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level three
にじゅう
しおりを挟む「肉食べたい」
普段、牡蠣食いたいばっかり言う春日井さんから意外な言葉が出た。
「牛タン食べたい。笑」
肉という単語に釣られ、私も適当な事を口走った。
お互い牛タン欲に抗えなくて、焼肉屋へ
移動中に手を繋ぐことはもう躊躇いがない。
恋人同士でもないのに、恋人繋ぎ。
二軒目の、馴染みの居酒屋でボックス席に座ると事態は急変した。
向かい合わせで座ると春日井さんは驚いた声を出した。
「そっちに座るの意外だった。俺の隣に座るのかと思って、座るスペース作ったのに」
彼はいつも、自分のして欲しい事をぼかして呟く。
いつもの、冗談ぽい笑顔で
酔っ払ってるから甘えてるのかな?って思ったけど、かく言う私もほろ酔い上機嫌。
じゃあ、隣に座ると言って横並びで座った。
よく、うちの店にくるカップルたちもオープンなボックス席で横並びに座り、見せつける様にイチャイチャしてるのを見ていて抵抗を感じていた。
いざ、自分がってなるとすんなりできるもんだった。
お酒のせいだ。。。笑
仲良しの店長さんが、テキーラとショットグラス片手に席に乗り込んでくる
喉が焼けるような感覚に嫌気を感じながらタバコに手を伸ばす。
「もうさ、俺たち付き合わね?」
また、あの冗談ぽい笑顔を浮かべたまま春日井さんが提案を持ちかけてきた。
今まで、そんな素振りなかったのに、突然の事態急変でにわかに信じられない。
なみなみに注がれたテキーラを5杯以上飲んでる人の口から意外な言葉
「何?急に。。。」
酔った勢いなのか、酔っ払いの戯言なのか疑いの目で聞いた。
「なんか、蓮見。いいかもしれないなっておもっちゃった。」
「いいよ。」
聞けると思ってなかった言葉が聞けたから何も考えず答えた。
「いいの?笑」
「いいよ。訂正するなら今のうちだよ?」
私も冗談ぽく返す。
お酒の席の楽しい冗談なの?
嘘ならここで嘘って言って。
それなら、まだ傷つかないから。
「しないよ。」
訂正もしないし、後悔もしない。
今度は真面目な顔で言ってくれた。
そのまま、彼の顔が近づいてきて、唇を繋げた。
久しぶりに下がヌレル感覚を味わった。
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