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昔の漫画
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少女漫画の棚を過ぎると、次に待っていたのは週刊少年誌の棚だった。長い間愛されている漫画から連載が始まったばかりの漫画まで、様々な作品が抜け目なく並んでいた。少女漫画と比べて、使っている棚の大きさは三倍以上ある。
「これですよね?」
ハルカさんが目当てとしていた漫画の新刊を指差す。人気作品だからか、他の漫画よりもたくさんの量が売り出されていた。
棚には、店員さんの感想が描かれたポップが貼り付けられている。
「うん。どうしてもこの店で買いたかったんだよね」
漫画を手に取り、ハルカさんが笑みを見せる。
「何かあるんですか?」
「サイン会の抽選に参加できるんだ」
「……へぇ」
漫画には、サイン会の予定日と参加条件が記された帯が巻かれていた。僕も同じ漫画を読んでいたが、そこまで詳しく調べていなかったため、サイン会についての情報は何も知らなかった。
連載当初から読んでいた作品だが、いつしか単行本で読むようになり、今では情報を得ようともしなくなっていた。書店で見かけたら購入する程度になっていたため、いつ新刊が発売されたかもわからない。ハルカさんに言われなければ、サイン会が開かれると知ることはなかっただろう。
「ナノくんは申し込まないの?」
「うーん……」
広がった売り場を見ながら首を捻る。サイン会は魅力的に思えたが、財布に入っている残金を思い浮かべると気軽に手を伸ばすことはできない。
アルバイトをしていなかった僕は、毎月母さんからもらったお小遣いで生計を立てていた。グッズやゲームの購入はもちろんのこと、電車賃や外食費もすべてそこから出しているため小さな出費でも痛手になる。
「……買いたい漫画があるから」
頭の中で何度か自問自答を繰り返した結果、他に買わなければいけない漫画があると言う結論が出てしまった。月末になって、本当に欲しいものが買えなくなってしまうことだけは避けなければならない。
「ありそう?」
棚に並んだ漫画を流し見ながら、ハルカさんが僕に質問を投げかける。
上から下まで棚を調べても、目当てとしている漫画は見つからなかった。
「この棚にはなさそうです」
売り場は、探しやすいように出版社ごとに区別されていた。棚にラミネートされた紙が貼り付けられており、そこに出版社が記されている。字やデザインを見る限り、女性が書いたものなのだろう。
「あっちだと思います」
目を合わせることもせずに呟いて、左側の壁を指差す。
僕が目当てとしている作品は、壁際の棚にあるみたいだ。
「これですよね?」
ハルカさんが目当てとしていた漫画の新刊を指差す。人気作品だからか、他の漫画よりもたくさんの量が売り出されていた。
棚には、店員さんの感想が描かれたポップが貼り付けられている。
「うん。どうしてもこの店で買いたかったんだよね」
漫画を手に取り、ハルカさんが笑みを見せる。
「何かあるんですか?」
「サイン会の抽選に参加できるんだ」
「……へぇ」
漫画には、サイン会の予定日と参加条件が記された帯が巻かれていた。僕も同じ漫画を読んでいたが、そこまで詳しく調べていなかったため、サイン会についての情報は何も知らなかった。
連載当初から読んでいた作品だが、いつしか単行本で読むようになり、今では情報を得ようともしなくなっていた。書店で見かけたら購入する程度になっていたため、いつ新刊が発売されたかもわからない。ハルカさんに言われなければ、サイン会が開かれると知ることはなかっただろう。
「ナノくんは申し込まないの?」
「うーん……」
広がった売り場を見ながら首を捻る。サイン会は魅力的に思えたが、財布に入っている残金を思い浮かべると気軽に手を伸ばすことはできない。
アルバイトをしていなかった僕は、毎月母さんからもらったお小遣いで生計を立てていた。グッズやゲームの購入はもちろんのこと、電車賃や外食費もすべてそこから出しているため小さな出費でも痛手になる。
「……買いたい漫画があるから」
頭の中で何度か自問自答を繰り返した結果、他に買わなければいけない漫画があると言う結論が出てしまった。月末になって、本当に欲しいものが買えなくなってしまうことだけは避けなければならない。
「ありそう?」
棚に並んだ漫画を流し見ながら、ハルカさんが僕に質問を投げかける。
上から下まで棚を調べても、目当てとしている漫画は見つからなかった。
「この棚にはなさそうです」
売り場は、探しやすいように出版社ごとに区別されていた。棚にラミネートされた紙が貼り付けられており、そこに出版社が記されている。字やデザインを見る限り、女性が書いたものなのだろう。
「あっちだと思います」
目を合わせることもせずに呟いて、左側の壁を指差す。
僕が目当てとしている作品は、壁際の棚にあるみたいだ。
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