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第四章 魔王国の日常 パート01
その十 ファブリーズの集団お見合い 05
しおりを挟む「うんうん!流石はアンナね。相変わらずこのラーメンは格別だわ」
「そうだね、この麺がいいねぇヒカルちゃん」
私は太助と一緒にアンナが作ったとんこつラーメンを食べていた。
いやぁ、やっぱり料理についてはアンナには勝ち目がないわ。
ん?
あそこにファブリーズがいるみたいだけど。
どうしたのかしら。
「あら?どうしたのファブリーズ」
「ううぅ、私……今日はお見合いパーティーは来た筈ですね。なのに何故殿方から声をかけられないなんて」
「まぁ、確かにあのスイーツ勝負であのような事したからね」
「魔王様、私ってそんなに怖いですか?そんなに殿方に縁のない女なのでしょうか」
あちゃ~っ。
確かにスイーツ勝負で見せたふるまいを見せた限り、そこらの男はビビるわね。
まぁ……ファブリーズ、ドンマイって感じね。
そこへミルク国王が私達の元へ。
「ファブリーズ!何を言ってるのよ。貴方の御蔭で私はようやく運命の人と巡り合えたのよ💛」
「はは……それはおめでとうございます」
「それはそうと愛しのライト君は何処かしら?」
「さぁ?私達はみませんでしたが」
それからミルク国王は愛しのライト君を探しに行っちゃった。
そしてファブリーズも「暫く一人にさせてください」と私と太助の元から去っていく。
「はぁ……私は生涯独り身という星の下に生まれてきたのかしら?」
それから暫くファブリーズは賑やかな夜の会場を一人で徘徊していたわ。
それにしてもファブリーズ、寂しい背中ね。
そんな中、ファブリーズは会場の片隅でローブ宰相とライト君の姿を見かけたわ。
そしてファブリーズはその二人の会話を偶然聞いてしまったの。
「ライト伯爵、君に警告する。あの国王と結婚するのはやめたほうがいい」
「えっ?それはどうゆう事ですか宰相様」
えっ?ローブ宰相がミルクとライト君との結婚に反対?
それは一体どうゆう事かしら。
ファブリーズは暫く遠くから話を聞いてみる事に。
「ライト伯爵、あれは女のドワーフではない!獰猛なゴリラだ。君は猛獣の類と結婚するつもりか?」
「えっ?失礼なgら……ミルク国王様は可愛らしい方だと思いますが」
「僕は幼い頃からあのミルクっている猛獣と一緒にいたがあれは女ではなくて化物だ!ドワーフの中でも規格外の化物だ」
「で、ですが」
「いいかい!私は君の事を思って忠告しているんだ。君ならもっといい娘さんと結婚できる筈だ……だからあの化物だけはやめておけ」
ちょっとローブ宰相!
それってミルクに対して失礼じゃないの?
子供の頃から一緒だった幼馴染に対して猛獣とか化物とか、いくらなんでも酷いんじゃないの。
「僕は……ミルク国王との結婚を前提とした交際を既に決めています」
「ライト伯爵!君は正気か?あれは化物だぞ!」
「失礼ながら宰相様は女性を外見の可愛さで選んでませんか?もしそうなら僕は貴方を軽蔑します」
おおっ!
ライト君よく言ったわ。
それに比べてローブ宰相は結構最低野郎だったみたいね。
そこへ……ローブ宰相の真後ろにある女性の影が。
「そうなんだ……ローブって私の事をそう思ってたんだ」
「み、ミルク!」
「誰が猛獣か化物ですって!悪かったわね、女らしくなくて」
「ひぃぃぃぃぃぃっ!」
あらら、これは完全い蛇に睨まれた蛙ね。
「それに比べて……流石はライト君💛私が選んだ人だけの事はあるわ」
「ミルク様」
「少しの間そこで待っていてね、今からこのクズ野郎にお仕置きをするからね」
「はは……程々にお願いします」
ミルク国王がそれは怖い形相で重量十トンの大斧を取り出してローブへ向ける!
「今までよくも私の事を蔭で愚弄してくれたわね!これで……貴方への気持ちが吹っ切れたわ」
「ひいいいいいいいいいいいいっ!」
「お前のような奴はドワーフ国にいらんんわっ!覚悟するがいい」
ああっ!
哀れローブは大激怒のミルク国王に会場十を追いかけ回される事に。
この一部始終を見ていたファブリーズはただ唖然茫然とするばかりであった。
皮肉にもこのローブとミルクの情け容赦のない追いかけっこはこのパーティー最後の余興として盛り上がる事になる。
私と太助も後でどうしてこうなったかをファブリーズから聞いたけど……これには正直呆れてしまったわ。
実際、強い女程本当は乙女なものなのに。
バカなローブさんね。
そこらの女性よりも可愛いミルクの本質を見抜けなかったのだから。
それから一週間後。
既に私達は魔王国に戻り日々の仕事に追われていた。
そんな、ある日の昼食時。
今日は魔王城での業務が忙しかったので魔王城で軽く太助と一緒に昼食を頂く事に。
そんな中で太助が食堂の大型リンクミラーで最新ニュースでも見ようと言ってきた。
という訳で大型リンクミラーをスイッチオン。
(本日の世界情勢ニュースです。本日未明頃、ドワーフ国のミルク国王とライト伯爵との婚約が正式に発表されまあした)
ほほう、ミルクがライト君と正式に婚約か。
これは本当にいい知らせね。
おや?まだニュースは続くみたい。
(なおドワーフ国の宰相であったローブが解任され新しくマリ宰相が就任しました。ちなみにローブ氏とアン宰相は離婚されたそうです)
えっ?
あのローブさんが宰相を解任?
しかも後任はマリさんって離婚しちゃったのあの二人!
これには私も太助も唖然茫然!
私は自分のリンクミラーを手にしてドワーフ国のミルク国王へ連絡!
「おいミルク!今、配信ニュースを見たわよ。これはどうゆう事なの」
(むしかして……あのクソローブの事?あいつだったらマリに三行半勧告されて宰相クビ!更にエルフ国の外交官にしてやったわ)
「げっ、エルフ国とはねぇ」
(まぁ事実上の国外追放ね!それと意外とマリってかなりの才女なのよね。彼女は私の片腕として頑張ってもらうわ)
あ~あ!
これは乙女の恋を踏みにじったクズらしい末路ね。
「それとライト君と正式に婚約したそうじゃない。おめでとう!」
(うんうん💛今後ライト君には王宮パティシエ長として頑張ってもらうわ。あ~っ、私今後太っちゃいそう💛)
「本当に幸せそうねミルク」
それから少しミルクと中身のない通話をした後に通話終了。
太助に今のミルクが幸せそうだと伝えてから改めて昼食を食べようとした時だった。
「魔王様~っ、宰相様~っ、助けてください」
「あれ?ファブリーズじゅないの。顔が青いわよ」
「実は……あれからドワーフの貴族達から次々とお見合いの話がありまして」
ファブリーズの話だと先日のパーティーの一件でやらかした無理矢理ショートケーキを食べさせたドワーフの貴族達からお見合い話が次々と来ているそうだ。
しかも、その数は百人を超えてるみたい。
「私……あんなヘタレドワーフなんかと結婚したくありません!私の理想は勇猛果敢な人か頭脳明晰で信念が強い人がいいんです」
「じゃあファブリーズには絶対結婚は無理ね。結婚相手を選ぶ時はある程度は妥協しないと……私は理想的な夫と結婚できたけどね」
「そ、そんな~っ!」
まぁ、これじゃあ当分ファブリーズが結婚できる見込みはなさそうね。
正直理想が高すぎ!
そういえば、そろそろ夏ね。
今年はどんな夏休みを過ごそうかしら?
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