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Blood X`mas
Blood X`mas Ⅱ
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渋谷の雑踏の中、シャーリーと氷華は周りの人から避けられるように道を進む。通りすがる人たちは通りすがりに振り向き、背筋を凍らせるように立ち止まる。その様子を氷華は少し楽しげに見つめる。
『誰にも見られずに買い物ができるなんてね。いままで山の中で生活してたから初めてだわ。街ってこんなに凄いのね』
「いろんなお店があるからね。これまで家の中で我慢させてごめんね」
『いいわよ。地元ではあるけど道も知らないわけだし、これからは少しずつ家から出て、洋服とか見ながら探索でもしてみるわよ』
『シャーリーも一緒にいく~』
二人は亮人から手を離すと、道の真ん中で周りを見渡す。
初めての街、初めての買い物、初めてのお出かけ。
全てが初めてだらけの二人の瞳は、子供がはしゃいでいるようなものだ。
「二人とも、離れたら危ないよ?」
『わかってるわよ~』
『大丈夫だよ~』
手をつなぐ二人の後ろ姿に笑みを浮かべる亮人。そして、ズボンへと入れていた携帯が震え、取り出すと電話が鳴っていた。
『おはようっ!! 言われた通り、109の前にいるんだけど、もうそろそろ着きそう?』
「おはよう、礼火。もうすぐ着くから待ってて」
『は~い』
三人の視界に入っている109。その出入り口のところには小さな女の子が一人、携帯を片手に周りを見渡している姿があった。
普段は子供らしい姿の彼女だが、亮人の視界に入る彼女は大人びていた。彼女の子供らしい印象を払拭させるかのようにポニーテールにシャープな黒縁メガネにトレンチコートといったOLのような印象を持たせるものだった。
「おはよう、礼火。なんかいつもと雰囲気が違くて驚いたよ」
「あっ、おはようっ!! お母さんに亮人と出かけてくるって言ったら、「そんな格好じゃ生かせられないっ」って、この服になっちゃった」
『へぇ~、だいぶ似合ってるじゃないの。チンチクリンの割には』
『一瞬、誰だかわからなかったよ』
「へへん、チンチクリンでも大人っぽくなれるんだよ」
そんな会話をしながら、
「それじゃぁ、早速買い物をしようか」
亮人は三人を連れて、109へと入っていった。
『凄い…………綺麗』
そう口にしたのは氷華だった。
目の前に広がる様々な店舗もそうだが、内装に驚く。テレビでよく見ている光景ではあるが、実際の目で見るのは初めての彼女は一人、歩く速度が早まる。
『亮人っ!! 私、ここの洋服が欲しいっ!! 凄く可愛いわ!!』
店の前で目を輝かせながら楽しそうに微笑む氷華。そんな彼女に三人は、やれやれ、となりながらも、氷華に続いていく。
『お兄ちゃん…………よかったね。お姉ちゃん、凄く楽しそうだよ』
「うん、来た甲斐があったよ。シャーリーも好きなのがあったら、すぐに言うんだよ? 今日はお金沢山使っても大丈夫だから。もちろん、礼火も好きなの言ってね? 沢山は買えないけど、いつも助けてもらってる分、奮発するからさ」
「ありがと、亮人」
礼火、シャーリーの二人から伸ばされた手を亮人は自然と握っていた。小さく暖かいその手を優しく。
『何やってるの~、早く来なさいよ~』
一人、遠くにいる氷華は満面の笑みを浮かべながら手を振ってくる。
そこへゆっくりと三人は歩き出した。
『誰にも見られずに買い物ができるなんてね。いままで山の中で生活してたから初めてだわ。街ってこんなに凄いのね』
「いろんなお店があるからね。これまで家の中で我慢させてごめんね」
『いいわよ。地元ではあるけど道も知らないわけだし、これからは少しずつ家から出て、洋服とか見ながら探索でもしてみるわよ』
『シャーリーも一緒にいく~』
二人は亮人から手を離すと、道の真ん中で周りを見渡す。
初めての街、初めての買い物、初めてのお出かけ。
全てが初めてだらけの二人の瞳は、子供がはしゃいでいるようなものだ。
「二人とも、離れたら危ないよ?」
『わかってるわよ~』
『大丈夫だよ~』
手をつなぐ二人の後ろ姿に笑みを浮かべる亮人。そして、ズボンへと入れていた携帯が震え、取り出すと電話が鳴っていた。
『おはようっ!! 言われた通り、109の前にいるんだけど、もうそろそろ着きそう?』
「おはよう、礼火。もうすぐ着くから待ってて」
『は~い』
三人の視界に入っている109。その出入り口のところには小さな女の子が一人、携帯を片手に周りを見渡している姿があった。
普段は子供らしい姿の彼女だが、亮人の視界に入る彼女は大人びていた。彼女の子供らしい印象を払拭させるかのようにポニーテールにシャープな黒縁メガネにトレンチコートといったOLのような印象を持たせるものだった。
「おはよう、礼火。なんかいつもと雰囲気が違くて驚いたよ」
「あっ、おはようっ!! お母さんに亮人と出かけてくるって言ったら、「そんな格好じゃ生かせられないっ」って、この服になっちゃった」
『へぇ~、だいぶ似合ってるじゃないの。チンチクリンの割には』
『一瞬、誰だかわからなかったよ』
「へへん、チンチクリンでも大人っぽくなれるんだよ」
そんな会話をしながら、
「それじゃぁ、早速買い物をしようか」
亮人は三人を連れて、109へと入っていった。
『凄い…………綺麗』
そう口にしたのは氷華だった。
目の前に広がる様々な店舗もそうだが、内装に驚く。テレビでよく見ている光景ではあるが、実際の目で見るのは初めての彼女は一人、歩く速度が早まる。
『亮人っ!! 私、ここの洋服が欲しいっ!! 凄く可愛いわ!!』
店の前で目を輝かせながら楽しそうに微笑む氷華。そんな彼女に三人は、やれやれ、となりながらも、氷華に続いていく。
『お兄ちゃん…………よかったね。お姉ちゃん、凄く楽しそうだよ』
「うん、来た甲斐があったよ。シャーリーも好きなのがあったら、すぐに言うんだよ? 今日はお金沢山使っても大丈夫だから。もちろん、礼火も好きなの言ってね? 沢山は買えないけど、いつも助けてもらってる分、奮発するからさ」
「ありがと、亮人」
礼火、シャーリーの二人から伸ばされた手を亮人は自然と握っていた。小さく暖かいその手を優しく。
『何やってるの~、早く来なさいよ~』
一人、遠くにいる氷華は満面の笑みを浮かべながら手を振ってくる。
そこへゆっくりと三人は歩き出した。
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