拙い小説シリーズ

その二に続いています。

文化・伝統、故郷や身近な地域の知恵、伝えていくことは大切で、しかし毎日の努力が必要だ。

ただ、放棄し、失くしていくこともできる。しかし、故郷の伝統を守って欲しいと願い、行動していけるのも、間違いなくわたし達だ。
大人になるにつれ、仮面を被ることの多くなるわたし達子供もそのような問題を地域の大人達と共有して地域の伝統文化、廃れることのないよう守り継承する努力は大切な気がする。

しかし進路の話になると、大人の仮面をつけた仲間達は、田舎を出都会を目指すようになる。地域のことは自分自身の将来とは、どの人も無縁でこの地域の育成に携わり文化の継承や地域そのものの発展を志す者はいない。
そのことは少なくとも、わたしの心にざわめきを残した。

小さい頃から共に育った地域をまるで、見捨てて空っぽにして出ていくような、薄情さと浅はかさを心で感じた。

田舎に残る人も正直な所では、地域の未来なんて少し位発展すればいいと、他人任せに思っているだけだ。
そんな者達に、自分の生涯を掛けたくないと思っていた。
男の子は割かし自由に自分自身の将来を楽観的に感じ、地域のことなど、少しも考えていなかった。
女の子も同じようで、明るい未来しか全く見えていないようだ。
少ない時間が残されていた。
わたしも未来を決めなくては。

心は、まだざわめいていて落ち着かなかった。