣の部屋にいて困る存在でもない。そこで大人になった彼に一度会って話をしようと持ち掛け、会社の近くへ呼び出したのだ。
 その時が甥との初めてと言っていい面会となった。外見は年齢の割に童顔で整っており、男性にしてはやや可愛い顔立ちをしていて、少し真理亜と傾向が似ている印象を持った。 
 こういうタイプは年上の女性からの受けは良いが、その分同世代または年下の異性からは舐められやすい。また同性から可愛がられる場合もあるが、妬まれることも多いはずだ。そう思って尋ねた所、本人は思い当たる点が多かったようで、激しく頷いていた。
 しかし聞いた所、中学まではサッカー部に所属していたから、身体能力はそれなりに自信があるという。泳ぎも得意らしい。といって喧嘩出来る程の根性は無いと言っていた。
 用心棒役としては心許こころもとないところだが、その他の条件にはぴったりだ。この際贅沢は言っていられない。身内だがぎこちない調子で会話を交わしている間に、様々な葛藤を抱えていた真理亜だったが、最終的に決断を下し彼にクルーズ船への同行を打診した。
「豪華なクルーズ船で、十七日間の旅ですか?」
 突拍子もない申し出に驚いていたが、二つ返事で引き受けてくれた。よく考えれば、小説の題材探しで苦労していた彼にとって、願ってもない機会だったからだろう。
 長い期間、真理亜の仕事を間近で観察できるだけではない。通常では接するチャンスなどまず訪れない世界中の富裕層達が、非日常な空間でくつろぐ姿を近くで眺められるのだ。
 しかも海外は、大学の卒業旅行で友人達とギリシャを訪れた一回きりだという。観光とギリシャ文学史を学ぶ為だったらしい。だが言葉も碌に話せず文字もほとんど読めないだけでなく、お金もない貧乏旅行だったからだろう。ほとんど記憶に残って居ないそうだ。
 そんな彼がアジア四か国とはいえ、超がつく豪華クルーズ船での旅行をするチャンスなど、そう簡単に巡って来るとは考えにくい。それにお金の心配もないと聞けば、飛びつくのは当然の成り行きだった。
 今回の旅行日程や目的、同行においての注意事項等を説明し了承を得た後、豪華客船での旅で必要なそれなりの値段がするフォーマルスーツを、真理亜は数着プレゼントした。レストランや立ち入る場所によって、ドレスコードがあるからだ。
 そうして今に至る。当初は互いに遠慮もあり、他人行儀でかなり年上の真理亜からでさえ、ですます調が抜けなかった。だが十七日間もの期間過ごした今では、かなり砕けた調子で話しかけられるようになった。
 さすがに彼は敬語を使っていたが、一ヶ月前に会ったばかりとは思えない慣れた調子で言葉を交わしている。甥と叔母の関係性が、そうさせたのかもしれない。ただ他にも理由はあった。真理亜と同じく、彼も両親との関係が上手くいっていなかったからだろう。
 自分にとって過分な期待を寄せられることに反発し、また応えられない己を腹立たしく思っている。そうした共通点があると旅の途中に交わした会話で知ってから、互いの態度が変わったのは間違いない。
 似た悩みを持ち、それでも素直になれず和解できずに二十年経ってしまった話を聞き、彼は真理亜に共感を持ち、存在が近く感じられたのだろう。また自分の将来を見ているようで、悔やんでいる姿に何か思う点もあったはずだ。
 しかし最も懸念していたウィルスの感染もないまま、あと三時間余りで無事日本に帰ることができると胸を撫で下ろしていたタイミングで、この騒ぎだ。彼との出会いに感謝していたけれど、今では巻き込んでしまったことを激しく後悔していた。
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