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第二章 人間国の勇者と二人目の嫁
その十六 この章のエピローグ・正規軍と今後の課題
しおりを挟む先日の定例会議で正規軍が正式に結成される事になり今日がその結成日。
義勇軍ギルドの隣に設立した正規軍本部に私と太助は赴いていた。
「総員、魔王様と宰相様へ……敬礼!」
そこの演習場を兼ねた大広間には立派な軍服を着たルルを先頭にその右側には同じく赤い軍服を着たファブリーズ、左には白い軍服を着たアンナの姿があった。
更にその三人の後ろには義勇兵飲中から選ばれた精鋭中の精鋭である正規兵総員五百名が勢ぞろいしていた。
「これより城下町へ行進を始める!総員前進」
ルルの号令と共に全正規軍が規律正しく更新を開始した。
流石は一般市民のかき集めにすぎない義勇兵とは違い職業軍人といえる正規軍だ。
いい統率が取れている。
それから私と太助はルルが用意していた馬車に乗りそのまま正規軍の行進に同行する事に。
「魔王様万歳!正規軍万歳!」
「魔王様に宰相様!こっちを向いて」
「ルル提督!それにファブリーズ将軍にアンナ将軍!頑張ってください」
城下町でも行進の最中で国民達の正規軍への大歓声が聞こえてくる。
そりゃ精鋭中の精鋭だもの。
城下町の国民達も期待したくなるものね。
「思えば僕がこの世界に来て三か月ぐらい。魔王国もここまで来たんだね」
「これも全て太助の御蔭だよ。もし太助がいなかったら今でも男がいない!行方不明だと困惑してた筈よ」
「それ以前にあのクロームのバカに魔王国は滅茶苦茶にされてたと思うけどね」
「はは……確かに」
思えば私が魔王になって色々な事がありすぎて……どうすればいいのかわからなかったのよ。
だから……対等の友達が欲しいと私は太助を召喚した。
そして太助は直接的な戦闘力は皆無だったけど私には無いものを持っていた。
だから僅か三か月で魔王国が抱えていた様々な問題を全てではないが解決してくれた。
時々政のやりかたで喧嘩になる事もあったが、やっぱり魔王国にとっても私にとっても蓮家は本当に必要な存在だ。
「そういえばヒカルちゃん。僕ってまだ人間国以外の諸外国の人と関わってない気がするな」
「まぁ、太助が来てからは内乱や人間国の進撃ばかりだからね。そうえいば今度港町ウエストの街道をエルフ国国境まで作れと頼まれてたんだ」
「それに関しては工事は進んでいるみたいだよ。流石に完成はまだ先だけど」
「いずれにしても、この前人間国を滅茶苦茶にしたから暫くは何もできないでしょうし……今度エルフ国かドワーフ国へ行きましょう」
「そうだね。個人的にはドワーフ国がいいな……あそこは牛肉や豚肉の家畜飼育が盛んみたいだし」
「そうだ、アンナも護衛として連れて行こうか。アンナも牛肉豚肉食べたいと言ってたし」
「ヒカルちゃん、アンナ姉ちゃんも僕の奥さんだという事を忘れないでね」
「はは……」
そうよね。
暫くは人間国も大人しい筈だし今の内に他の国とも交友を深めたいしね。
そうこうしている内に正規軍のお披露目行進は終わり私達は正規軍本部へ戻ってきた。
「どうですか?我が魔王国が誇る正規軍は」
「いい統率ね。ここまでにするのにかなりの訓練をしたんじゃないの」
「はい!私ルルが考案したブードトレーニングの成果ですわ」
あらら。
ルルったらすっかり正規軍総司令の貫禄がついてるわね。
しかもルルが考案したブードトレーニングにより正規軍一人一人が一騎当千の実力を持つそうね。
これなら我が軍も実力的には問題なさそうね。
だが……そこへ太助が総司令室に大きく溜息をつきながら入ってきた。
「一騎当千かぁ……ルル総司令のその言葉は少し無理があると思うよ」
「えっ?どうしたのですか宰相様」
「とにかくルル総司令もヒカルちゃんも外の訓練場へ来て見てよ。現実を思い知ると思うよ」
とにかく私とルルは太助と一緒に訓練場へ。
そこでは……私も唖然とする光景が。
「くおおおおおおりゃああああっ!お前達それでも魔王国の精鋭かぁぁぁぁぁっ!」
「弱い!弱すぎる!それでも正規軍の精鋭かっ!」
うわぁ。
そこではファブリーズとアンナが片っ端から精鋭中の精鋭である正規兵の皆様を片っ端からぶっ飛ばしてうわ。
これにはルル総司令も頭を抱えて倒れそうになる。
「ヒカルちゃん……これでも正規軍の皆って一騎当千の実力があるの?」
「あ……あの脳筋バカコンビ!そりゃ……あの二人が相手じゃ正規兵でも勝ち目が無いのは当然よ」
そりゃこんな結果になるのは必然よ。
あのファブリーズとアンナの二人は強さの次元が違いすぎるのよ!
ハッキリ言ってあの二人は私と同格の無敵超人よ。
だから精鋭中の精鋭といっても、あの二人を相手にするのは無茶よ。
「太助、あの二人が相手じゃあ折角の精鋭達が全員潰れちゃうわよ。こら~っ!そこのバカコンビ」
「あれ?魔王様じゃないですか」
「ヒカル……こいつ等ハッキリ言って弱すぎるぞ。精鋭だというが話にならん」
「ドアホ~っ!ここにいる正規兵が弱いんじゃなくて……お前達二人が強すぎるのよ!」
本当にこの脳筋将軍コンビは自分達の強さのレベルを把握してないのね。
いい?
アンナとファブリーズは私と同じ魔王レベルなの。
貴方達二人は強さのリミッターが私と同様に外れてる異常な存在なの。
つまり私と同格なのよ!
それなのに普通の魔族最強レベルの正規兵達に大人げない訓練をして。
ルルもルルよ!
この私と同格レベルである二人に指導させるなんて我が正規軍の精鋭を戦わさせずに潰す気?
それから私はルルとファブリーズとアンナを星座させて説教してやったわ。
これには太助も苦笑いしてたな。
そして……太助の提案でルル提督には、あの脳筋バカコンビとは別に中隊長を正規兵の中から任命して現場指揮と訓練の指導をさせる事に。
更にアンナとファブリーズにもそれぞれ副官をつける事に。
正直このバカ将軍コンビを単独で思考させたら何しでかすかわからないものね。
「はぁ~っ、また色々と問題点が出てきたものね」
「府カルちゃん、ぼやかないで。だけどアンナ姉ちゃんにも困ったものだね」
「脳筋アンナめ~っ、少しは太助の第二夫人の自覚ってものがないのかしら」
今日は罰としてアンナに夕食のフルコースを作らせよう。
果たして何を食べさせられる事やら?
はい、それから私達は魔王城まで帰って来て一息だ。
太助はまだ整理する書類があるとの事で自分の書斎へ。
私はというと紅茶を飲みながら「今日は疲れた」と独り言。
「こんな日はワインでも飲みたい気分ね。後でパンジーに赤ワイン用意してもらおうかしら」
今日は月夜が綺麗だ。
ワインを飲むには丁度いいわ。
そして……今夜の夕食となった訳だけど。
「アンナ……これは何?」
「寿司だよ寿司!この国には魚とかの海産物は結構入手し易いからな」
「うわぁ!アンナ姉ちゃんの握り寿司なんて久しぶり!」
「うんうん!太助ちゃんもヒカルもどうぞ」
寿司……太助とアンナが元いた世界の料理。
一見おにぎりの亜種に見えるけど何かご飯に酢の匂いがするんだけど。
それに鮪とかの刺身が乗ってるけど本当に大丈夫?
「うんうん💛久しぶりのお寿司美味しい~っ」
「太助ちゃん、まだあるからね。それとヒカルも食べて見なさいな!」
「ううっ、食べてみるか」
私は騙されたと思ってその寿司を口に入れた。
!?
これは珍味という言葉が相応しいかしら。
御酢を入れたご飯に刺身がベストマッチ!
まさかこのような料理が存在していたとは……美味しい!
「鮪にイカ、それにタコも合うわね!」
「それに海産物の他にも卵焼きも美味いぜ」
「うはぁ!これは気に入ったわ」
これは恐れ入りました。
寿司という珍味……癖になりそうだわ。
そして気が付けば私達は満腹になるまで寿司を楽しんでいた。
その日の深夜。
三人でエッチを楽しもうとワインを用意しようとしたが……太助が何やら樽を持ってきた。
「太助、それは何?」
「ビールだよ。いつもワインばかりだと飽きるから酒職人から献上品として貰ったんだ」
「えっ?ビールだって」
飲む飲む!
そうかぁ、ビールもいいわねぇ。
という訳で三人分のジョッキにビールを入れて……乾杯~っ!
「ぷはぁ~っ!いいわねぇ」
「僕も少量なら飲めるしね」
「前にいた世界では絶対に禁止だったからな。この世界では堂々と酒が飲めるのはいいものだな」
そうか、太助とアンナが元いた世界では酒は飲めないのか。
もっとも魔王国でも小作りできない未熟な体では酒を飲んではいけないんだけどね。
それから暫く私達はビールを飲んで楽しんでたけど?
「えへへ……ヒカルちゃん、アンナ姉ちゃん」
「あれ?太助の目が座ってるわ」
「何か……嫌な予感がするなヒカル」
その予感は見事に的中!
完全にとラへと豹変した太助は私とアンナの衣服を無理やり引っ剥がしてそのまま……おせっせ開幕!
太助ったら酒が入ると性格が豹変するらしく……もう私もアンナも抵抗できず。
そして私とアンナはそのまま小さなオッパイを揉まれながら雌蕊に太助の大きな雄蕊を入れられて豪快にピストン運動。
私とアンナは太助に散々犯されて……覚えてるだけで私は三階中出しだれた。
頭が蕩けるぐらいに気持ち良かったけど……もう絶対に太助に酒は飲ませない方がいいと思った。
それから数日後。
「えっ?ドワーフ国の大使が私に?」
なんとドワーフ国の大使が私に会いたいと申してきた。
そこで私と太助は謁見の間へ。
謁見の間には一人のドワーフ族の女性がいた。
彼女がドワーフ国の大使である。
「こんにちは。今宵は私にどのような要件で?」
「実は……魔王国の魔王を見込んでお願いしたい事があります」
「それで具体的には何をお願いしたいのかしら」
「実は……ドワーフ国の国王が暗殺されました!」
To continue on to the next one
第三章 ドワーフ国騒乱!
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