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第一幕 二人の出会い・そしてすべての始まり
その三 私が魔王ヒカル・グレーズでございます!
しおりを挟むさ~て、現在魔王国と人間国との国境のある山脈の麓。
そこには性懲りもなく人間国の軍勢一万人がわが国を攻め込もうと陣取っていますねぇ。
「諸君!今こそ我々人間が憎き魔族を殲滅する時だっ!」
「「「おおおおおおっ!」」」
おうおう、部隊を仕切る将軍らしいのが配下へ士気を上げようとしてますねぇ。
そんなの無駄無駄!
今から貴方達は阿鼻叫喚で泣きながら逃げ帰る羽目になるんだから。
「では今から魔王国へ進軍を開始する!全軍前進」
あらら、相変わらず馬鹿の一つ覚えの全軍突入ですか。
まぁ、基本的な身体能力は魔族が上だから数で押し潰すのはある意味正解だけど。
では……そろそろ思い知らせてやろうかしら?
この魔王ヒカル・グレーズの力を!
まずは一発目!
「将軍!」
「なんだ?」
「上空から……何かが落ちてきます!」
「なんだと!」
突然上空から燃え盛る隕石が数十個落ちてきましたぁっ!
しかも、その隕石一つ辺りの大きさは……ざっと一トンぐらいで~す!
それが複数個お熱い状態で人間軍のど真ん中へ土次と直撃~っ!
当然運の悪~い方々は見事ご臨終かな?
ははは!まずは挨拶代わりのメテオの魔法はどうだった?
「参謀!被害はどうなってる」
「今の隕石でわが軍の三分の一が壊滅!また負傷者も多数」
「ぐぬぬ……まさか」
はい、そのまさかよ!
それでは間髪入れずに次の手いってみましょうか!
「し、将軍!前方に敵軍が出現!攻撃を開始してきました」
「くっ、僧院ただちに応戦せよ!」
さて、戦力三分の一を失った人間軍の前に出現した軍勢。
なんと!これは私が召喚したアーマーナイト千体にスケルトン三千体!
私がその気になればこのぐらいの軍勢呼び出せるのや朝飯前よ!
はい私の可愛いアーマーナイトとスケルトンの皆様……ご遊戯の時間だよ!
「くそっ、魔法が通じないぞ」
「あ~っ、いくら倒してもすぐに立ち上がってくる……こいつ等は不死身か」
そりゃそうよ。
何しろkの子たちは私の無尽蔵な魔力で活動してるから事実上無敵なのよね。
もっとも流石に強力な高位魔法なら行動不能にできるけど器用貧乏の人間にその高位魔法を使えるの何人いるのかしら?
「ギガフレア!」
「おおっ、奴等は高位魔法なら倒せるぞ」
「魔法部隊は高位魔法であの曲者に対処せよ!」
おや?
どうやら人間軍にも高位魔法使えるのがいるみたいね。
こりゃ連中を侮っていたわ。
なら……お遊びはここまでね。
「!?連中の姿が消えたぞ」
「まるで煙のようにけえたがどうゆう事だ」
「とにかく……今がチャンスだ。陣形を整えて進軍だ」
今のアーマーナイトとスケルトンでなんとか四千人近くまで減らせたけど……まだやる気?
ほんじゃあ……そろそろ終わりにしましょうか?
「た、大変です!」
「今度は何だ?」
「竜巻です!巨大な竜巻がこちらに向かってきます!」
「なんだと」
もう……絶対に逃がさないんだから!
無論その発生した巨大竜巻は私が魔法で生み出したのよ💛
「「「うわああああああああああああっ」」」
はい軟弱な兵隊さんは竜巻に巻き込まれて飛ばされて退場願いま~す!
そこへ……更にダメ出しよ!
アースクエイク!
「うわああっ」
「今度は地震か!じ、地割れが……落ちる!」
「た、助けてくれ~っ」
はい巨大な竜巻と巨大な地割れのコンボでござ~い!
ある兵士は竜巻で遥か遠くへ飛ばされ、またある兵士は地割れに落ちて生き埋めになりご臨終!
そして残る悪運の強い兵士達は一目散に逃げていく。
はいはい逃げなさ~い!
私は戦う意思のない人の命を奪うつもりはないわ。
はい粗方愚かな連中が片付いた処で私は一人戦場へ。
いやはや我ながら派手にやったものね。
「さ~て、後は連中が残した装備品とかを回収してから撤収ね」
私は数体のスケルトンを召喚して連中が残した装備品などを回収しようとした時であった。
「ま……待て」
「あれ?まだ逃げてないのがいたわね」
おや?
確かこの人は部隊の将軍さんじゃないの。
他の生き残りは逃げたというのにまだやる気?
「貴様……魔王か」
「そうよ、私が魔王ヒカル・グレーズよ」
私は将軍に魔王と名乗る。
すると将軍はにやりと笑い私に剣を向けてきた。
「魔王!貴様さえ倒せば我々の勝利だっ」
「……貴方、実力の差わかっえるの?」
「黙れクソガキ!地獄へ落ちろ」
そう言って身の程を知らずに将軍さん私へ襲い掛かってきた。
だけど……これでおしまい!
テレポート!
はい私に喧嘩売った将軍さん、強制的に人間国へ強制送還!
まぁ、その身の程知らずの度胸に免じて命だけは助けてあげるわ。
もっとも人間国の何処へ飛ばされるかは……運次第だけど。
「これで今度こそ終わりね。じゃあスケルトンの皆様、戦利品を頂きましょう」
それからは戦場に残された戦利品を物色物色!
結構こうゆう資源って貴重なのよね。
人間が作った武具って意外と出来がいいからね。
そして、私の豪快な大活躍を魔王城の水晶玉から見ていたパンジーと太助。
「ほっほっほっ、お見事です魔王様」
「……うわぁ」
パンジーは相変わらず微笑んでるけど太助は何処かドン引きしてるみたい。
それから戦場の後始末としてスケルトン数十体を残して私は戦利品を持参して魔王城へ戻ってきた。
私は戦利品の整理を官僚の皆に任せて太助とパンジーの元へ。
「ただいま~っ!」
「お見事でした魔王様」
「……」
「あれ?太助どうしたの」
パンジーが優しく迎える中、太助は何処か冷たい視線。
そして私にこう言ってきた。
「ヒカルちゃん、大量破壊兵器はそう無暗に使うものじゃないよ」
「えっ?」
それから暫く太助の酷評は続く。
「とにかく次からは義勇兵の体制が整うからヒカルちゃんはもうよほどの事がない限り戦わないで」
「えっ?どうしてなの」
「ヒカルちゃんはこの国の最終兵器!そしてみだりに最終兵器は使わないのが鉄則だよ!」
「そ、そんなぁ」
こうして私は宰相の太助から今後太助の許可無しでの出撃を禁じられてしまった。
私が何をやったというの?
そんなのあんまりだぁ~っ!
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