8 / 25
光の列車
しおりを挟む
(河川敷にぼうぼうと茂る林に
光の列車)
きょうの空は直ぐ三メートルの高さに
雲が垂れ
三キロメートル先で降りて
世界が閉じられている
そんな世界の終わりからやって来る車は
日の出のように煌々光を滲ませ
何か尊いもののように昇ってくる
光が棒になり
縦 横と振るわれ
やがて小山の麓を通って
去っていく
「BatteryLow」とイヤーホンが言い
僕はレッド・ホット・チリ・ペッパーズの音楽を止めた
不如帰の編隊が五羽
静かに滑って
鴨などがぐわぐわぐわとけたたましく
笑った
枕木踏んで 列車は走る
ある筈のない方角から
幻聴のような音を響かせて
車も こんなに離れると
みんな風のような音だ
まだ 列車の微かな振動は鳴り止まず
絶え絶えにコトコト閉じた世界を
幻聴で満たす
(樹々に映った光の列車
音もなく
その梢の形に顕在し
気づいた頃に去っていく)
光の列車)
きょうの空は直ぐ三メートルの高さに
雲が垂れ
三キロメートル先で降りて
世界が閉じられている
そんな世界の終わりからやって来る車は
日の出のように煌々光を滲ませ
何か尊いもののように昇ってくる
光が棒になり
縦 横と振るわれ
やがて小山の麓を通って
去っていく
「BatteryLow」とイヤーホンが言い
僕はレッド・ホット・チリ・ペッパーズの音楽を止めた
不如帰の編隊が五羽
静かに滑って
鴨などがぐわぐわぐわとけたたましく
笑った
枕木踏んで 列車は走る
ある筈のない方角から
幻聴のような音を響かせて
車も こんなに離れると
みんな風のような音だ
まだ 列車の微かな振動は鳴り止まず
絶え絶えにコトコト閉じた世界を
幻聴で満たす
(樹々に映った光の列車
音もなく
その梢の形に顕在し
気づいた頃に去っていく)
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
台本保管所
赤羽根比呂
大衆娯楽
noteのマガジン『台本保管所』をこちらに引っ越し中です。
【明るめ・優しい感じ】【暗め・責める感じ】【朗読・呟く感じ】【恋文】【掛け合い・演じ分け】の大まかに五つのジャンルで構成してますので、好きな台本を読んでください。
※著作権は【赤羽根比呂】にありますがフリー台本なので、YouTubeやstand.fmなど音声投稿サイトなどでの公開は自由です!使用の際は、ご一報下されば聴きに行きます。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
妹とゆるゆる二人で同棲生活しています 〜解け落ちた氷のその行方〜
若椿 柳阿(わかつばき りゅうあ)
現代文学
「さて、ここで解け落ちた氷の話をしよう。氷から解け落ちた雫の話をしようじゃないか」
解け落ちた氷は、社会からあぶれ外れてしまう姿によく似ている。もともと同一の存在であったはずなのに、一度解けてしまえばつららのように垂れさがっている氷にはなることはできない。
「解け落ちた氷」と言える彼らは、何かを探し求めながら高校生活を謳歌する。吃音症を患った女の子、どこか雰囲気が異なってしまった幼馴染、そして密かに禁忌の愛を紡ぐ主人公とその妹。
そんな人たちとの関わりの中で、主人公が「本当」を探していくお話です。
※この物語は近親愛を題材にした恋愛・現代ドラマの作品です。
5月からしばらく毎日4話以上の更新が入ります。よろしくお願いします。
関連作品:『彩る季節を選べたら』:https://www.alphapolis.co.jp/novel/114384109/903870270
「解け落ちた氷のその行方」の別世界線のお話。完結済み。見ておくと、よりこの作品を楽しめるかもしれません。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
わたしは花瓶。呪文のように言い聞かせる。
からした火南
現代文学
◇主体性の剥奪への渇望こそがマゾヒストの本質だとかね……そういう話だよ。
「サキのタトゥー、好き……」
「可愛いでしょ。お気に入りなんだ」
たわれるように舞う二匹のジャコウアゲハ。一目で魅了されてしまった。蝶の羽を描いている繊細なグラデーションに、いつも目を奪われる。
「ワタシもタトゥー入れたいな。サキと同じヤツ」
「やめときな。痛いよ」
そう言った後で、サキは何かに思い至って吹き出した。
「あんた、タトゥーより痛そうなの、いっぱい入れてんじゃん」
この気づかいのなさが好きだ。思わずつられて笑ってしまう。
昭和少年の貧乏ゆすり
末文治
現代文学
迫り来る「2025問題」ーー超高齢化社会。いろいろと複雑な事情が絡んでくるようです。
ここまで生きてきた・・・・・・こんな感慨に耽るとき、決まって遠い昔のこと、子供のころの情景が頭に浮かんできます。
戦後の昭和時代を「少年」として歩んできた事実。あれから何十年も過ぎているのに、その時々のシーンを昨日のことのように思い出せる不思議。
これは一風変わった少年記です。
団塊世代あたりの人たちに、その懐かしさを共鳴・共感してもらいたい。
令和をいく若い人には貧しさ豊かさの、今の時代との違いを嗅ぎ取ってもらえれば、の思いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる