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第五章 内乱のエルフ国
その十八 伝説の巨神をぶっ倒せ!
しおりを挟むさて、私達が伝説の巨神とやらのデカ物をどうぶっ潰すか思案していた頃。
巨神の奴、私達が退却したのをいい事に首都の建物という建物をぶっ壊しているわ!
くそったれ!好き勝手しやがって。
しかし……どうしてルシフェル王って自分の国の首都をぶっ壊してるのかしら?
魔王国やドワーフ国へ攻め込んで都市を破壊するならまだ理解できるけど。
もっとも私達が事の真相を知るのは少し後の事になるけどね。
そして……時刻はもう午前二時!
約五十名の我が魔王国の魔法航空部隊が飛来!
もっとも今回は巨神周辺では一切の魔法が使えないから総員ロイド特製の試作戦闘服で魔力を闘気に変換して飛んでる訳ですが。
更に地上にはルルが指揮する数十名の正規軍地上部隊が巨神を攻撃目標として進軍開始!
勿論こちらも例の試作戦闘服を身に着けての進撃だ。
そして、空と地上で巨神を完全包囲した我が魔王軍の正規軍精鋭達!
巨神包囲を確認した司令官ルルは全軍に号令を出す!
「総員攻撃開始!絶対にこの場から逃がすな!!」
ルルの号令と共に空と地上から無数の気弾が放たれる!
よし!
奴には魔法は使えないけど闘気を用いた戦いなら十分に可能みたいね。
だけど……悔しいかな、あの巨神あれだけの気弾攻撃に対してビクともしないわ。
しかも巨神はその巨大な腕で飛んでいる魔法航空部隊を叩き落そうとしてきたわ!
流石に動きは鈍いみたいだから全員回避に成功したみたいだけど……やはり決定打が与えられないのが難点ね。
「無理はするな!我々の目的はあくまで足止めと陽動だ。総員自分の身を守る事を最優先んで作戦を実行せよ」
頑張ってルル。
とにかくデカ物の視点をそちらに向けていて。
さて、作戦開始から約十分経過。
「では……そろそろ私達も行きましょうか」
私、魔王ヒカル・グレーズが率いる突入部隊は既に巨神の近くにある廃墟に隠れていたわ。
じゃあ……手筈通りアンナお願い!
アンナ・ホーク
アンナは甲冑の力で鋼の大鷲へ変身!
私達はsのアンナ・ホークに乗り込んで……いざ巨神の懐へ!
だけど、その時はアンナも私達も気付いてはいなかった。
アンナ・ホークに著しく細い糸がついていて……それに捕まっ営る一人の少女がいた事に。
「よし、上手く巨神の腹部へ張り付けた」
なんとかアンナ・ホークは魔王国正規軍による攻撃が行われている中で巨神の腹部へ接近できた。
そこで私はロイドから貰ったリングを巨神の腹部へ張り付けた。
すると……見事リングは効力を発揮して私達は巨神内部へ入る事が可能に!
では私達は次々とリングを通じて巨神内部へ侵入!
私、ファフリーズ、クロ、ミルクと巨神内部へ入り込み……最後はアンナがアンナ・ホークのままリング内へ突入!
「よし、これで全員ね」
私は張り付けていたリングを取ろうとした。
だが、その時!
「えええええええええいっ」
「えっ!何なの?」
なんとリングを通じて巨神内部へ侵入してきたのがもう一人!
そして……その思わぬ侵入者を私達はご存じであったわ。
「フェミー!どうしたのよ」
「ヒカル……やっぱり私も来ちゃった」
なんと私達の後を追ってフェミーも巨神内部へ入ってきたわ。
しかも私と同じ魔力を闘気に変換して戦える戦闘服を身に着けて。
「ちょっと!フェミーは留守番だった筈よ。なのにどうして」
「ヒカル……御免、やっぱりエルフ国が起こした不始末はエルフ国の王女である私が収拾すべきなのよ」
「けどねぇ」
「私もこれさえ着ていれば魔法が使えなくても十分に戦えるわ。それに私には……」
するとフェミーの影からファミーが姿を現した。
「我等は二人でひとつ。魔王殿、我が主の事は心配無用でございます」
成程、ご立派な護衛付きですか。
はぁ~っ、これは負けたわ。
「こうなったら仕方がないわ。くれぐれも自分の身は自分で守ってね」
「ありがとうヒカル」
「恩に切ります魔王殿」
これで突入部隊にフェミーとファミーが加わった訳だけど。
果たして……これが吉と出るか凶と出るか。
個人的にはフェミーには肉親同士で争わせたくないから最初突入メンバーに入れなかったんだけどね。
それから私達はリングを取り外して一路巨神の心臓部へ。
「…………」
「アンナどうしたの?」
「なんか、この通路って私と太助ちゃんがいた世界の雰囲気に似てるんだよね」
「まさか……これって太助のいた世界の産物じゃないの?」
「いや、私がいた世界ではこんな巨大ロボットみたいなのなかったし」
そこへミルクがある推測を。
「これは私の推測だけど、この巨神は最初は機械文明の産物だったのでは?そして長い年月でエルフ国の樹木に浸食されてたんじゃないの」
「要は巨大ロボットが昔のエルフによって巨木に封印されていたのが正確かしら」
だからエルフ国のお城はあんなに巨大な樹木で構成されていた訳か。
となると巨神そのものを作ったのは何者かしら?
かなり遠い過去の話っぽいから今となっては謎ね。
「!?どうやら、お客様みたいよ」
そこへ通路の向こう側から何やらスケルトンの親戚みたいな機械仕掛けの民様。
そして誰がどう見ても私達を歓迎するムードじゃないまいたい。
「こりゃ巨神内部に侵入した奴……即ち私達を排除しに来たみたいね」
「さしずめ守護者ってやつね」
「――――ならば返り討ちあるのみ!」
はい毎度おなじみのバトル・タイムでございます!
あのスケルトンの親戚どもは目から光線を出して来たわ。
「そんなもの!」
「フェミー、前に出たら危ない」
フェミーは私達の前に立ち……バリヤーを展開!
敵守護者は撃ってきた交戦を防いでしまったわ。
「成程、魔法を唱えると同じ要領で色々と出来るみたいね。これならいけるわ」
「はは……驚かさないでよ。なら、今度は私が!」
さて次は私が戦闘服を用いた実戦テストよ!
私は掌をあのスケルトンの親戚連中へ向けて……火の玉を放つ要領で発射!
すると私の掌から大きな気弾がそれは凄まじい速度で放たれて……はい、私達を邪魔する連中は跡形もなく消え去ったわ。
「はっはっはっ!これは素晴らしい破壊力」
「「「うわぁ……流石は魔王様」」」
うむ!
この闘気変換戦闘服の性能は中々ね。
それでは邪魔者は消え失せたので先進……と言いたいけど、そうはいかないみたい。
「げげっ、続々とスケルトンもどきが出てきたわよヒカル」
「こりゃ……完全に私達の居場所がバレたみたい」
「なら……ヒカル、進撃やめますか?」
「バカ言ってるんじゃないわアンナ!こうなったら強行突破あるのみよ」
「ヒカルならそう言うと思った」
「魔王様、お供します!」
「――――目指すは巨神心臓部!」
「少しは私にも暴れさせてよね」
「絶対に母の暴走を止めて見せる!」
はい、私達の意見は完全に一致!
さぁ、そこをどきなさいスケルトンもどきども。
最強の魔王様ご一行のお通りだっ。
アンナの剣がスケルトンもどきを次々と真っ二つにして。
ファフリーズの鉄拳がスケルトンもどきの体を次々と粉砕し。
クロの手裏剣がスケルトンもどきの目や関節を貫き行動不能にし。
ミルクの大斧がスケルトンもどきを次々と一刀両断にして。
フェミーとファミーのシミターがスケルトンもどきの首を次々と切り落とし。
そして私が気弾でスケルトンもどきを消滅させていく。
それから十分ぐらい戦ったかしら。
私達はいかにも立派そうな扉を発見したわ。
間違いない。
この扉の向こうが心臓部だ。
「皆、準備はいい?」
「「「「おぅ!」」」」
それでは……こ~んな扉、私の気弾でぶっ飛ばしてやるわ!
うりゃぁぁぁぁぁっ!
扉は見事に粉々に壊され……いざ心臓部へ!
さ~て、果たして鬼が出るか蛇が出るが?
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