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第一幕 二人の出会い・そしてすべての始まり
その十六 この章のエピローグ・今後の課題
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あの港町ウエストでのプロポーズから数日後。
今日も朝は最高の目覚めを迎える。
「太助……おはよう」
「ヒカルちゃん、もう朝か」
今日も私と太助は互いに全裸で夜明けを迎える。
そういえば夕べも太助ったら激しく私を求めてきて……もう最近充実した夜を過ごしてるわ。
そうなのだ。
あのプロポーズを受けた夜に……私と太助はひとつに結ばれて無事私は処女を捨てて成人した訳だ。
それからというもの、私と太助は毎晩互いに裸になって激しく愛し合う日々。
確かにこれは癖になりそうだ。
それから私と太助は朝食前に一緒にお風呂。
流石にお風呂の最中はエッチモードはオフ!
時々、太助が私の小さなおっぱいを触るがこれは軽いスキンシップだ。
それに少し私のおっぱいを触った後は真面目に今後の事を話す事になる。
「やっぱり人間国対策として城下町の城塞都市化計画は急務だね」
「だけどやっぱり予算がね。ファブリーズがまた税金上げろと言ってるけど……ようやく男達が戻って国民が生活を立て直してる最中になね」
「僕も安易な税金アップは反対かな。それより内需を向上させたほうがいいよ。折角この国には色々な特産物があるから輸出入を盛んにしたほうがいいね」
「香辛料とか運びやすいものを輸出して代わりに魔法金属を輸入できるといいけど」
「そうだ、諜報員をエルフ国やドワーフ国へ派遣してその国が欲してるものを調査させよう。そして諸国が欲しい品々に少し関税を上げて……」
「それ、ファブリーズが喜びそうな事よ」
「確かに」
ベットの上でエッチするのも楽しいがこうして一緒に風呂に入り今後の事を語るのも結構楽しいものだ。
それから大食堂で朝食を食べて……今日は城下町の視察かな。
「太助、今日は一緒に城下町の視察に行こう」
「うん!僕も城塞都市計画の進行状況を確認したいしね」
最初、私は馬車で視察しようかと尋ねたが太助は歩いていこうと提案。
そこで私と太助は歩いて城下町の様子を視察する事に。
「あっ、魔王様に宰相様だ!」
「魔王様、宰相様おはようございます」
途中通りすがりの子供達が挨拶してきたので私達もそれに応じる。
時間的には大人達が働き始め、子供達は遊び始める時間か。
「僕が来たばかりと比べて随分と活気ついてきたね」
「男達も取り戻したし我が国も通常運転なったって感じかな」
思えば太助を召喚する前の魔王国は女子供ばかりであまり活気がない印象で皆が日々を生きるのに精一杯だった感じ。
だぇど……太助がこの世界に来て色々あって男達を取り戻してようやく城下町は活気を取り戻した状況。
何もかも今私の傍にいる太助が変えたのだ。
いくら力があるといっても知略が苦手な私だけではこうはいかなかっただろう。
「そうだ、義勇兵ギルドに行かない?」
「そういえば今頃訓練してる最中だよ。義勇兵に男手も加わってかなりの軍事力になってるし」
義勇兵ギルドか。
太助が来て最初に行った政策で誕生した我が国における軍事の要。
義勇兵が出来る前は私一人で他国からの侵略に対処してたものね。
実の処あれから二回程、人間国の進撃があったが流石は我が国の義勇兵。
ほぼ楽勝で人間国の軍勢を撃退したから頼もしいわ。
「あっ、魔王様に宰相様」
「あっルル。ララは何処?」
「ララは外の演習場で義勇兵の訓練の指揮をしてますわ。近頃は男の義勇兵も加わりましたから随分と戦力が充実しています」
という訳で私と太助は演習場へ。
そこでは実にど派手な訓練が実施されていたわ。
「エクスプロージョン連続発射訓練開始!」
「ドラゴン召喚しました。剣士部隊はドラゴンを相手に実践訓練を開始してください」
「オリハルコン切断訓練!各自ノルマはわかってるな」
やってるやってる!
私にしてみればまだまだねって感じだけど結構いい訓練してるじゃない。
もっとも太助ったら顔を真っ青にして「うちの軍隊って……チート?」と言って唖然茫然してるみたいだけど。
「魔王様に宰相様じゃないですか」
「ララどう?我が国の精鋭達の鍛錬は」
「順調です!我が国の義勇兵は一人一人が一騎当千の実力の持ち主ですから。もっとも魔王様には敵いませんが」
「この調子で頼むわよ!案外この中から次の世代の魔王が出たりして」
「いえいえ、魔王様が健在なうちはそんな化け物は出てこないと思いますが」
いやぁ、我が国の義勇兵は頼もしい限りだわ。
あれ?太助何怯えているの?
「もう十分強いんじゃない?我が国の軍隊」
それから義勇兵ギルドを離れた私と太助。
今度は武装工房へ行ってみよう。
そこでは相変わらずオートメーションで魔剣とかの魔法装備が大量生産されている。
ここの工員に効いた処、あと数日程で義勇兵全員に魔法武具がいき渡るとか。
もっとも原則武装は消耗品なので今後は武器庫に収める分を生産するとの事。
これに関しては太助もご満悦みたい。
だけど……私としてはねぇ。
「太助」
「何?」
「確かにこの工場で作られる武具はいいものだけど……正直私には使えないのよねぇ」
「ははは!確かにヒカルちゃんの場合は下手に武装するよりも素手でぶん殴るかえげつない最上級魔法使ったほうが早いしね」
「でも、やっぱり私としては自分専用の武器が欲しいのが人情よね」
私専用の武器。
これには太助も困惑してるみたい。
「ヒカルちゃん専用となると素材から厳選しないと厳しいと思うよ。それに鍛冶師もちょう一流の人にお願いしないと」
「素材か……となるとこの世界で一番堅いアマダンタイトぐらいは欲しいなぁ」
「アマダンタイト?」
「この大陸で採掘できる史上最強の金属よ。確かドワーフ国でごく少量採掘されるそうよ」
「なら今度ドワーフ国から取引して入手しようよ」
「何言ってるのよ太助!アマダンタイトは少量でも天文学的な価値のある代物よ。わが国の国家予算つぎ込んでも購入は不可能よ」
「なら……オリハルコンが現実的かな」
「オリハルコンかぁ……あれはわが国でも採掘できるけどどうしても耐久力がアマダンタイトより劣るのよねぇ」
とにかく私の武器を作るにはやはり素材か。
私が使うからには最高の素材と超一流の鍛冶師が絶対不可欠ね。
もっとも鍛冶師に関しては心当たりがあるけど。
続いては現在最重要といえる城壁の再構築現場だ。
現在、城壁の一区画がその工事中である。
「へぇ、もうそれなりに城壁の交換作業が終わってるんだ」
「そりゃそうよ太助。前の城壁はかなり前の魔王が構築したものらしいけど……いざ交換しようとするとかなり防壁魔法の効力が無くなっていたそうよ」
以前からあった城壁はかなり前の世代の魔王が民に命じて作ったものだそうだが、やはり年月と共に城壁に仕込まれた防御魔法の効力が薄れていたらしい。
そこで太助の提案で城下町の城壁を全て最新技術で作成した城壁へ再構築する事になったのだ。
流石に城下町全ての城壁を変えるには数年かかるらしく、とりあえず国交断絶している人間国のある方の城壁を最優先に換装している。
「理論的にはこの最新城壁はヒカルちゃんのエクスプロージョンも防げるらしいよ」
「なら……試しに一発!」
「駄目だよ!まだ城壁の魔法式埋め込みがまだなんだから。それにあくまで理論的だから実際にヒカルちゃんがエクスプロージョン撃ったらどうなる事やら」
「御免ね!私無敵で」
まぁ、私にかかれば我が国の城壁なんか跡形無くぶっ飛ばしちゃうんだけど💛
そんな事したら太助や国民が大激怒するからやらないけど。
さて、最後は魔王城の中にある官僚本部だが。
そこは太助曰く自分のいた世界では市役所みたいな場所。
故にここでは多数いる文官や官僚が縦横無尽に様々な手続きや内政処理をしていた。
「結婚ですか……ではこの書類に記入お願いします」
「税金納金ですね。では改めて金額を確認しますのでお待ちください」
「エルフ国の行商人ですね。では商会に連絡いあします。こちらへどうぞ」
いやはや相変わらず騒がしい場所だ。
だけど、この魔王城の中にある官僚本部がないと行政が回らないから必要不可欠な場所だ。
そしてこの官僚本部で奇声を出しながら全完了を指揮しているのがこの女。
「こら~っ!ここは保険課の仕事でしょう、それに貴方、あの書類は……」
ファブリーズ……年齢十五歳。
別名・鋼鉄のファブリーズ。
この年齢で今だに処女。
この世界では十五歳は完全に行き遅れで彼女はオールドミスの道まっしぐらの仕事人間。
「相変わらずの仕事人間ぶりねファブリーズ」
「!?これは魔王様に宰相様。ご視察ですか」
「まぁね。けどファブリーズ、最近貴方顔色悪いわよ……たまには仕事休んだらどうなの」
「私の恋人は仕事です!魔王様、お気になされず!」
はぁ。
ファブリーズ……貴方このままでは三十路になっても処女のままよ。
今度パンジーに頼んでお見合いでもさせようかしら?
そこへ太助が私にある提案をする。
「いっそ、魔王城とは別に市役所建設して官僚達の役割分担したほうがいいよ」
「はは……そりゃそうだわ」
「ヒカルちゃんもそう思う?このままだと魔王城の官僚本部はパンクして破綻するよ」
「なら今度の幹部会で議題に入れましょう」
確かにファブリーズを始めほぼ全ての官僚や文官が半狂乱状態だと話にならないわね。
はい今度の幹部会のメイン議題はこれで決定。
早く我が国の官僚達の負担を軽減しないと大変ね。
「はぁ~っ、結構疲れたわね」
「ヒカルちゃん、お疲れ柾」
ようやく城下町の視察も終わり私と太助は私の部屋で一息。
もう少ししたらパンジーが美味しい紅茶を用意してくれる。
「とにかく急務なのは市役所建設と官僚達の配置転換と効率化ね」
「あれは本当に大変そうだったよ。ファブリーズさん完全に狂っていたなぁ」
「それに急務ではないけど城壁も老朽化が思ったよりも深刻だったわね」
それにしても今度の視察で色々と問題点がある事があったみたい。
どうして今まで私はそれらを放置してきたのだろう。
あぁ、私は太助がいなかったら魔王失格だ。
「太助」
「ヒカルちゃん」
「これからも私と一緒にいてくれるよね。魔王国の宰相として……そして私の夫として」
「当然だよ。僕はこの世界が大好きだしね」
私は思わず顔を真っ赤にする。
この上なくいい感じだ。
これからも……一緒にいてくれるよね太助。
そして、和足と太助が口づけをしようとした時であった。
「――――魔王様、それに宰相様!緊急報告です」
「く、クロ!」
なんと私達の前にクロの姿が!
しかも緊急報告とは何があったの?
「――――現在、人間国に不穏な動きがあります」
「不穏な動き?」
「――――詳細は不明ですが人間国の高位魔導士が終結し何やら儀式を執り行っている模様です」
「儀式って?」
「―――これは私の推測ですが……人間国は勇者を召喚するつもりみたいです」
「「え~っ!勇者だってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇつ!」」
To continue on to the next one
第二章 人間国の勇者と二人目の嫁
今日も朝は最高の目覚めを迎える。
「太助……おはよう」
「ヒカルちゃん、もう朝か」
今日も私と太助は互いに全裸で夜明けを迎える。
そういえば夕べも太助ったら激しく私を求めてきて……もう最近充実した夜を過ごしてるわ。
そうなのだ。
あのプロポーズを受けた夜に……私と太助はひとつに結ばれて無事私は処女を捨てて成人した訳だ。
それからというもの、私と太助は毎晩互いに裸になって激しく愛し合う日々。
確かにこれは癖になりそうだ。
それから私と太助は朝食前に一緒にお風呂。
流石にお風呂の最中はエッチモードはオフ!
時々、太助が私の小さなおっぱいを触るがこれは軽いスキンシップだ。
それに少し私のおっぱいを触った後は真面目に今後の事を話す事になる。
「やっぱり人間国対策として城下町の城塞都市化計画は急務だね」
「だけどやっぱり予算がね。ファブリーズがまた税金上げろと言ってるけど……ようやく男達が戻って国民が生活を立て直してる最中になね」
「僕も安易な税金アップは反対かな。それより内需を向上させたほうがいいよ。折角この国には色々な特産物があるから輸出入を盛んにしたほうがいいね」
「香辛料とか運びやすいものを輸出して代わりに魔法金属を輸入できるといいけど」
「そうだ、諜報員をエルフ国やドワーフ国へ派遣してその国が欲してるものを調査させよう。そして諸国が欲しい品々に少し関税を上げて……」
「それ、ファブリーズが喜びそうな事よ」
「確かに」
ベットの上でエッチするのも楽しいがこうして一緒に風呂に入り今後の事を語るのも結構楽しいものだ。
それから大食堂で朝食を食べて……今日は城下町の視察かな。
「太助、今日は一緒に城下町の視察に行こう」
「うん!僕も城塞都市計画の進行状況を確認したいしね」
最初、私は馬車で視察しようかと尋ねたが太助は歩いていこうと提案。
そこで私と太助は歩いて城下町の様子を視察する事に。
「あっ、魔王様に宰相様だ!」
「魔王様、宰相様おはようございます」
途中通りすがりの子供達が挨拶してきたので私達もそれに応じる。
時間的には大人達が働き始め、子供達は遊び始める時間か。
「僕が来たばかりと比べて随分と活気ついてきたね」
「男達も取り戻したし我が国も通常運転なったって感じかな」
思えば太助を召喚する前の魔王国は女子供ばかりであまり活気がない印象で皆が日々を生きるのに精一杯だった感じ。
だぇど……太助がこの世界に来て色々あって男達を取り戻してようやく城下町は活気を取り戻した状況。
何もかも今私の傍にいる太助が変えたのだ。
いくら力があるといっても知略が苦手な私だけではこうはいかなかっただろう。
「そうだ、義勇兵ギルドに行かない?」
「そういえば今頃訓練してる最中だよ。義勇兵に男手も加わってかなりの軍事力になってるし」
義勇兵ギルドか。
太助が来て最初に行った政策で誕生した我が国における軍事の要。
義勇兵が出来る前は私一人で他国からの侵略に対処してたものね。
実の処あれから二回程、人間国の進撃があったが流石は我が国の義勇兵。
ほぼ楽勝で人間国の軍勢を撃退したから頼もしいわ。
「あっ、魔王様に宰相様」
「あっルル。ララは何処?」
「ララは外の演習場で義勇兵の訓練の指揮をしてますわ。近頃は男の義勇兵も加わりましたから随分と戦力が充実しています」
という訳で私と太助は演習場へ。
そこでは実にど派手な訓練が実施されていたわ。
「エクスプロージョン連続発射訓練開始!」
「ドラゴン召喚しました。剣士部隊はドラゴンを相手に実践訓練を開始してください」
「オリハルコン切断訓練!各自ノルマはわかってるな」
やってるやってる!
私にしてみればまだまだねって感じだけど結構いい訓練してるじゃない。
もっとも太助ったら顔を真っ青にして「うちの軍隊って……チート?」と言って唖然茫然してるみたいだけど。
「魔王様に宰相様じゃないですか」
「ララどう?我が国の精鋭達の鍛錬は」
「順調です!我が国の義勇兵は一人一人が一騎当千の実力の持ち主ですから。もっとも魔王様には敵いませんが」
「この調子で頼むわよ!案外この中から次の世代の魔王が出たりして」
「いえいえ、魔王様が健在なうちはそんな化け物は出てこないと思いますが」
いやぁ、我が国の義勇兵は頼もしい限りだわ。
あれ?太助何怯えているの?
「もう十分強いんじゃない?我が国の軍隊」
それから義勇兵ギルドを離れた私と太助。
今度は武装工房へ行ってみよう。
そこでは相変わらずオートメーションで魔剣とかの魔法装備が大量生産されている。
ここの工員に効いた処、あと数日程で義勇兵全員に魔法武具がいき渡るとか。
もっとも原則武装は消耗品なので今後は武器庫に収める分を生産するとの事。
これに関しては太助もご満悦みたい。
だけど……私としてはねぇ。
「太助」
「何?」
「確かにこの工場で作られる武具はいいものだけど……正直私には使えないのよねぇ」
「ははは!確かにヒカルちゃんの場合は下手に武装するよりも素手でぶん殴るかえげつない最上級魔法使ったほうが早いしね」
「でも、やっぱり私としては自分専用の武器が欲しいのが人情よね」
私専用の武器。
これには太助も困惑してるみたい。
「ヒカルちゃん専用となると素材から厳選しないと厳しいと思うよ。それに鍛冶師もちょう一流の人にお願いしないと」
「素材か……となるとこの世界で一番堅いアマダンタイトぐらいは欲しいなぁ」
「アマダンタイト?」
「この大陸で採掘できる史上最強の金属よ。確かドワーフ国でごく少量採掘されるそうよ」
「なら今度ドワーフ国から取引して入手しようよ」
「何言ってるのよ太助!アマダンタイトは少量でも天文学的な価値のある代物よ。わが国の国家予算つぎ込んでも購入は不可能よ」
「なら……オリハルコンが現実的かな」
「オリハルコンかぁ……あれはわが国でも採掘できるけどどうしても耐久力がアマダンタイトより劣るのよねぇ」
とにかく私の武器を作るにはやはり素材か。
私が使うからには最高の素材と超一流の鍛冶師が絶対不可欠ね。
もっとも鍛冶師に関しては心当たりがあるけど。
続いては現在最重要といえる城壁の再構築現場だ。
現在、城壁の一区画がその工事中である。
「へぇ、もうそれなりに城壁の交換作業が終わってるんだ」
「そりゃそうよ太助。前の城壁はかなり前の魔王が構築したものらしいけど……いざ交換しようとするとかなり防壁魔法の効力が無くなっていたそうよ」
以前からあった城壁はかなり前の世代の魔王が民に命じて作ったものだそうだが、やはり年月と共に城壁に仕込まれた防御魔法の効力が薄れていたらしい。
そこで太助の提案で城下町の城壁を全て最新技術で作成した城壁へ再構築する事になったのだ。
流石に城下町全ての城壁を変えるには数年かかるらしく、とりあえず国交断絶している人間国のある方の城壁を最優先に換装している。
「理論的にはこの最新城壁はヒカルちゃんのエクスプロージョンも防げるらしいよ」
「なら……試しに一発!」
「駄目だよ!まだ城壁の魔法式埋め込みがまだなんだから。それにあくまで理論的だから実際にヒカルちゃんがエクスプロージョン撃ったらどうなる事やら」
「御免ね!私無敵で」
まぁ、私にかかれば我が国の城壁なんか跡形無くぶっ飛ばしちゃうんだけど💛
そんな事したら太助や国民が大激怒するからやらないけど。
さて、最後は魔王城の中にある官僚本部だが。
そこは太助曰く自分のいた世界では市役所みたいな場所。
故にここでは多数いる文官や官僚が縦横無尽に様々な手続きや内政処理をしていた。
「結婚ですか……ではこの書類に記入お願いします」
「税金納金ですね。では改めて金額を確認しますのでお待ちください」
「エルフ国の行商人ですね。では商会に連絡いあします。こちらへどうぞ」
いやはや相変わらず騒がしい場所だ。
だけど、この魔王城の中にある官僚本部がないと行政が回らないから必要不可欠な場所だ。
そしてこの官僚本部で奇声を出しながら全完了を指揮しているのがこの女。
「こら~っ!ここは保険課の仕事でしょう、それに貴方、あの書類は……」
ファブリーズ……年齢十五歳。
別名・鋼鉄のファブリーズ。
この年齢で今だに処女。
この世界では十五歳は完全に行き遅れで彼女はオールドミスの道まっしぐらの仕事人間。
「相変わらずの仕事人間ぶりねファブリーズ」
「!?これは魔王様に宰相様。ご視察ですか」
「まぁね。けどファブリーズ、最近貴方顔色悪いわよ……たまには仕事休んだらどうなの」
「私の恋人は仕事です!魔王様、お気になされず!」
はぁ。
ファブリーズ……貴方このままでは三十路になっても処女のままよ。
今度パンジーに頼んでお見合いでもさせようかしら?
そこへ太助が私にある提案をする。
「いっそ、魔王城とは別に市役所建設して官僚達の役割分担したほうがいいよ」
「はは……そりゃそうだわ」
「ヒカルちゃんもそう思う?このままだと魔王城の官僚本部はパンクして破綻するよ」
「なら今度の幹部会で議題に入れましょう」
確かにファブリーズを始めほぼ全ての官僚や文官が半狂乱状態だと話にならないわね。
はい今度の幹部会のメイン議題はこれで決定。
早く我が国の官僚達の負担を軽減しないと大変ね。
「はぁ~っ、結構疲れたわね」
「ヒカルちゃん、お疲れ柾」
ようやく城下町の視察も終わり私と太助は私の部屋で一息。
もう少ししたらパンジーが美味しい紅茶を用意してくれる。
「とにかく急務なのは市役所建設と官僚達の配置転換と効率化ね」
「あれは本当に大変そうだったよ。ファブリーズさん完全に狂っていたなぁ」
「それに急務ではないけど城壁も老朽化が思ったよりも深刻だったわね」
それにしても今度の視察で色々と問題点がある事があったみたい。
どうして今まで私はそれらを放置してきたのだろう。
あぁ、私は太助がいなかったら魔王失格だ。
「太助」
「ヒカルちゃん」
「これからも私と一緒にいてくれるよね。魔王国の宰相として……そして私の夫として」
「当然だよ。僕はこの世界が大好きだしね」
私は思わず顔を真っ赤にする。
この上なくいい感じだ。
これからも……一緒にいてくれるよね太助。
そして、和足と太助が口づけをしようとした時であった。
「――――魔王様、それに宰相様!緊急報告です」
「く、クロ!」
なんと私達の前にクロの姿が!
しかも緊急報告とは何があったの?
「――――現在、人間国に不穏な動きがあります」
「不穏な動き?」
「――――詳細は不明ですが人間国の高位魔導士が終結し何やら儀式を執り行っている模様です」
「儀式って?」
「―――これは私の推測ですが……人間国は勇者を召喚するつもりみたいです」
「「え~っ!勇者だってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇつ!」」
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第二章 人間国の勇者と二人目の嫁
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