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第四章 魔王国の日常 パート01
その二 いつもの日常 02
しおりを挟むさて、場所は変わって城下町にいつの間にか建造されていた少し高~い建物。
その建物には結構大きな魔法アンテナがある。
これが太助曰く私達が持つリンクミラーに様々な情報や娯楽を配信する配信局第一号だ。
既に建物自体は完成しているようで既に文官らしいのが出入りして働いている模様。
「うんうん!結構いい出来になったな」
「太助~っ、本当にこんなの建設して大丈夫なの?こんなの建てるぐらいならスタジアム辺りでも建設したほうが」
「実はそれも建設予定なんだ。もっとも建設予定地がまだ決まってないから出来るのは当分先だけど」
私個人としてはこのようなけったいな建物よりも何か別の建物作った方がいいような。
「とにかく入ってみようよ」
「何か嫌な予感がするわ」
中に入ると結構綺麗な雰囲気。
そこで私達は配信装置の最終調整をしているロイドと出会ったわ。
「これは魔王様に宰相様。ようこそ魔王国国営配信局へ」
「えっ?この設備の責任者ってロイドだったの。それにしても何でも作るわね貴方」
「そりゃ……何かを作るのが俺の生きがいですからね。それにしてもリンクミラーの技術を応用して情報や娯楽を配信とは恐れ入りますね宰相様」
「処で……今日はこの後、試験配信をすると聞いてヒカルちゃんと一緒に視察しに来たんだ」
「はい!後二十分後に試験配信を行います。良かったらどうぞ!」
こうして私と太助はロイドに連れられて第一スタジオへ。
なんと、そこには数名のスタッフと……数十名のおっぱい丸出しの女性ダンサーが待機していたわ。
しかも……そのダンサーは皆私よりおっぱいの大きい事!
「どうです魔王様!やっぱり我が国の娯楽といえば全裸女性ダンサーによるラインダンスが定番でしょう」
「た、確かに我が魔王国では女性の全裸ダンスは定番だけど……これをリンクミラーで配信して大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫!スケベで淫乱が国策の魔王国なら問題無しでしょう。他の国ならどうか知りませんが」
確かに人口問題と元々の魔族習性の関係からスケベで淫乱が当たり前の魔王国だけど……個人的に心配だわ。
それと流石に太助も頭を抱えてるみたい。
「ロイドさん……いくらなんでも他の娯楽は無かったのですか。僕が元いた世界では一発でアウトだよ」
「宰相様、いい加減この国の風俗と風習に慣れたほうがいいですよ。ではそろそろ試験配信始めようか!」
スタジオ内のステージ上でほぼ全裸の魔族女性が一直線に並び立ちスポットライトが照らされる。
そしてロイドの合図と共に配信装置が作動してスタジオ中にいかにもラテン系な音楽が流れだす。
「では!レッツダンシング」
いよいよ女性魔族一同による全裸ラインダンスが始まった。
全裸だエロだと思いつつ、そこはプロのダンサー達だ。
ダンスそのものは実に綺麗で統率が取れている。
試しに助けが自分のリンクミラーを取り出して画像を見ると、そこにはダンサー達によるエロくて美しいダンスが配信されていた。
これは女の私が見ても美しさを感じさせるパフォーマンスといえるわね。
「処でロイド。この配信の範囲はどのぐらいかしら?」
「とりあえず試験配信ですから城下町の範囲で留めています。将来的には倫理的に問題無い報道や娯楽をこの大陸中に配信予定ですが」
「こうゆうヌードダンスは魔王国だけにして頂戴ね。だけど思ったより綺麗なダンスね」
それから暫くの間は私は太助と一緒にこのヌードラインダンスを楽しんでいたけど。
その時、私のリンクミラーから着信が入った。
その着信に応答すると……私が知る人物が出てきた。
(くおらあああああああああっ!ヒカルっ、お前何やらかしてるんじゃっ)
「あらミルクじゃない。どうしたのかしら」
(それはこっちの台詞だっ!何だぁ、あの無差別配信は!ドワーフ国中にあんなお下劣な映像垂れ流しやがって!!)
出てきたのはドワーフ国国王のミルク。
話を聞くとどうも現在私達が配信してるヌードラインダンスがどうゆう訳かドワーフ国中まで届いているみたい。
しかも出演している女の子が皆綺麗で可愛いからドワーフ国中ほぼ全員の国民がこの配信をリンクミラーで視聴してるみたい!
(とにかく!あのような下品なのを垂れ流しにするんじゃない!即刻あの配信をやめんか~っ!)
「ひぃぃぃぃぃぃっ!」
げげっ!
これは一体どうゆう事なの?
確か配信範囲は城下町だけだった筈よね。
しかも……これを知り私が止めようとした頃にはダンスは終了した後。
これは完全に後の祭り状態だ。
当然この私の怒りの矛先は……ロイド!
その直後、配信局の天井アンテナに私の雷が落ちたのは言うまでも無い。
「これはどうゆう事!先程ドワーフ国からクレームが来たわよ」
「ひぃぃぃぃぃっ!申し訳ございません」
「僕も責任者として御免!こりゃ正式配信は当分先になるよ」
怒れる私に対して土下座している太助とロイド。
全く、これでドワーフ国との国交が抉れたらどうするつもりだったの。
唯一の救いは今回の配信流出はドワーフ国だけだったとの事。
敵対している人間国はどうでもいいが、もしあの全裸ラインダンスが遠方のエルフ国まで流出したら大変な事になっていたかも知れないわ。
何しろあのエルフ国はスケベやエロを毛嫌いしている厳格な国柄だから国交断絶するのは間違いないわ。
正直、他の国は我が魔億国とは違ってスケベやエロには開放的ではないのよ。
とにかく今後、試験配信をする時は他の国に見せても問題ない内容にして頂戴!
さて、これで本日の仕事は終わりだけど……そうだ!今から正規軍本部へ行ってアンナを迎えに行かない?
という訳で私と太助は正規軍本部へ。
丁度、正規軍本部前でアンナとファブリーズが帰り支度をしていたわ。
更に先程の配信局の事でルルとナナが私達に頭を下げていたわ。
「先程は主人がバカな事を仕出かして誠に申し訳ございませんでした」
「あのバカ主人には私達からも言い聞かせておきます。申し訳ございません!」
あらら、二人が悪い訳ではないのに。
本当にあのマッド職人には勿体ない奥さん二人だ事。
それから私達三人は一路魔王城へ帰る事に。
ちなみに今夜も独りぼっちのファブリーズはこれから行きつけの酒場へ飲みに行くそうだ。
その判れる時の背中が寂しい感じがしたわね。
「しかし……私もあの配信を観ました。私が元いた世界では到底配信できない内容でしたが」
ありゃ~っ。
アンナもあの配信観ていたのね。
「けど、ここまで開放的なのは魔王国ならばですね。個人的にこうゆうのまたやって欲しいですね」
「アンナも結構好きね、そうゆうの」
「ある意味この世界の住人は素晴らしい意味でバカですからね。なまじ利口だと屁理屈ばかり考えて複雑になりますから」
「「脳筋」」
それから魔王城に帰った私達は夕食の時間まで、それぞれの自室へ。
私は自分の自室で今夜の私服を選んでいた。
地味なのもいいし、あえて色っぽいのをチョイスするのもいいかな?
「よし、今夜はこれにしよう」
今夜の私服は黒いワンピース。
そして下着も大人っぽい黒で統一。
今夜はこの下着で太助を興奮させるんだからね。
そして太助の大きいので一杯可愛がってもらうんだ💛
ここでパンジーからのアナウンス。
(皆様、夕食の準備が整いました。大食堂へお越しください)
よし!
まずは楽しい夕食だ。
更に夕食の後は……私達三人だけの淫靡で淫乱な夜の時間が訪れる。
そして私達は沢山愛し合いながら交尾して体力が尽きた時が就寝だ。
こうして、私の日常が終わる。
そして明日もこのような日々が続く事を祈りながら。
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