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第五章 内乱のエルフ国
その二十一 全裸の魔王・無双する!
しおりを挟むさ~て、このデカいだけの能無しドラゴンをどうしてくれようかしら?
すると、コイツ相当気が短いのか水晶ドラゴンの奴ったら目から光線を発射してきたわ!
はい、そ~んな光線なんか回避したり防御するまでもないわ。
そして光線は私に命中!
「ヒカル!」
「フェミー……心配は無用だよ」
はっはっはっ!
何よ、それって何かの照明なのかしら?
それが攻撃だというなら片腹痛いわよ。
「ばっ……バカな!」
「もしkしてそれで終わり?なら今度は私から行くわよ」
そして私は軽く指パッチン!
ショック
すると水晶ドラゴンは凄い速度でぶっ飛ばされて部屋の壁面へ豪快に激突!
これを見たフェミーはただ呆れるのみ。
「ヒカル……魔法が使えるようになったら級に強くなったようだけど?」
フェミーの疑問にアンナがそれに答える。
「これ……僕の推測なんだけど。ヒカルって裸の時が一番強いんじゃないかな」
「えっ?」
「現に今のヒカルのエネルギー放出量は半端じゃないよ。正直服を着ている時よりも何かが違う感じがする」
それからアンナの推測は続くわ。
これをフェミーとミルクとファブリーズが聞いている。
「例えば……僕がこの世界に呼び出された時にヒカルが大激怒して全裸で巨大化して大暴れしたらしいけど」
「えっ?それは私も初耳よ」
「太助ちゃん曰く、その全裸で巨大化したヒカルは無茶苦茶強くて誰も手が付けられなかったそうだよ」
「うわぁ」
「もっともあの時は巨大化に不慣れだったせいで途中で退却したけど……もしヒカルが巨大化に慣れていたら人間国は完全に更地になってたかも」
アンナの推測にフェミー達はただ唖然茫然。
しかもアンナの推測は続く。
「それからミルク国王様。この前のドワーフ国での戦いなんだけど」
「あぁ、あの件ね」
「今にして思うとミルク様も運がよかったと思います。確かあの時、超移動大要塞相手にヒカルが巨大化して戦いましたね」
「はっはっはっ、あれはヒカルも大要塞相手には苦戦してたわね」
「それはヒカルが巨大化に対応した戦闘服を着ていたからですよ。もし……あの時のヒカルが全裸だったら間違いなく」
「えっ?まさか我がドワーフ国が誇る超移動大要塞がぶっ壊されていた可能性があった訳?そんなバカな」
「失礼ながら……案外バリヤーすらものともせずに外部から壊していた可能性があるかと」
「うげ~っ!」
はは……アンナとしては全裸の私ならやり兼ねないという推測ね。
そこへフェミーがアンナに尋ねる。
「まぁ……流石に今はファミーが停止させてるけど、この伝説の巨神による魔法完全無効化には流石にヒカルも歯が立たないでしょう」
「…………」
「現にヒカルも闘気変換戦闘服を使ってたし……流石に魔法そのものが使えなかったら身体能力が高いだけの普通の魔族よね」
「…………」
「アンナ、何を黙ってるの?」
「…………正直あのヒカルだったら魔法無効化なんか意味がないだろうね。全裸の時なら」
「ええっ!」
「とにかく……ウチの魔王様、特に素っ裸の時には一切の常識が通じないと訳」
一連のアンナからの推測にこの場にいた皆はただ唖然茫然するのみ!
つまり、アンナ曰く全裸の私は国士無双といえる完全無敵という訳ね!
さて……そんな中で私はどうしてるかというと?
「ばっ……化物かお前は!」
「そうね……私は魔王国の魔王様。天下無双の無敵娘よ」
それから数分程、水晶ドラゴンと遊んでいたけど……ホントにコイツ弱いわね。
水晶ドラゴンは全身私の攻撃で傷だらけに対して私の方は傷一つないわ。
ふふふ!
悔しかったらこの可愛くて美しいこの裸の私にかすり傷ぐらいつけてみなさいな。
もっとも最近太助と沢山エッチして揉んでくれるせいか少し胸が大きくなったかしら💛
「そろそろ貴方と遊ぶのも飽きてきたわね」
「ふざけるな、幼女の姿を借りた化物め!」
あら、まだやる気>
いい加減降参して巨神の機能を停止して欲しいんだけど。
「化物だなんて失礼ね。これでももうすぐ十二歳よ」
「危険だ!あの存在は非常に危険だ。こうなれば我が全力をもって……」
「もういい!消えてくれる?」
もう、この水晶ドラゴンもどきの相手は飽きたわ。
そうだ、さっさと跡形もなく消してしまおう。
私は右の掌を部屋の天井に上げた。
すると……水晶ドラゴンの真上に漆黒の塊が出現した。
その漆黒の塊は……触れた存在を消し去る力がある。
「ちょっとヒカル!それってヒカルが使える最強の魔法!」
「あ~あ、これであの水晶の塊も終わりだな」
「しかも今の魔王様は全裸ですから……これで終わりみたいみたいですわね」
「――――総員一時退避!」
「あれって……ヒカルが超移動大要塞に使ったアレ?」
流石にこの魔法をアンナ達はご存じみたいで一目散に部屋の端へ緊急退避!
まぁ、その方が助かるわ。
その間に漆黒の塊は水晶ドラゴンへ急降下!
そして……その漆黒の塊である私の最強魔法ギガ・イレースが水晶ドラゴンに触れた。
「!?うわあああああああああああああっ」
「もう許してと言っても許してあげないわよ。何も言わずにさっさと私の視線から消えて無くなりなさい!」
はい、もう問答無用でございます。
漆黒の塊が降りる度に水晶ドラゴンの翼が……頭が……胴体が跡形もなく消滅していく。
まるで鉛筆で書かれた文字が消しゴムで消されていくように。
最後には水晶ドラゴンの存在そのものが無くなっていた。
そして私は生意気な水晶ドラゴンが完全消滅したのを確認した後で指パッチン。
すると難でも容赦無く消滅させる漆黒の塊は煙のように消えていった。
同時に部屋中にアナウンスが響き渡る。
動力炉の全機能停止を確認……動力炉の全機能停止を確認……。
ふん!
どうやら伝説の巨神の全機能が停止したみたいね。
本当にざまぁみやがれね。
「やったわねヒカル!」
「はっはっはっ!魔法さえ使えたらこんなデカ物怖くはないわ」
アンナとファブリーズとクロが私に駈け寄ってくる。
勝利!
やっぱり私には還付なき勝利が似合うわ。
そんな中でミルクとフェミーが何やらヒソヒソ話してるみたいだけど。
「見た処……ヒカルは自分が裸になると国士無双級の最強になる事知らないみたいだけど。ミルク国王はどう思う?」
「これ、絶対に本人には教えない方がいい!これを知ったら何らかの形で魔億国と戦争にでもなったら絶対にあの裸の魔王には勝ち目がないわ」
「同感!それに裸の魔王に負けたとしたらエルフ国末代までの恥だわ」
「願わくばアンナがこの事を魔王に教えない事を祈るのみね……あぁ、これで迂闊に魔王国へ戦争仕掛ける訳にはいかなくなったわね」
全く、あの二人ったら何を話してるのかしら。
さ~て、巨神の動きは封じた訳で……残るはこの巨神の操縦室にいるルシフェル王にお仕置きしてやるだけね。
そこへ私のリンクミラーから着信音が!
私は先程破り捨てた強化服にある無限バックの中から私のリンクミラーを取り出す。
(ヒカルちゃん!聞こえる)
「あっ、太助~っ💛どうしたの」
(先程こちらで魔法が使えるようになったから試しにリンクミラーで連絡してみたけど……通じてよかった)
そうか。
ファミーが巨神の魔法無効化を解除したから魔力で動作するリンクミラーが使えるようになったんだ。
それは正直助かるわ。
私と太助はお互いに現状を報告したわ。
(そうか。現在巨神の全機能が停止してるんだね。なら……今から正規軍から少数精鋭で巨神内部へ突入するよ。勿論僕もヒカルちゃんと合流するよ)
「気を付けて、巨神の機能は停止したけど巨神内部には守護してる機械がうろうろしてるわよ」
(大丈夫だよ。合流したらルシフェル王を一緒にぶっ飛ばそうよ)
「うん!残るは親玉だけだしね。そうだ!通り抜けリングをここに設置すれば直接合流できるわ」
とりあえず私は心臓部の壁面に例の通り抜けリングを設置して、そこから太助達を迎え入れる事にした。
そうしないと厄介な巨神の守護者もといスケルトンもどきが途中襲ってくる恐れがあるからだ。
後は太助と正規軍達と合流し次第、最後の決戦よ。
だけど……私がリンクミラーからの通信を着る寸前であった。
太助から私へあるツッコミが。
(ヒカルちゃん、せめて僕達が来るまでに何か服を着なよ)
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