のろし

けろけろ

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ススキの原

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あんなにぼうっと煙って
ひとつひとつたくさんの星の形の籾をつけた
ススキの原は銀河だ

そして その脇を黒く縫う釈迦堂川は
天の川
架かった橋から見下ろすと
透明に畳まれた
幾つもの時空層の
眠った歴史が
巨きく映写された

「ケンタウル、霜降らせ」
灯篭流しにぼうぼうと光る川は天の川

ああ 幼いカムパネルラが
もっと もっと幼いザネリのために
川に入っていく
何度でも 何度でも
透明な時空層に絶えなく
その歴史は繰り返され
それを知って歩いていく僕は
ジョバンニに他ならない

だから僕はきちんと背筋を伸ばして
胸を張り 顔を上げて歩かなければならない
誰だって カムパネルラを知っているものは
それぞれのジョバンニなのだから
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