64 / 90
第四章 魔王国の日常 パート01
その十一 魔王様の夏休み 01
しおりを挟むこの魔王国にも季節というものがある。
夏は暑いし冬は寒い。
そして四季が巡り年月は過ぎていく。
「太助~っ、最近暑いね」
「確かに暑いね。この世界にも季節はあるんだね」
「うん、今は暑いし冬になれば寒いし雪も降るわよ」
「ある意味安心したよ。今は夏なんだね」
そう、魔王国は現在夏真っ盛り!
気温は実に高く暑い暑い。
「太助、仕事もひと段落したし今からかき氷でも食べる?」
「えっ?かき氷がこの世界にあるの?」
「まぁ、魔法で氷の塊作ってから粉末状にしてシロップをかけるだけだから私でも作れるけど」
「じゃあ作ってくれる?」
「は~い💛」
それから数分後。
私が作ったかき氷を太助と一緒に食べる事に。
「うん!このキーンという感覚がいいのよね」
「美味しいねヒカルちゃん。夏はやっぱりこれだね」
本当はアイスクリームも作りたいけど、あれってどうしても牛乳が必要だからね。
現在ようやく牛と豚の家畜産業が起動に乗ったばかりで城下町で牛乳が出回るようになったけど……まだ高価だからね。
それについては太助もアンナも残念そうだったな。
そこへ執務室へパンジーが入ってきたわ。
「魔王様、そろそろ今年の夏休みの予定をお決めになられたらどうでしょう」
「あぁ、もう今年も夏休みの時期ね。もっとも昨年は男達が行方不明になっていたから夏休み返上で仕事してたっけ」
「ですが今年は男達も戻ってきましたし宰相様を始め人材も充実してきました。今年は夏休みをとっても問題ないでしょう」
そうか。
魔王就任直後は死んだクローム将軍のせいで夏休み処じゃなかったけど今年は男が戻った上に太助を始め有能な人材も充実してきたしね。
肝心の国力や軍事力も充実してきたし今年は数日何処かでのんびりするのもいいわよね。
「そうね、太助とアンナは当然一緒に休むとして……他に誰か連れて行こうと思うけど誰がいい太助?」
「まずミクシィさんは国に残さないといけないしロイドさんの家族は僕達とは別の日取で休むと聞いてるし」
「そうだ!ファブリーズとクロはどうかしら?」
「確かにあの二人なら問題ないね」
「よし、後で二人も誘ってみましょう。後は何処で過ごそうかしら」
「なら港町ウエストはどうかな。あそこなら海があるから泳げるし海の幸が美味しいからいい避暑地にうってつけだよ」
よし!
事実上魔王になって初めての夏休みは港町ウエストで過ごす事に決定!
行くメンバーは私と太助にアンナ、それにファブリーズとクロの四人で行く事に。
これは楽しいバカンスになりそうね。
「となると……まずは夏休みまでに色々と仕事を片付けないとね」
「太助……こうゆう時に仕事の話はやめて欲しかったわね」
それから私は自分のリンクミラーでファブリーズとクロに連絡。
二人共二つ返事で同行してくれるとの事。
後は夏休み開始までに急ぎの仕事を片付けておかないとね。
そして、その夜。
今夜も私達三人は寝室で裸で楽しい交尾を楽しんでいたわ。
そこで太助は私にある質問をしてきたわ。
「ヒカルちゃん、この世界に水着ってあるの?」
「水着?」
「そう!水着。水の中を及ぶ為に切る服装だよ」
水着?
太助……貴方、何を言っているの?
海で泳ぐといえば……全裸で泳ぐのが当然じゃないの!
それを聞いた瞬間、太助とアンナは唖然茫然に。
「ないない!いくらエロ好きの私でも往来で全裸なんてありえないわ!」
「本当にこの世界に水着って無いの?」
これには太助もアンナも抗議!
だけど魔王国にそうゆうのは……待てよ?確かドワーフ国にそのようなものがあったような。
なら善は急げだ。
早速私はリンクミラーでドワーフ国のミルク国王へご連絡!
(何よ、折角愛しのライト君と楽しい添い寝を楽しんでたのに)
「夜遅くに済まないわね。確かドワーフ国に水着があるそうじゃないの」
(えっ?水着だって)
私は今度の夏休みに港町ウエストへ行く事を伝え太助とアンナが水着が無いと海に行くのは嫌だと話した。
(海に行く時は水着着るのは当たり前でしょう!何?魔王国では全裸が当たり前?)
「どうも異世界から来た太助とアンナは受け入れられないのよ。なんならサイズ教えるから水着手配してくれない?」
(ほほう、ならば私とライト君もそっちに行くわ!)
「えっ!そっちの国は大丈夫なの?」
(マリが頼りになるから数日なら大丈夫よ。それに一度ライト君と一緒に遊びに行きたいと思ってたし💛)
「じゃあ、水着の事はお願いね」
やれやれ。
どうやら今度の休みはミルク国王とライト伯爵も同行する羽目になったわね。
これは結構賑やかな奴休みになりそうね。
「という訳でミルク国王とライト伯爵が夏休みに同行する事になったわ」
「はは……これは面倒な事になったね」
「となると休み中でも下手な料理やおもてなしはできそうにないな」
「という訳でアンナ!悪いけど休み中は料理の監修をお願いするわ。何しろ友好国の国王と婿さんだからね」
それにしてもあのドワーフ国の新婚夫婦(正確には婚約者同士)も来ることになるとは。
これは飛んだ奴休みになりそう。
さて、こうして私達の夏休みが始まった!
果たしてこのまますんなり休めるといいけど。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。
ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった
16歳の少年【カン】
しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ
これで魔導まで極めているのだが
王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ
渋々それに付き合っていた…
だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう
この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである
※タイトルは思い付かなかったので適当です
※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました
以降はあとがきに変更になります
※現在執筆に集中させて頂くべく
必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします
※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
捨てられた転生幼女は無自重無双する
紅 蓮也
ファンタジー
スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。
アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。
ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。
アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。
去ろうとしている人物は父と母だった。
ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。
朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。
クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。
しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。
アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。
王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。
アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。
※諸事情によりしばらく連載休止致します。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる