55 / 85
第四章 魔王国の日常 パート01
その二 いつもの日常 02
しおりを挟むさて、場所は変わって城下町にいつの間にか建造されていた少し高~い建物。
その建物には結構大きな魔法アンテナがある。
これが太助曰く私達が持つリンクミラーに様々な情報や娯楽を配信する配信局第一号だ。
既に建物自体は完成しているようで既に文官らしいのが出入りして働いている模様。
「うんうん!結構いい出来になったな」
「太助~っ、本当にこんなの建設して大丈夫なの?こんなの建てるぐらいならスタジアム辺りでも建設したほうが」
「実はそれも建設予定なんだ。もっとも建設予定地がまだ決まってないから出来るのは当分先だけど」
私個人としてはこのようなけったいな建物よりも何か別の建物作った方がいいような。
「とにかく入ってみようよ」
「何か嫌な予感がするわ」
中に入ると結構綺麗な雰囲気。
そこで私達は配信装置の最終調整をしているロイドと出会ったわ。
「これは魔王様に宰相様。ようこそ魔王国国営配信局へ」
「えっ?この設備の責任者ってロイドだったの。それにしても何でも作るわね貴方」
「そりゃ……何かを作るのが俺の生きがいですからね。それにしてもリンクミラーの技術を応用して情報や娯楽を配信とは恐れ入りますね宰相様」
「処で……今日はこの後、試験配信をすると聞いてヒカルちゃんと一緒に視察しに来たんだ」
「はい!後二十分後に試験配信を行います。良かったらどうぞ!」
こうして私と太助はロイドに連れられて第一スタジオへ。
なんと、そこには数名のスタッフと……数十名のおっぱい丸出しの女性ダンサーが待機していたわ。
しかも……そのダンサーは皆私よりおっぱいの大きい事!
「どうです魔王様!やっぱり我が国の娯楽といえば全裸女性ダンサーによるラインダンスが定番でしょう」
「た、確かに我が魔王国では女性の全裸ダンスは定番だけど……これをリンクミラーで配信して大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫!スケベで淫乱が国策の魔王国なら問題無しでしょう。他の国ならどうか知りませんが」
確かに人口問題と元々の魔族習性の関係からスケベで淫乱が当たり前の魔王国だけど……個人的に心配だわ。
それと流石に太助も頭を抱えてるみたい。
「ロイドさん……いくらなんでも他の娯楽は無かったのですか。僕が元いた世界では一発でアウトだよ」
「宰相様、いい加減この国の風俗と風習に慣れたほうがいいですよ。ではそろそろ試験配信始めようか!」
スタジオ内のステージ上でほぼ全裸の魔族女性が一直線に並び立ちスポットライトが照らされる。
そしてロイドの合図と共に配信装置が作動してスタジオ中にいかにもラテン系な音楽が流れだす。
「では!レッツダンシング」
いよいよ女性魔族一同による全裸ラインダンスが始まった。
全裸だエロだと思いつつ、そこはプロのダンサー達だ。
ダンスそのものは実に綺麗で統率が取れている。
試しに助けが自分のリンクミラーを取り出して画像を見ると、そこにはダンサー達によるエロくて美しいダンスが配信されていた。
これは女の私が見ても美しさを感じさせるパフォーマンスといえるわね。
「処でロイド。この配信の範囲はどのぐらいかしら?」
「とりあえず試験配信ですから城下町の範囲で留めています。将来的には倫理的に問題無い報道や娯楽をこの大陸中に配信予定ですが」
「こうゆうヌードダンスは魔王国だけにして頂戴ね。だけど思ったより綺麗なダンスね」
それから暫くの間は私は太助と一緒にこのヌードラインダンスを楽しんでいたけど。
その時、私のリンクミラーから着信が入った。
その着信に応答すると……私が知る人物が出てきた。
(くおらあああああああああっ!ヒカルっ、お前何やらかしてるんじゃっ)
「あらミルクじゃない。どうしたのかしら」
(それはこっちの台詞だっ!何だぁ、あの無差別配信は!ドワーフ国中にあんなお下劣な映像垂れ流しやがって!!)
出てきたのはドワーフ国国王のミルク。
話を聞くとどうも現在私達が配信してるヌードラインダンスがどうゆう訳かドワーフ国中まで届いているみたい。
しかも出演している女の子が皆綺麗で可愛いからドワーフ国中ほぼ全員の国民がこの配信をリンクミラーで視聴してるみたい!
(とにかく!あのような下品なのを垂れ流しにするんじゃない!即刻あの配信をやめんか~っ!)
「ひぃぃぃぃぃぃっ!」
げげっ!
これは一体どうゆう事なの?
確か配信範囲は城下町だけだった筈よね。
しかも……これを知り私が止めようとした頃にはダンスは終了した後。
これは完全に後の祭り状態だ。
当然この私の怒りの矛先は……ロイド!
その直後、配信局の天井アンテナに私の雷が落ちたのは言うまでも無い。
「これはどうゆう事!先程ドワーフ国からクレームが来たわよ」
「ひぃぃぃぃぃっ!申し訳ございません」
「僕も責任者として御免!こりゃ正式配信は当分先になるよ」
怒れる私に対して土下座している太助とロイド。
全く、これでドワーフ国との国交が抉れたらどうするつもりだったの。
唯一の救いは今回の配信流出はドワーフ国だけだったとの事。
敵対している人間国はどうでもいいが、もしあの全裸ラインダンスが遠方のエルフ国まで流出したら大変な事になっていたかも知れないわ。
何しろあのエルフ国はスケベやエロを毛嫌いしている厳格な国柄だから国交断絶するのは間違いないわ。
正直、他の国は我が魔億国とは違ってスケベやエロには開放的ではないのよ。
とにかく今後、試験配信をする時は他の国に見せても問題ない内容にして頂戴!
さて、これで本日の仕事は終わりだけど……そうだ!今から正規軍本部へ行ってアンナを迎えに行かない?
という訳で私と太助は正規軍本部へ。
丁度、正規軍本部前でアンナとファブリーズが帰り支度をしていたわ。
更に先程の配信局の事でルルとナナが私達に頭を下げていたわ。
「先程は主人がバカな事を仕出かして誠に申し訳ございませんでした」
「あのバカ主人には私達からも言い聞かせておきます。申し訳ございません!」
あらら、二人が悪い訳ではないのに。
本当にあのマッド職人には勿体ない奥さん二人だ事。
それから私達三人は一路魔王城へ帰る事に。
ちなみに今夜も独りぼっちのファブリーズはこれから行きつけの酒場へ飲みに行くそうだ。
その判れる時の背中が寂しい感じがしたわね。
「しかし……私もあの配信を観ました。私が元いた世界では到底配信できない内容でしたが」
ありゃ~っ。
アンナもあの配信観ていたのね。
「けど、ここまで開放的なのは魔王国ならばですね。個人的にこうゆうのまたやって欲しいですね」
「アンナも結構好きね、そうゆうの」
「ある意味この世界の住人は素晴らしい意味でバカですからね。なまじ利口だと屁理屈ばかり考えて複雑になりますから」
「「脳筋」」
それから魔王城に帰った私達は夕食の時間まで、それぞれの自室へ。
私は自分の自室で今夜の私服を選んでいた。
地味なのもいいし、あえて色っぽいのをチョイスするのもいいかな?
「よし、今夜はこれにしよう」
今夜の私服は黒いワンピース。
そして下着も大人っぽい黒で統一。
今夜はこの下着で太助を興奮させるんだからね。
そして太助の大きいので一杯可愛がってもらうんだ💛
ここでパンジーからのアナウンス。
(皆様、夕食の準備が整いました。大食堂へお越しください)
よし!
まずは楽しい夕食だ。
更に夕食の後は……私達三人だけの淫靡で淫乱な夜の時間が訪れる。
そして私達は沢山愛し合いながら交尾して体力が尽きた時が就寝だ。
こうして、私の日常が終わる。
そして明日もこのような日々が続く事を祈りながら。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる