アーリマン

異世界転生

俺はトラックドライバー
一見、普通のトラックドライバーに見えるだろうが、俺には重大な使命がある。
魔王に蹂躙された異世界を救う為、勇者となるべく人材を転生させる事。
しかし、俺が使命を果たそうとすると運命の悪戯か魔王の妨害か分からないが不思議と失敗に終わる。
このままでは異世界の命運が、
今日こそ使命を果たすと心に決めていた。

繁華街に入った。
道路を走る車より道を渡る人の数の方が多い。
賑わう人々の間に、白い妖精を見つけた。
10歳くらいの黒いワンピースを着た少女。
真っ白な長い髪を靡かせて歩いている。
彼女だ。彼女こそ異世界の救世主だ。

道を渡る彼女に向けて
俺はアクセルペダルを全開に踏み込んだ。

やった。
完璧なタイミングだった。

なのに、なんの感触もなく横断歩道を通り過ぎた。

狐に騙されたのか、ギンギツネに

俺は、またしても世界を救えなかった。