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第一幕 二人の出会い・そしてすべての始まり
その二 魔王国の宰相・太助
しおりを挟む「えっ!ヒ、ヒカルちゃん」
「……太助おはよう」
もう朝か。
そうだった。
私は昨日自分のベットで太助と一緒に寝たんだった。
「ヒカルちゃん!男と女が一緒に寝たらいけないんだよ」
「それって太助のいた世界での常識?残念だけどこの世界では仲のいい男女が一緒に寝るのは常識だよ」
「で、でもね」
「決めた!これから毎日太助は私と一緒に寝るの。これは魔王としての決定だからね」
「そんなぁ」
うふふ!
太助ったらあんなに困った顔をしちゃって。
いいじゃないの。
私と太助は対等の友達だしね。
そこへ私の部屋へ執事のパンジーが入って生きた。
「おはようございます、魔王様に太助様」
「おはようパンジー」
「お、おはようございます」
「朝食の準備ができております。すぐに着替えて大食堂までお越しくださいませ」
そう言ってパンジーは部屋から出ていく。
「ヒカルちゃん着替えるんだね。なら僕は出ていくよ」
「何言ってるの?太助もここで着替えていけばいいじゃないの。ほら、パンジーが太助の着替えも置いているみたいだし」
「ええ~っ!」
私は太助の前で服を脱ぐ。
太助は自分の服を抱えて隠れようとするがそうはいかない。
「えい!」
「え、ええええええっ」
私はサイコキネシスで太助を私の前へ強制移動。
そのまま太助の前で私のストリップショー開始!
そして私は太助に全てを見せてあげちゃった💛
「あ……ああ」
「太助って女の子の裸見るの初めて?少しの間裸でいてあげるから胸とか触りたいとこあるならいいよ」
わが国魔王国の女の子は気に入った男の子が出来たら裸を見せて誘惑する慣習がある。
そして、sの後で互いに交わり処女と童貞を捨てたら例え私の年齢でも大人として認められるのだ。
だから太助……ケダモノになって求めてきていいんだよ。
何しろ他の同世代の男の子って私が魔王だという理由で恐れ多いと誘っても逃げていくんだから。
実の処これも太助を召喚した理由の一つなのだ。
「ヒカルちゃん、そろそろ服を着たほうが……朝食が冷めちゃうよ」
「うふふ、それもパンジーが計算済みよ。さぁ、少しの間私と一緒にいい事しましょう」
さぁ太助。
これから楽しいひと時を過ごしましょうね。
「……ならヒカルちゃん、今からお着換えごっこしようか」
「えっ?」
「僕がヒカルちゃんに福を着せるからヒカルちゃんはそのままじっとしてて」
ええええええええええええええっ!
太助ってこうゆうプレイが好きなの?
まぁ……どうも私が思うに太助のいた世界とはスケベの価値観が違うみたいだから今回の処はそれで楽しみますか。
それから私は太助により下着から次々と福を着せられ正に生きた着せ替え人形の如く振舞った。
そして私の着替えが終わった直後に太助は素早く自分の着替えを終えていた。
ちっ、同じするなら私も太助の着替えをしたかったのに。
それから私と太助は大食堂へ。
そこには数名のメイドと執事のパンジーがタイミング良く朝食の準備を終えていた。
「魔王様、守備は?」
「残念ながら失敗よ。今日の処は大人になり損ねたわ」
「それは残念ですな。ですがまだ機会はございます」
「ありがとう」
折角パンジーが気を効かせてくれたのに残念だ。
私、太助となら大人になってもいいのに。
それから私達は朝食を食べた後でパンジーからある提案をしてきた。
「太助様、実は私から提案がございます」
「何ですかパンジーさん」
「太助様、現在私が兼任している宰相の座を受け継いで欲しいのです」
「えっ?」
宰相。
国の実務を実際に仕切るいわば国のナンバー2!
確かに頭が良くて気配りの利きそうな太助なら問題ない。
「私も太助に宰相やって欲しい!」
「本当に……いいの?」
「やってよ!太助ならこの国を立て直す事が出来る筈だし」
それから太助は暫く黙り込んだ。
そして、太助が出した答えは?
「いいよ」
「やった~っ!」
これでわが国の宰相・百合太助の誕生だ。
太助とならこの国が抱える困難に立ち向かえると私は信じてる。
「なら……まずは昨日この国の官僚や文官から聞いた換装からね」
「うん!」
「まず、内政に関してはヒカルちゃん一人で頑張ってたんだね。現状税率も適切だと思うし農業とか産業も意外と頑張ってる感じだよ」
「そうかぁ」
結構、太助はこの国の財政絡みは褒めている印象。
だけど……太助は一転態度を変えてこう言い放つ・
「だけど軍事に関しては論外レベルに酷すぎだよ!今までどうやって人間軍を追い払っていたの?」
それは昨日も指摘されてたな。
だから太助は義勇兵ギルドを設立しようとしてるんでしょう。
「そりゃ……奴等が来たら私がぶっ飛ばしてたのよ!」
「ヒカルちゃんが?僕は正直それが信じられないな」
「そりゃ私の桁違いの戦闘能力を知らないからよ。それに今度、義勇兵ギルド作って軍備増強させるんでよう」
「確かに僕は義勇兵ギルド作ろうと言ったけど」
あ~っ!
太助、私の戦闘能力を見ていないとはいえ信用していない。
だから義勇兵ギルド作って兵力増強を提案してる訳だが。
「それに今は内政が上手くいってるからって開発や開拓が疎かになってるよ!」
「そ、それは」
「これはここにいる官僚と文官達が不満を漏らしてたよ。特に街道や建築物の再建造、それに未開発の土地への農地開拓!それらをヒカルちゃん後回しにしてるじゃないか」
「はは……」
「折角、官僚とか内政を司る人材は結構優秀そうなのがいるのに彼等を生かさないと!」
「ひえええええええっ」
それから太助は私に対して説教の嵐!
これには私もタジタジだ。
そこへ大食堂へ「失礼します」と同年代ぐらいの少女が二人入ってきた。
ちなみにこの二人は双子の魔族である。
「ん?ヒカルちゃん、この二人は」
「紹介するね。この二人は……」
「あぁ、ルルとララさんか」
「えっ?」
「昨日殆どの官僚や文官さん達と話をしたからね」
ちなみにこの二人はルルとララ。
私と同年代で私が魔王になる少し前から優秀な官僚として働いていたの。
「ルル、それにナナ」
「「はい魔王様」」
「魔王ヒカル・グレーズが命じます。今度新設される義勇兵ギルドのギルドマスターに任命します」
「「その勅命謹んでお受けさせて頂きます」」
「では早速お願いしようかしら?」
「「御意!」」
そう告げた後にルルとナナの二人の魔族娘は大食堂から出て行った。
これには太助も唖然茫然。
「ヒカルちゃん……いつの間に」
「太助が義勇兵ギルド設立を決めたんでしょう。なら善は急げ!太助には悪いけど体制を整えるなら早いほうがいいと思って」
「ヒカルちゃんって、一度決断したら早いね」
「あの二人結構優秀だから……明後日には十分な義勇兵集められるんじゃないかな?魔族って大抵そこらの魔法使いよりも強いの多いから」
「えっ?それってどうゆう事」
驚く太助。
私はそんな太助に魔族の詳しい特徴を教えた。
魔族は人間族やエルフ、ドワーフとかに比べて魔力が高く子供でも才能がある者は上級攻撃魔法を習得でき、大抵の大人は当たり前のように上級魔法が使える。
但し得意魔法は主に闇属性と火・水・風・土属性であり光属性は使えない。
更にドワーフには劣るが女性でもかなり身体能力が強く子供でも重い大剣とかバトルアックスぐらいなら軽々と扱える。
つまり魔族は民間人でもいざという時はそこらの戦士よりも戦える訳である。
「成程ね。ならこの国に関しては義勇兵ギルドという形で民間人招集したほうが手っ取り早いのか」
「そう!先代魔王の時は大人の男だけを招集して人間国に立ち向かってたけど……私って人望無いから男の人次々といなくなったかr」
「実は……そこがおかしいんだよヒカルちゃん」
「えっ?」
「昨日城下町での民衆の反応を見た限りヒカルちゃんに人望が無いなんてあり得ないよ」
「……」
「そうだよ!城下町の皆はヒカルちゃんの事を慕っている雰囲気だったし義勇兵ギルド作ると言ったら殆どの民衆が参加するって言ってくれたじゃないか」
太助に言われてみればそうかも?
ならどうして魔王国の男達は私の元を去っていったの?
「それって……絶対何かあるよ!それが具体的にどうゆう事かはわからないけど」
「太助」
「とにかくこれは調べた方がいいね。そうなると諜報部隊を作ったほうがいいな」
「重宝か……一応それはパンジーが担当してた筈」
「えっ?」
「パンジーって複数の使い魔を使えるの。そしてその多数いる使い魔をこの世界中に放って色々と情報を集めているの」
「!?なんだ、一応いるんだ諜報を担当している人が」
「多分パンジーに聞けば現在の大まかな世界情勢を離してくれる筈よ」
「そっか……だけどやっぱりパンジーさんだけでは情報収集は不十分だと思う。やっぱり諜報部も設立して詳しい情報を集めたほうがいい」
「なら早速……」
「待って!諜報部の責任者はパンジーさんにやってもらったほうがいい。この国では一番の重宝能力があるからね」
「成程!」
「そして諜報員は義勇軍ギルドの登録者から隠密活動に適した人を選抜して編制しよう」
という訳で諜報部の設立が決定!
そして諜報部のリーダーにはパンジーさんにお願いする事に。
早速私達はパンジーに諜報部設立とその責任者になる勅命を与えた。
無論パンジーは快く引き受けてくれた。
太助は早速パンジーに使い魔を用いてこの国から去った男達の創作をするように命じた。
パンジーは「時間がかかりますが直ちに調査を開始します」と数十匹のハエを召喚。
そのまま城の外へ解き放った。
「へぇ、ハエで情報を集めるんだ。面白そうだね召喚術って」
「私は常に三百匹の魔界ハエを使い魔として世界中に飛ばしております。故に私の脳裏には常に世界で怒った出来事が入ってくるのです」
「凄いね。僕もその召喚術使えるかな?」
「太助様は人間族ですから高度な魔法は難しいかと。ですが異世界から来た太助様なら思わぬ魔法が使えるかも知れませんな」
太助ったら目を輝かせちゃって。
魔法がそんなに気になるのかしら。
でも太助は人間族。
人間族は全ての属性魔法が使えるけど器用貧乏なのか個人ではあまり高度な魔法は使えない筈。
それに鍛えたら大抵の武具は使えるんだけど私達魔族やドワーフには根本的に劣る。
即ち人間族は何でもできるが決定打に欠ける器用貧乏というイメージで個人よりも集団での行動が得意な種族だからなぁ。
「そういえばヒカルちゃんって……どんな魔法が使えるの?」
「ズバリ、光属性以外なら全部!」
「えっ?」
「ハッハッハッ!そこは私が魔王という証明よ。私なら例えドラゴン百匹相手でも敵ではないわ」
「ど、ドラゴン……」
あ~っ!
太助、今の私の発言信じてないな。
私の物杉井強さを知らないのね。
今度、太助の前でエクスプロージョンぶっ放してやろうかしら。
だけど、その時パンジーが私達へ報告が!
「大変です魔王柾。現在東の国境近くで人間国の軍勢が終結しております」
「はぁ?」
「使い魔からの報告ではその数は約一万人。後数時間後には我が国へ総攻撃かと」
はぁ?
人間国が懲りずにまた攻めてきた?
しかも白昼堂々と?
全くいい度胸じゃないの。
「えっ、一万人だって!どうするんだよ。まだ義勇兵の体制が整っていないのに」
あちゃ~っ。
太助ったら、たかが一万人ぐらいで何狼狽えてるの?
「太助」
「ヒカルちゃん!どうするんだよ。これじゃこの国はお終いだよ」
「何よ、たった一万人の人間が我が魔王国に喧嘩売るなんていい度胸じゃないの」
「でも、こっちにはマトモな兵力がないんだよ」
「兵力なら太助の目の前にいるじゃない!」
「えっ?」
「今回は義勇兵が間に合わないし私がぶっ飛ばしてやるんだから!」
そうよ。
私は魔王。
その実力は絶対無敵!
だから太助、心配は一切不要よ。
「でも……たった一人で一万の軍勢を相手にするなんて無理だよ」
「失礼ながら太助様。あの魔王様なら心配は無用と思いますが」
「パンジーさんまで何を!」
「今の魔王様は歴代の魔王様の中では幼いながらも史上最級でございます。恐らく太助様の心配は無用かと」
「そ、そんな」
パンジーの言葉も信じない太助。
まぁ、普通の戦争なら一人で一万人の軍勢相手にするのは非常識よね。
だけど私は魔王!
あ~んな雑魚がいくら数揃えても話にならないわ。
という訳で!
「じゃあ太助にパンジー……今から軽くあの烏合の衆を片付けてくるからね」
「魔王様、ご武運を」
「ひ、ヒカルちゃん無茶だよ」
それでは今回は太助が考案した義勇兵は間に合わないから私自らが出陣!
護衛?そんなのいらないわ。
さぁ、これから大掃除の始まりよ!
「さて、これから太助に私の凄さを見せてあげるんだから!」
私は魔王城から大空へ飛翔!
目指すはおバカな人間国の軍勢一万!
さぁ、これからショータイムの時間だよ。
勿論主役は私!
この魔王ヒカル・グレーズの大活劇の始まりだよ!
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